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嘘つき道化師とタバコ


読んでいた小説から目線を上げて
『何でタバコを吸うの?』と問いかける彼女に
笑顔で『煙で本音を隠す為って言ったら信じてくれる?』と聞いたら『嘘つき』と笑われてしまった


夕暮れ時の殺風景な部屋には煙と、彼と彼女と夕日しかおらず物静かで
その静けさを消すかのようにツボに入ったのかケタケタと笑う彼女を尻目に
灰皿に灰を落とすと
副流煙が彼女の方に流れないように注意をしながら煙を吐く


一頻り笑い終えたらしい彼女はまた『で、なんで?』と聞いてくる
仕方なくタバコを吸い始めた理由を話した
『友達が吐く副流煙よりもこのタバコの主流煙の方が害が無いからだよ』
実際彼が吸うそれは、友人の1/8しかニコチンが含まれていない軽いものだった

それで納得したのか『嗚呼、なるほどね』と彼女はまた小説に目を戻した


いつの間にかタバコを吸い終えた彼は冷たくなった手を暖める為にコーヒーを入れに部屋を離れた



-時々本音を話して煙に巻いて、それ位がちょうど良い…隠す本音は辛いことばかり、だからこそ辛いことを話して心配かける方がもっと辛い-
コンロにかける火を見つめてタバコに火を付ける

‐本当はもっとぐちゃぐちゃでドロドロで嫌な理由しかない、悲惨で惨めな理由をぶつけたいだけ‐ザルが有るなら俺は杓子だ、酒は飲めない

‐でもぶつけたい、辛い、痛い、痛い。その感情で君を傷付けたくない‐

煙を吐き出して泣きそうな目を戻す
喫煙の理由を聞かれた時にちょっと揺らいだ、危ない危ない。大丈夫…俺は大丈夫だから

吐き出す煙に本音を乗せて
かっこつけの道化師は煙に巻いたとさ


「私もコーヒー!!」リビングから聞こえる声に苦笑いで答えた
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言の葉ひとひら

信用も信頼も
好きだよと言う四文字の愛を囁く言葉でさえ


ひとひらの言の葉に託すほど

軽い物では無いから
色褪せゆく言の葉に


込めるのは






優しく冷たい嘘と精一杯の強がり

【ばーか、俺お前の事嫌いだもん】

甘えぬ強き弱さ

助けて欲しいと願う時も有る
泣きつきたい時も
優しく頭を撫でて欲しいときも有る



だけど、それに甘えて
ぬるま湯に浸ると

抜けられなくなるから


【独りで生きよう、どこまでも】

アリアドネの赤い糸

アリアドネはどういう気持ちで迷宮に入る勇者に糸を渡したのか






関係なんてとっくに切れてる
ただ、それに気付かないだけで
なら、それで構わない



繋がらない、アリアドネの糸
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