お料理の本片手にファーは材料を次々と並べていく
バター・グラニュー糖・薄力粉・卵…
紅椿は不安げに並べられていく材料を眺めている
(ファーおねぇちゃん…バ、バターが…無塩バターじゃないとダメですしゅ(汗
って、それ薄力粉じゃないでしゅし〜〜(焦))
ハラハラしながらファーの様子を伺う
目で物を訴えているのだが、ファーは全く気づかないらしい
「ん〜〜っと…オーブンの…何処にしまったですかねぇ…」
ファーはオーブン板を探しに流しから目を離す
紅椿は慌てて、一部の材料を取り替える
(…これでよしでしゅ)
ふぅ〜とため息をついて、オーブン板を持ってきたファーの方を眺める
材料を入れ替えた事には気づかれてないらしい(笑)
「さて、材料も揃ったから始めますかね♪」
「あい☆」
料理の本を良く見える場所に広げ、レッツクッキング☆
「んと、椿ちゃんは何をお手伝いしてもらいますかね〜」
じっと工程作業を眺めながらファーはぼやく
紅椿は引きつった笑みを浮かべて黙って待っている
クライムはそんな二人をぼんやりと眺めていた
『あのさ、ファーそんな難しそうなお菓子チャレンジして大丈夫なの?』
クライムの言葉にカチンと来たのかファーは振り返って
「クライム五月蝿い…やれば出来るもんなんですよ??」
ボールとベラを持った状態でファーはクライムを睨む
『最初は簡単なものからやっていくのが…一番安全だと僕思うけど』
「クライムは黙ってて下さい」
「あぅ〜〜喧嘩しちゃダメでしゅ(汗」
「あ、喧嘩じゃないから大丈夫ですよ♪ クライムの小姑ぶりは今に始まった事じゃないですし」
『(…誰が小姑だ…誰が…)』
クライムはあきれ果てたようにファーを眺めていた
「さてと…ボールに材料入れていくですよ〜」
「……えっ〜と、ファーおねぇちゃん…何から作っていくつもりでしゅか?」
「ん?シュー生地からですよ♪」
ファーの解答を聞いて、紅椿はヒクッと笑みが引きつる
「んと…ファーおねぇちゃん…生地なら…お鍋の方がいいと紅思うでしゅ…」
「ほえ?混ぜるだけですよね??」
紅椿はかわいらしくフルフルと首を横に振り否定する
「火にかけて、バターとかさないとダメでしゅ…」
「ほえ…そうなんだ?」
不思議そうにファーは首をかしげて本に視線を向ける
「あ・・・本当です〜本にも書いてあります」
テヘッと笑ってごまかしファーは慌てて、ボールから片手鍋に取り替える
「え〜っと…ファーおねぇちゃん…もうちょっと大きい方が良いでしゅよ?」
紅椿は隣にある両手鍋の方を指差す
「なるなる…」
ファーは言われるままお鍋を交換する
「ん〜〜っと…火にかけて…っと」
ガスコンロに火を点火し材料のバター・砂糖・水・塩を適当に投下する
「って〜〜〜ファーおねぇちゃん〜〜ストップでしゅ〜〜〜!!」
紅椿の言葉にビクッと驚きながらも、ファーは慌ててコンロの火を止める
「火が強すぎましゅ〜〜これじゃ〜こげちゃいましゅ…」
紅椿はコンロの火を中火にして、ゆっくりとバターを溶かしてゆく
なかなか手際の良い紅椿にファーは唖然として眺めている
「…椿ちゃんお上手ですね〜」
「紅お料理は得意でしゅ♪・・・あ、ファーおねぇちゃん・・・薄力粉を…」
「あい…え〜っと薄力粉…」
立場がなんか逆転してるような…クライムはそんな二人をじっと眺めてそんな事をふと思った
『(考えたら、紅ちゃんは…キシュさんの魂を持っているんだから、お料理上手でも不思議じゃないもんな…)』
紅椿を感心しながら見つめていた
一方台所では…まだまだ格闘は続くのであった(ぁ
裏ページは背後事w