いつも隣には君がいて、笑ってくれていた。
いつも隣にいるのに。
もう君は俺に笑いかけてくれない。
気がついたら俺の隣にいる獄寺くんは笑ってくれなくなった。
こんなに近くにいるのに、触れてもくれなくなった。
話しかけても返事をしてくれなくなった。
―俺が嫌いになったの?
そう聞きたかった。
けど、怖くて聞けなかった。
でもきっともう俺に愛想尽かしてしまったんだろ。
この間、山本にすがりつく君を見てしまったんだ。
こんなにも胸が張り裂ける思いをするなんて思ってなかった。
ずっと怖くて聞けなかった言葉を勇気を出して俺は、聞くしかなかった。
「ねぇ、獄寺くん。
もう俺のこと愛してないんだよね…っ?」
「……」
返事は帰ってくることもなく、ただ、辛そうに涙する君の横顔しか見えなかった。
きっとこれが君の答えなんだと思い、俺は去ろうとしたその時。
君は急に話し出したんだ。
「どうして…?どうして俺を置いて逝ってしまったんですか?10代目っ!」
コトンと小さく音を立てて落ちたのは俺の指に填めてあったはずの指輪で。
どうして?あれは君とペアで買ったものなのに。
自分の左手を見ればそこに指輪はなくて。
あぁそうだ。
君が俺を避けていたんじゃないんだ。
そうだ、俺は死んだんだ。
愛しい君を残して。
こんなにも君はまだ俺を愛してくれていたんだね。
どうかもう泣かないで。
頭を撫でて、涙を拭ってあげることももう出来ないけれど、ずっと、ずっと君のこと…―――
「愛してるよ。」
ふわりと風が吹き、君の髪を乱した。
その風に君は顔を上げてくれた。
「10代目っ?!」
どうか幸せに過ごして。
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本当は隼人が死んでるのを認められない病んだツナ獄を書く予定がいつの間にかツナがお亡くなりになられてた←
自分が死んだことに気が付かなくて隼人のそばをさまよってました。
あれ?そんな映画なかったか(笑)