スポンサーサイト



この広告は30日以上更新がないブログに表示されます。

GG小ネタ

バッドガイの大切なレコードのバンド名

幸せ、頂きます(甘→凌)*

*学パロ*










今日が何の日かなんて、これっぽっちも興味がなかった。

「アニキィ、アニキはいくつ貰ったんです?」
「あん?何を」
「いや何をって、」

俺の舎弟達は口を揃えて「チョコですよ!」とにやけ面で言った。
そこで初めて今日が何の日か思い出したあたり、俺はとことん色恋沙汰とは無縁らしい。

「そういややたら女子が話し掛けてきたな…」
「やっぱり!さすがアニキ!」
「つかそういうお前らはどうなんだよ」
「嫌味っすかー?」
「俺達がアニキよりモテるわけないすよ」

口々に愚痴をこぼす野郎共と俺は周りからさぞかし非モテ集団に見えていることだろうというのが容易に想像出来て腹が立つ。

(…つーかそんな素振りも見せなかったあいつに腹が立つ)

思い出すのは皮肉な笑顔と泣きぼくろ。

「……俺用事思い出したから行くわ」
「アニキ?」

今日が何の日かなんて、これっぽっちも興味はなかった。けど。
あの顔思い出したら無性に会いたくなった。
上級生の教室へ一秒でも早く着く為に階段を駆け降りた。



(チョコレートくれよ、なんて陳腐な言い訳)(本当は伝えたい)



叫びたいくらい好きなんだ!










―――――
2月からなんと今までの拍手文でした。長いよ!
ほんとは続き書くつもりでした(凌統視点ホワイトデーで)、が。
力尽きましt←



#君さえここにいなければ(植丕)

珍しく一人で庭にいる兄さまを見つけた

「兄上」

思わず声をかけてしまう
今は俺も一人で、邪魔な側近どころか司馬懿さえいない(つまり二人きり)

「…植」
「何してるの?」
「……、別に」

兄さまは俺が傍に行くのを嫌がる
きっと司馬懿が何か吹き込んでいるに違いない
(忌々しい)

「なら兄上、詩を詠ってよ」

逃げるように立ち去ろうとする兄さまの、案外細い手首を掴んでそう言った

「詩?」

眉間にはいつもの倍皺を寄せて(その顔、好きだよ)

「うん、詩を」

そう言い終わるや否や手を振りほどかれる
力じゃ兄さま達には適わないことも承知しているので、俺もそれ以上は何もしない

「お前に詩を催促されるとはな」
「どうして?俺、兄上の詩好きだよ」

本当のことを言ったのに、兄さまはふんっと鼻で一蹴すると

「詩なら父と詠えばよかろう」

そう自嘲気味に俺を嘲笑った
(嗚呼その顔、その声も、)

「…俺は兄上の詩が好き、詩を詠う顔が好き、声が好き」

兄さまの詩はとても綺麗で繊細で、哀しくて(それは兄さまそのもののよう)
ぜんぶぜんぶ、俺のものにしたいのに、
(――貴方が憎いよ)

長い前髪を掴んで此方を向かせる
痛がる顔も、すべてが愛しくそして憎い


「俺は子桓兄さまが好き」


そう深雪色の瞳を見つめて言う
氷の瞳は面白い程動揺し、刹那、

思い切り殴られた


「――っふざけるな」

凍てついたような無表情でそう吐き捨て、俺が痛みに唸っている間に踵を返すとそのまま城へ歩んでいく
手を伸ばしたが既に遅く、両腕は虚しく空気を掻き抱いただけだった


「、また掴み損ねた。」



ねえ、こんなにも愛しているのに
それだけが俺の存在理由なのに、それすら否定し孤高の玉座で踏ん反り返っている貴方が憎いよ
高嶺の花にでもなったつもりなのなら俺は貴方を赦さない

(いっそ俺も彰兄のように殺してくれたのなら救いもあるだろうに)(だのに花は高嶺に独り鎮座し枯れるのをただ待つだけ)

だったら、ねえせめて



(せめて俺の哀しい愛に詩を下さい)










君さえここにいなければ

(こんなにも醜い愛を詠わずにすんだのに)



続きを読む

#手折る指先(慶孫)

俺のことが好きだと言ってのしかかってきた金色獅子は俺が嫌だっつってんのにも関わらず更に抱き締めようとしてきやがった

「離せ、離せっての慶次!」

「照れなさんなよ」

「照れてねーよっ、嫌だって言ってんだろ」

「いいじゃないか、何でそんなに嫌がるんだい」

「暑いし重いし、何より野郎にのっかられ抱き締められそうなこの状況に耐えられねェんだよ!」

「あんたはもう少し我慢ってもんを覚えた方がいい」

「あんたに言われたくないね。それにこれは我慢じゃなくて、俺の上に乗っていいのは女性だけっていう…うあ?」

俺の腰あたりで格闘していた俺の手と慶次の手
慶次の手が突然俺の手を握り返してきた

驚いて動きが止まった俺の一瞬の隙をついて、慶次が首筋に顔を埋めた

「う、わわっ、やめ、やめろって慶次!」

抵抗しようにも俺の手はがっしり握られてるわけで
慶次の力に対抗出来る奴なんか、多分本多のおっさんくらいなわけで

それをいいことに慶次は俺の首筋を舐めてくる
女性なら大歓迎なのに、生憎この厚く大きな舌は正に獅子そのもので

「けぇじぃ…」

自分でも気持ち悪い甘ったれた声で名前を呼ぶしか出来なかった

「なんだい?」

「…くすぐってェ」

苦笑混じりにそう言うと、更にべろりと舐められる
優しく丁寧に舐めてくる舌先とは裏腹に握られた手はきつくきつく掴まれて

(ったく、)

俺のことが好きだと言ってのしかかってきた金色獅子が執拗に舐めている俺の首元を食い千切るのはいつなのだろうと考えた





黒い羽も優しく折って、大きな手で捕まえてて(離さないで)










―――――
何気に初獅子×鴉(なのにちょっとバイオレンス)^^←



#かけおち、きみとばからしい空想をつれて(左→三)*

*関ヶ原の戦い後死ネタ*
*史実無視の 大 捏 造 ^^←*

色々駄目な妄想甚だしい捏造注意










自らも鉛の玉をくらって、それでも本陣へ、あの人の元へ走った

「殿―、っ」

痛みを堪え辿り着き、目に入った悲惨な戦場
本陣を守っていた味方が次々倒れていく
その中で一人、ああ戦慣れしてないあんたが何で戦っているんだ
色素の薄い美しい赤髪は赤黒くべたつき、華奢な身体は今にも折れそうにそれでも精一杯立っていた
細い足が震えているのは恐怖ではなく彼の体力の限界を表していた

殿、殿。
俺の護るべき人。
護りたい、人。

――嗚呼、修羅が出てくる

「殿ォォァアア!!」



††



「ここまで来れば、大丈夫ですよ…殿」

小早川のぼっちゃんが寝返った時点で西軍の敗北は決定付いたと言っていいだろう
だから俺は敵の海から殿を助け、本陣を棄て敗走した
殿はここにいる
そうだ、殿さえ生きていればいいのだ

「さこ…ん、んンっ」
「あまり喋らないで下さい、身体に障ります」

俺の腕の中で殿の綺麗な顔は苦痛に歪み青白くなっていた
はッはッと細かく息を吐き出す俺に対し、殿の口からはひゅうと空気の漏れるような音しかしない

「っは、さこ…俺が死ねば西軍は敗北…だから俺の死は隠せ…そして、家康の首を……あとは幸村や兼続、が…」
「殿!いい加減にして下さい!あんたは俺の殿だ、左近がいる限り死なせやしません」

怒りと不安と、自分の無力からか、いつのまにか殿を怒鳴り付けていた
普段の殿なら大袈裟に肩を揺らし怯えた目で俺を見上げてくるところなのに、何故ですか、何故そんなにも穏やかに笑うんですか

「と、」
「左近…最期まで迷惑をかけたな…感謝、している」
「何言ってんですかあんたらしくない!」

穏やかに微笑む殿とは対照的に俺の顔はきっとひどく歪んでいるのだろう
視界がぼやけていくのが判った
視界も、思考も、霞がかかったようにはっきりしない
…そうだ、

「そうだ殿、逃げましょう」
「逃げる…?」
「ええ、逃げて、そこで養生しましょう。左近が必ず護ります」

だから、ね。
その先は何も言わない
するとふっと殿が笑った

「もう逃げているじゃないか」
「違いますよ、もっと遠くに、です」

そうもっと遠く、ずっと遠く、
いっそ戦のない別の世界まで
それを求めた戦で傷ついたこの人を、そんな世界に連れていってあげたかった
繋いだ細い手を引いて、もう二度と離さないように握り締めて

それはいいな、と殿は笑った
そのまま目を閉じ、会話は終わる
おやすみなさい、ゆっくり休んで。あんたが起きた時にはきっと。
動かなくなった殿を抱き締めた
あんたは俺が護る、死なせやしない。

そう決意したはずなのに涙は溢れ、俺はその場から動けなかった





きみと、きみの描いたすばらしい世界へ(きみがいるだけで僕は何もこわくはないのに)(なかった、のに)



前の記事へ 次の記事へ