スポンサーサイト



この広告は30日以上更新がないブログに表示されます。

家族ゲーム#8

「この最悪の結末は,あんたたち自身が招いたんだ.
沼田家は,壊れるべくして壊れたんだよ」

先生によって仕掛けられたトラップにどれだけ引っかかったのか,その答え合わせがされた今回.

その罠にことごとく引っかかって自滅していった沼田家.

先生がいくつも用意していた回避ルートを無視して,自らバッドエンドへと突き進んできたことで,彼らの本来の姿が見えてきました.


「まだメンツ.まだ遠慮.まだ演技.まだ変わらない」

ある意味,先生が沼田家を繋いで,支えていた存在なのかもしれないとも思いました.

家族や周囲には仮面をかぶっていましたが,先生に対してはそれぞれが本来の姿を見せていましたからね.

何とか形を成していた家族は,先生が出て行くことで音を立てて崩壊していきました.

相手を思いやることなく,それぞれが自分の立場で自分の意見を主張する,まさに自分本位であることが露呈しました.

ずっとため込んでいた本音をここぞとばかりに吐き出す沼田家.

その光景は,異様というよりもあまりにも滑稽で.

清々しさすら感じたのは,ようやく本来の姿を見れたからなのかもしれません.

現実に直面して,すべてを吐き出した沼田家の人たちは,執着していた見えや肩書きの象徴を壊すことで,そこから解放されようとしているように見えました.

すべてがどうでもよくなった,その状態の表れかもしれませんが,何も失うものはなくなった沼田家が今度はどう立ち上がっていくか.

ただ崩壊させるのが目的ではなく,本音でぶつかり合う機会を与えて,本来あるべき家族の姿に導くことが先生の目的だったのではないでしょうか.

人がそう簡単に変われないのは翌日の沼田家の人たちの態度を見れば分かりますが,どん底だからこそ見えるものがあるのだと思います.

ふとした瞬間に先生の言葉が甦って,それがきっかけになってくれるのではないかと,僅かな希望も持っています.

茂之くんにあのタイミングで「お前が家族を救え」と伝えたこと.

最後に「やっぱりお前は駄目駄目な生徒だったよ」と言い残したこと.

期待していた分の失望感は確かにあったでしょうが,茂之くんの弱さも,そして家族が崩壊することも見越しての言葉だった気がします.

だからこそ,最後に発破をかけるような言葉を茂之くんに残したのではないでしょうか.

自分で考えて行動しろという,先生からの最後の試練だったように感じました.

先生がいなくなって,崩壊した家族を前に茂之くんがどういう行動をとるか,僅かな希望を先生は託したのかもしれません.

そして,慎一くんが学校辞めることも,この崩壊を見据えていたから賭けを持ちかけたのかもしれません.

先生の意図はまだ見えてきませんが,すべてを見透かしているのは確かでしょうね.


そして,沼田家を出て行った先生.

未だに謎の多い立花真希.

2人の関係も明らかになりましたね.


「色々ありがとう」

「これからどこへ行くんですか?」


「お元気で.

また会えますよね?

田子先生」

「俺は吉本荒野だ」

「私には…中学校にいたころからずっと田子雄大先生ですよ」


「さようなら」


あの雲ひとつない青空に先生が溶けて消えてしまうのではないかと思うほど,澄みきった青空が寂しさを滲ませていました.

彼女が先生に言った「さようなら」.

慎一くんに言った「バイバイ」とはまた違った,すべてを悟ったような「さようなら」に聞こえました.


先生と彼女の関係が教師と教え子であったこと.

彼女は,先生の計画も覚悟も本当の姿も知っている,唯一の理解者だったのですね.

先生と彼女が抱える過去が明らかになったとき,ようやくすべての計画が明らかになる.

「立花家には女の子はいなかった」

この言葉の意味も,そして彼女が調べた先生の情報の真実も明らかになりそうです.


次回予告からですが,名前だけでなく“吉本荒野”の言葉すらもコピーしていた先生.

しかし,同じ言葉であっても使い方や言う相手が違うだけで意味が変わってくるのが分かります.

そして,真田くんに対して言っていた言葉を茂之くんに対しても言っていた先生は,吉本荒野と名乗りながらも田子雄大として接していた瞬間もあったのかなと思いました.

突拍子もない言動をする先生で,何が嘘で何が真実か分かりませんが,茂之くんに対して言っていた言葉に偽りはなかったのかもしれません.


吉本荒野としての人生が始まった,8年前の真実.

この物語の鍵を握る“真田宗多”という少年.

すべては彼から始まったストーリー.

何を憎み,何を裁こうとしているか.
何を悔いて,何を償おうとしているか.

先生が抱えている闇がようやく明らかになりそうです.

しかし,過去が明らかになっても先生が過去から解放される日は来ないのかもしれません.

沼田家に再生の道が選択肢のひとつとして用意されていたとしても,先生はこれからも過去と向き合いながら生きていくしかないのでしょうね.


あと2話.

どう着地するか,心して見たいと思います.

家族ゲーム#7

「沼田家の崩壊は….

もう誰にも止められませんよ」


来るとこまできたというか,ようやく崩壊している事実に直面するときがきたという感じですね.

今までに何度も先生が向き合うきっかけを与えたり,助言をしていたにもかかわらず,向き合おうとせず目を逸らしてきた沼田家.

もちろん,先生が引っ掻き回したことで崩壊に拍車がかかったのは事実です.

しかし,それは一因にすぎなくて,崩壊の原因は沼田家自体にあったのです.


「だったら,家族ごっこはもうやめろよ!

そうやって見えを張って,うわべだけの家族を演じてきた結果がこの状況を招いたんだろ」

先生が来る前から“家族ごっこ”をしていた沼田家は,崩壊のそのときまで誰かが用意してくれるきっかけを待っていただけ.

自分しか見えず,自分のことしか考えずにいた沼田家の人たちは,後戻りできないところまできて,ようやく事の重大さに気づくのです.


「その家庭教師にここまで身ぐるみ剥がされたんだよ.あんたたちは.
何もかも失いかけてるんだよ.
悔しかったら,ちゃんと家族になってみろよ」

他人である先生につつかれただけでいとも容易く壊れる家族.

いくらでも向き合うチャンスはあったのに,蓋をしてきた結果がこの有り様です.

今回,お母さんの株の損失ですべてが表面化しましたが,これも先生が与えた試練だったのかもしれません.

仮にお母さんに100万円を渡したのも,主婦仲間に入れ知恵させたのも先生の差し金だったとして,その誘惑にお母さんが勝つことができるか,家族と自分と向き合ってくれるか試そうとしていたのではないでしょうか.

事実と向き合わせるため,自分の弱さと向き合わせるため,様々な罠や嘘を何重にも仕掛けることで試練を与え続けていた気がします.

ただ壊すのが目的ではなく,自らの欠陥に気づかせるために仕向けていたことなのかもしれませんね.

ここまできてしまった沼田家が次に向かう場所は.

崩壊の先に果たして再生はあるのか.

沼田家が辿り着く終着点が気になります.


「生きていれば,まだ変われます」

お母さんに対して言ったこの言葉は,先生自身への言葉でもあるように思いました.

変えることのできなかった過去の自分への呵責.

先生は何を背負って,何を悔いているのか.

少しずつ見えてきた先生の過去は,慎一くんや真希が調べた情報とは異なっているように思いました.

教室で“吉本荒野”と会話していたあの様子だけで判断するにはあまりにも情報が少ないですが,あの通りであるならば“吉本荒野”の母親との会話は繋がる気がしました.

「これからも「吉本荒野」を名乗り続けるよ」

その理由は未だはっきりしませんが,“吉本荒野”の名を語ることで,本物の“吉本荒野”がどういう人間であるかを知らしめるのが先生の目的なのかもしれません.

自分の名を捨ててまで名乗り続ける理由.

「吉本荒野は,そういう人間なんですよ」

この一言に凝縮されている気がしました.

ただ,あの一部だけで判断してしまうのは危険というか,もっと根深くて複雑な過去が隠されていると思うので,もう少し静観する必要があるのかもしれません.


最後の最後で突きつけられた事実.

真希と先生の楽しそうに会話をしている様子に,今まで積み上げてきたものが崩れるのと同時に,「こういうことだったのか」と一本の糸が見えたような気がしました.

やはり今までのことはすべて先生の計画のうちだったのでしょうか.

お父さんも慎一くんも,そして視聴者も,見事に掌の上で転がされていただけなのでしょうか.

もしかしたら,まだ気づいていない罠が沼田家の人たちに仕掛けられているのかもしれません.

何が真実で何が嘘なのか.

ひとつひとつピースを埋めてきたものをひっくり返された気分です.

ただ,当初考えていた展開ではあるので,2人の過去がどう繋がるのか,本当の目的は何なのか,そこがこれからのポイントになってくるのかなと思いました.

先生,立花真希,“吉本荒野”,そして沼田家.

この点が線になるとき,見えてくる真実はどのようなものなのか.

そして,それぞれが迎える局面は….

ますます目が離せない展開となりましたね.


次回は,周囲の人間からの反撃.

周囲とそれなりに上手く付き合ってきたように見えるお父さんと慎一くんですが,周囲から反発されて初めて自分がどれだけ周囲の人間を軽んじてきたか,その愚かさや傲慢さに気づくのかもしれません.

挫折や孤立を味わうことで見えてくるものがあればいいと,それをきっかけに自分自身と家族と向き合うきっかけになればいいと,僅かな希望を望んでいます.


そして,茂之くんが試される回でもあります.

いじめていた相手に,自分がされていたことをやり返すのか.

ここまで精神的に成長した茂之くんですが,相手に対しての鬱積もあるでしょうし,周囲に流されてしまうかもしれません.

しかし,限界を越える手前で,踏みとどまってくれることを願います.

彼がこのストーリーの“希望”になってくれるのではないかと,先生もそれを見抜いているのではないかと,そんな風に思いました.

次回予告からだけでは判断できませんが,先生が茂之くんに言った「お前が家族を救え」という言葉,すべてはこのために彼を叩き直してきたのではないかと思える言葉でした.


いわゆるハッピーエンドを望んでいるわけではありませんが,後戻りできないところまできてしまった沼田家が,“家族”というスタートラインに立てるのか.

当たり前のことではあるけれど,沼田家にとってはそのスタートラインに立つことも大きな一歩だと思うので,その僅かな救いを見出してくれたらなと思います.

家族ゲーム#6

慎一くんにとって家族とは何なのか.

「お前が守りたいのは家族じゃない.
自分に都合のいい,この生ぬる〜い環境だ.
カッコつけんなよ,優等生.
あと何日で,お前の居場所がなくなるかな」

その言葉通りの展開となりましたが,それは先生の言う慎一くんにとって都合のいい生ぬるい環境が失われただけであって,そもそも彼に居場所はあったのか.

「吉本に家族を取られちゃいました」

家族は他人の先生よりも身内の自分を信じてくれると思って陥れる材料を用意したのに,それが不発に終わり逆に彼にとっては辛い現実が突きつけられるかたちとなりました.

慎一くんが家族に関心がないのと同様,家族も慎一くんに関心がなかったのかもしれません.

“文武両道の優等生”という慎一くんの肩書きが自慢だっただけであって,彼らにとってもまた,慎一くんは都合のいい息子にすぎなかったのです.

表面だけの脆い絆.

どこまで壊れれば,自分たちの家族が異常だということに気づけるのか.

そして,慎一くんも自分自身をセーブできるときがくるのか.


自殺未遂をした高津くんに放った一言.

「俺のせいじゃないよな?」

彼が心配したのは高津くんの身体でも心でもなく,自分のこと.

まさに自分のことしか考えていない証拠.


「死ぬ間際って,どんな気持ちだと思う?」

「分かるわけないじゃないですか.考えたこともありませんよ」

2話のこの会話からすでに慎一くんの本質を見抜いていた先生.

味わったことのない絶望を感じて初めて慎一くんは相手の気持ちを推し量ることができるのでしょうね.

どん底に突き落とされたときが彼のスタートラインなのかもしれません.

高津くんに放った一言の重みに,慎一くんが気づくことができるのか,変わることができるのか見物です.


周囲から孤立する中,接近する慎一くんと真希.

2人が調べ上げた情報は,どこまでが真実なのか.

もしもあの情報が真実ならば,3話で先生と“吉本荒野”の母親が電話で話していた内容が噛み合わず,矛盾している気がします.

「息子は罰を受けました.これ以上,私たちに関わらないでください」

「嫌です.
これからも会いに行きますよ.忘れてほしくありませんし.
僕と息子さんは….
共犯なんですから」


一体何の罰なのか,何をもっての共犯なのかが分からないだけに,“吉本荒野”が善で,“田子雄大”が悪,ではしっくりこないですね.

先生があの生徒をいじめて自殺に追いやったというのでは,話の筋が通らないというか.

ビデオで証言していた先生たちの言葉の信憑性も薄いですし,真希が調べた情報ということも気になります.

「今度は私があなたの力になりたいの」という真希の真意がどこにあるのかも謎ですし,タイミングよく現れる彼女にもやはりまだ何か裏がありそうです.

病院で“吉本荒野”を見たときの真希の表情も気になりますし.

一体何が真実で,何が罠なのか.

もっと複雑な罠が用意されているのではないかと勘ぐってしまいます.

先生の謎が明らかになるどころか,より一層謎が深まった気がします.

すべては先生の計画通りに進んでいるのか….

ただ,茂之くんのあの行動は,先生にとって予想していなかった展開だったらいいなと個人的な願望を.

先生を信じたいという茂之くんの気持ちが痛いほど伝わってきて,冒頭のモノローグとあいまってグッときました.

例えそれが先生の策略だとしても,変われたことも,楽しいと思える空間を,友人を,手に入れられたことは紛れもない事実で.

茂之くんにとって,先生がどういう人間かはさほど重要ではなくて,自分ととことん向き合ってくれた先生が,彼にとってのすべてなのだと思いました.

茂之くんの想いを聞いて,先生は何を思っていたのかな.

茂之くんを見つめていた先生の目が色んな感情を含んでいて,読み取ることができませんでした.


7話は15分拡大!

オトナでオンナな7話から壮絶な8話へということですが,嵐の前の静けさが恐ろしいです.

どう転がっていくのか.

先が読めない不安と期待でゾクゾクします.

いいねえ.

家族ゲーム#5

「俺がお前を壊してやる」

この言葉に尽きる回だった気がします.

翔くんが台本を読んで絶句したというだけあって,衝撃的な内容でした.

息をするのも忘れるとは,まさにこういうことを言うのだと思いました.

ただ,ドラマを見て感じる怖いという感情は,ホラー的な恐怖ではなく,見透かされている恐怖なのだと感じました.

フィクションではあるけれど,「知らず知らずのうちに私も…」と思うこともあり,決して沼田家やあの世界で起きていることが他人事とは思えませんでした.

先生に感情移入しながら見ているつもりが,実は沼田家側の視点で見ていたのかもしれません.


今回は,新たに立花真希が加わり,それぞれの思惑が浮き彫りになったことで,より複雑な展開となりました.

先生に近づくため沼田家を踏み台にした真希,家族のためではなく自分にとって目障りな先生を家から追い出したい慎一くん.

真希と慎一くんは似た者同士に見えるけれど,本質は違うのかもしれません.

真希は慎一くんが“家族のため”に動いているわけではないと見抜いていますし,過去の自分を見ている感じなのかなと思いました.

今後この2人が先生にどう仕掛けていくか見物です.

そもそも真希を慎一くんサイドの人間と考えていいのか未だ謎ではありますが(笑)


沼田家のリビングで先生が言った言葉で,違う反応を見せたお父さんと茂之くんが非常に面白かったです.

「目を逸らしていても,何の解決にもなりませんよ」

「抱えているものがあるなら吐き出したらどうです?
もっと本音でぶつかり合えばいいでしょう.
わだかまりを残したまま,前になんて進めませんよ」

先生のこの言葉に対しての反応があまりにも対照的で,“建て前”と“本音”がよく表現されているシーンだと思いました.

家族と向き合わず逃げるお父さん,前に進むため友人と向き合いに行った茂之くん.

「問題は次男の茂之くんだけ」が,今や沼田家の誰よりも真っ直ぐ前を向いている.

今のままではいけない,それに気づけたのは茂之くんだけなのでしょうね.

茂之くんの変化はもちろん,慎一くんの変貌ぶりが顕著になりました.

気づいていないだけで,もしかしたら身近な人が慎一くんのように感情を抑え込んでいるかもしれない,そう考えると彼を抑えつけている周りにも責任があるように思いました.

“優等生”として生きてきた彼は,周りからのプレッシャーや固定されたイメージが窮屈で仕方がなかったのでしょう.

誰も本当の自分を知ろうとしない,表面ばかりを見て評価する人たちに嫌気がさしていたのかもしれません.

ずっと抑え込んでいた感情が先生によって解放されて,慎一くん自身戸惑っている部分があるでしょうが,本来の自分をさらけ出すことでようやく家族に現実を突きつけることができるのだと思います.

膿を出すではないけれど,互いに無関心で,建て前で生きている沼田家に,先生がそれぞれの本性を暴くことで,もっと現実を,自分の家族を見ろと,提示したいのかもしれません.

「茂之くんをちゃんと見てあげてください.
結構いい顔になってきましたよ」

4話でお母さんに対してそう言った言葉は,慎一くんにも通じる言葉だったのです.

自分の子供と真正面から向き合わず,他人である先生に解決してもらおうとするお父さんとお母さん.

自分たちで家族の欠陥に気づいて,向き合ったときこそ,家族としての再生の道が見えるのかなと思いました.

崩壊の先に何があるのかとても興味深いです.


廃校での先生の言葉はどれも突き刺さる言葉ばかりで,非常に考えさせられました.

今の社会が失いつつある想像力.

慎一くんが高津くんへ放った言葉.

先生へ向けた刃.

まさに慎一くんのその言動こそが,他人の感情を推し量ることができず,想像力を欠いた行動であり,その恐ろしさをまざまざと見せつけられました.

自分の言動で予期せぬ事態を招いたり,誰かが傷ついたり,ましてや死ぬなんて思わない.

そして,それを構わないとさえ思う.

無責任な自分の発言や行動によって取り返しのつかない事態を招くかもしれない,そう考えると想像力の欠如とはとても罪深いことだと思い知りました.


「震えるほどの屈辱を味わったことがあるか?
痛みを知らないお前に,俺が痛みを教えてやる.
恐怖を知らないお前に…,俺が恐怖を味わわせてやる.
苦しみを知らないお前に….
悲しみを知らないお前に….
俺が….
絶望を思い知らせてやる.

俺がお前を壊してやる」

慎一くんに対してだけでなく,他人の感情を推し量ることを放棄した人たちに対して訴えかける言葉でしたね.


「想像力だよ.慎一くん」

この言葉を慎一くんが理解できる日はくるのでしょうか.

先生の無茶苦茶なやり方は非現実的かもしれないけれど,的を射た言葉も,あの世界で起こっていることも,現実問題としてあるわけで,ただ目を逸らしてきただけなのだと気づかされました.

先生が向き合う機会を用意してくれたのかもしれませんね.

きれい事ではない,厳しい現実を映し出しているドラマだと改めて感じました.

6話は慎一くんが先生に反撃を開始するみたいですが,それが“家族のため”なのか注目ですね.

沼田家がどう転ぶかは,慎一くんにかかっている気がします.

家族ゲーム#4

第二章の始まり.

TV誌にもそんなワードがありましたが,まさにという感じの内容でした.

今回は,先生が沼田家,慎一くんへと狙いをシフトしたのもよく分かる回でしたね.

もしかしたら,先生の狙いは最初から慎一くんだったのではないかと思うぐらいで.

第1話の「君の方が問題児だと思ってたから」,第2話の「君の番だよ」,先生は最初から欠陥を見抜いて狙いを定めていたのかもしれません.

今考えると先生の言葉が伏線だったのかなと思いました.

そして,いよいよメスを入れるときがきた,そんな風に感じる回でした.

その慎一くんがかぶっている仮面にも亀裂が入り,マキとのやり取りや先生との腹の探り合いによって徐々に本性が垣間見えてきたように思います.

自分以外誰も信じていないと言う慎一くんが,沼田家の鍵であることを見抜いた先生.

先生の仕掛けた罠で沼田家がどう転がるかも,慎一くんにかかっているように思いました.

お父さんとお母さんに対してそれぞれ違う証言をしたり,あえて関係の修復をさせてから突き落としたりと,本格的に沼田家を壊そうとしているのが窺える回で,まさに「家族ゲーム」が始まった感じがしました.


ラブリーな展開から衝撃のラストへ.

丸く収まるとは思っていませんでしたが,そうきたかと驚きました.

ただ,サイトの管理人マキ=浅海舞香という解釈でいいのか,まずそこの疑問から浮かびましたね.

メールの内容と浅海さんが繋がらないのもありますし,何より吉本荒野に恨みを持っている彼女がなぜ沼田家に近づいたのかも疑問.

はっきりとした目的が分からない彼女の登場により,謎が一気に増えました.

3話で一緒に食事をしたとき,慎一くんは塾に行っていて確かに面識はありませんが,あのサイトを作ったマキと浅海さんが同一人物であるなら,あの時点で先生の存在には気づいているわけですし,あんなに普通に接しているのが不気味で仕方がないんですよね.

マキ=浅海さんとするなら,先生が沼田家にいるのを知っていてお父さんに近づいたのか.

はたまた,すべてが先生と彼女の演出なのか.

あそこまで人のことを調べ上げる先生が,サイトの存在を本当に知らなかったのかも疑問ですし,何よりあのサイトを知った時点で何かしらの手を打っていそうですし,あの洞察力があれば慎一くんの行動も見抜いているのではないかと思うのですよね.

すべてを知っていて演技しているのは誰なのか.

あえて,マキと慎一くんを接触させるための演出のような気がしてなりません.

考えれば考えるほど,もがけばもがくほと,先生の罠に絡まっていっていくようです.

まんまと騙されている感じですね(笑)


そして,先生の過去も少しずつではありますが見えてきました.

推測でしかないけれど,助けを求めていた生徒を,救えたはずの生徒を見捨てて,自殺に追いやってしまったのでしょうか.

あの生徒と,もう1人の“吉本荒野”がどう繋がるのか.

「共犯」という言葉から考えると,“吉本荒野”が彼をいじめて自殺に追いやった張本人なのか.

この2人と,管理人のマキ,そして先生がどう繋がるのか.

その線上に沼田家はいるのか.

やはりまだ点のままで,何一つ繋がりませんが,あの生徒からすべてのストーリーが始まったのは確かでしょうね.


後半,慎一くんに詰め寄って畳み掛けるように言っていた言葉.

「この国自体が歪んでるんだからしょうがない.
今の時代に真っ当な教育なんか通じるわけがないんだよ.」

「考えることを放棄して,周りの意見に流されてるだけじゃないのか?」

「だったら,歴史の授業を例に取ってみよう.

人類の誕生から始めて俺たちに身近で重要なはずの近代史は,なぜか3学期に駆け足で終わらせる.
100年も経っていない首相の暗殺事件でさえ教科書では,たった数行しか語られない.
どんな背景があって,どんな思いがあって殺されたのか.
本来はそういうことを学ぶべきなんじゃないのか?
でも,誰もそれをおかしいとは思わない.

なぜなら,そんな詰め込み式の教育でも社会がそれなりに機能していたからだ.
だがその歪みは,アイデンティティーの喪失として表れた.
自分のルーツを曖昧にしか理解できていない俺たちは,自分に自信が持てなくなり,戦うことを怖れて他人と同調するようになった.

メディアに踊らされて一方的な意見で物事をくくりたがるのが,その最たる例だ.
俺たちはいつの間にか個性を奪われて,誰かに依存しなければ生きていけない骨抜きにされているんだよ」

「そんな教育を受けて平和ぼけに浸かっている人間が無意識のうちに,悪意だと感じない悪意で!
汚れなき弱者を追い詰めているんだ」


至極真っ当で,突き刺さる言葉でした.

すべてが正しいとは思いませんが,心の底で思っていることを代弁してくれたようです.

圧倒的多数意見の中では,少数意見は浮いてしまう.

心の中で違うと思っていても周りに異論がなければ孤立を怖れて多数意見に同調しようとする.

同調する意見だけが歓迎され,異論を唱える者は浮いた存在となり除外される.

いじめを見て見ぬふりをしている傍観者が,まさにその例だと思いました.

知らず知らずのうちにその行動で人を傷つけているのかもしれないと思うと,「自分には関係ない」と切り捨てるのは罪かもしれません.


時折,先生が見せる苦しそうな表情と訴えかける言葉.

世の中に対してだけでなく,過去の自分自身に対して叫んでいる言葉だったのかもしれませんね.

何かをずっと悔いていて,それを償おうとしているように見えました.

少しずつ見えてきた過去が,今後どう展開して今に繋がるのか.

先生の過去が明らかになって,今の先生の言動が初めて理解できるのでしょうが,辛い現実なんだろうなと思います.


想像力と判断力の欠如した世の中に,先生の言動がどう響くか.

ドラマの世界だけでなく,ドラマを見た人たちがどうどう解釈するのか大変興味深いです.

見る人の立場によって感情移入する相手も違うでしょうし,色んな角度から色んな視点を持って見れる作品だと思うので,つくづく面白いドラマだと思いました.

5話も衝撃の内容になっていそうなので,非常に楽しみです.
prev next
First
当ブログは,嵐/声優(主に櫻井翔/櫻井孝宏)を中心としたファンブログです.

個人の趣味や見解で書いているものであり,事務所等の公式とは一切関係ありません.

番組/雑誌等の感想を主としておりますので,ネタバレの恐れがあります.
閲覧の際はご注意ください.

尚,記事内容はすべて個人の意見です.
色々な捉え方があるということをご理解頂けると助かります.

以上の事柄を理解して頂いた上で閲覧ください.

同じものを好きな方々と喜びを共有できるような空間にしたいと思いますので,よろしくお願い致します.

※嵐については,好きなコンビに対し過剰な表現をする場合がありますが,あくまで友情・親愛・尊敬し合う仲という捉え方ですので,誤解されないようお願い致します.

Real≫受信中。
プロフィール
アシヤさんのプロフィール
性 別 女性
系 統 普通系
血液型 A型
カレンダー
<< 2024年05月 >>
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31
アーカイブ