「たまには夜桜ってのもいいじゃねーか」
ご満悦層に笑う跡部を見て、忍足は苦笑した。
どうしても忍足と花見がしたいとゴネだしたのは部活が終わった時だった。
どうやら、部員たちが花見の話をしていたのを聞いたらしい。
(自分の所まで来たと思たら、いきなり「花見だ!忍足!!」やもんな)
だが、流石に人通りの多い昼間に花見をするわけにはいかない。
自分たちの関係は、人には知られてはいけないのだ。
少し寂しいと感じたが、今は花見に来ているのだからと、忍足はその考えを振り払った。
「せやな…。人も少ないし、な。」
そう言って、跡部の方を向いて妖艶に笑う忍足。月の光に照らされ、跡部の目には、普段よりいっそう艶やかに映った。
知らず知らずのうちに、ゴクリとのどが鳴る。
すると、それを見透かしたかのように、忍足は笑みを深くした。
「俺が言うたんは、見られたらあかんからちゅう意味やで?…何想像したん、景ちゃん?」
その言葉に、跡部はかぁあっと頬を染めた。
「な、これは、別に…!!うるせぇぞ忍足!」
色づいた頬を隠すように、腕を顔にやると、スッと忍足の手がそれを止めた。
「せっかく綺麗にピンクに染まってんねんから、見やな損やろ?」
「なっ!?」
さらに真っ赤に染まった跡部を見て、忍足は作ったようにきれいな顔で、にこりと笑った。
「…桜が。」
跡部はその言葉を聞いて、ひくりと引きつったように笑い、深い溜息をついた。
「そう言うのは俺様が言うべき台詞だろ?」
「たまにはええやん?それに、ポーカーフェイスの俺には、こないなこと言う機会、ないで?」
跡部は苦々しそうにチッと舌打ちをして、未だ散りゆく一本の大きな桜の木へと視線を移した。
「それにしても…、学園の近くにこんないい場所があったとはな…。よく知ってたな。」
桜の木はこの木一本だけだが、ほかのどの桜より誇らしげに咲いていた。
それに、辺りを見回しても、人が来る気配は感じられない。
「たまたま、帰り道に通った時に、桜の花びら見かけてん。」
「へぇ。たまたま…な。」
こちらをニヤニヤした顔で眺めてくる跡部に、忍足は溜息をついて、
「まさか花見ができる思っとらへんかったからな…。景ちゃんには、ほんまはもっときれいな桜、見せてあげたかったんやけど…。いきなり言うんやもんな。」
忍足がちらりと恨みがましそうに跡部を見やると、うっと言う顔をしたが、すぐにいつもの自信満々の顔に戻った。
「俺様がいれば何処だって華やかになるんだよ!それに…」
スッと忍足の顎に手を当て、上を向かすと、いつもとは違う柔らかな顔で笑った。
「どうせ俺しか目に入んねぇんだ、だったら何本でも同じことだろ?」
そう自信満々に言いきった跡部の強い瞳から、忍足は目を逸らすことができなかった。
いつだって、忍足を捕らえて離さないこの瞳は、全てを見透かすようで、幾度となく眩しいと感じた。しかし、一度その瞳に映ってしまえば、まるで自分を包み込むかのように、柔らかかった。
「せやな…。やっぱり跡部には適わんわ。」
忍足が、珍しく照れたような困った顔をすれば、跡部は嬉しそうに笑って言った。
「バーカ。当たり前だろ?俺様を誰だと思ってやがる。」
「俺様何様跡部様。」
忍足がニヤリと笑い返して答えると、跡部は「アーン?」と言って睨んできた。しかし、そんな跡部に忍足は怯みもせず、自分の顎に置いていた手を掴み、跡部を引き寄せた。
「あと、俺の彼氏様…かな?」
再び真っ赤になった跡部は、忍足の腕を振り解き、
「もう遅い!帰るぞ!侑士!!」
と言って背を向けて歩き出してしまった。
そんな跡部に苦笑しつつ、忍足は桜の木に目をやった。
今日の朝、桜の木を見つけたのは確かに偶然だった。
(ま、探してたんは確かやけど)
忍足は綺麗に舞い散る、一枚のうす紅色の桜の花びらを、両手で優しく包み込んだ。
(そう言えば、どっかのアホが「惚れたもん負けや!!!」とか言うとったな)
確かにその通りかもしれへんな、と忍足は桜に微笑みかけると、自分を呼ぶ声の方へと歩き出した。
先に心を色づかせたんは、俺の方やねんからな―…
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うへー…
と言う訳で、リクの「忍跡で桜デート」でした。
ちゃんとBL風になってるのかな?自分が気持ち悪いなコイツ等、と思ったのでなってると解釈しとこう!←
ちょっと酔いながら書いたから、文章変かもしれませんが、もともと変だから気にしないで下さいwそして長い!!!
たぶん途中うぜぇと思ったでしょうが、それは私が悪いのではなく、たぶん忍足のせいです(`・ω・´)キリッ
まぁ、とりあえず謝っとこ。サーセンした!!!!
たぶん忍足はさらっと臭い台詞とか言う気がする。そして、跡部も言う。でも、跡部は言われなれてないから、戸惑うかなと…。でも、すぐ持ち直すと思う。だって跡部様だからw←
忍跡の意味が分からないので、忍足→跡部→忍足で攻め?てみましたw
×の意味とか知らんwwwなので、どっちも楽しめる?ようにしました。
あと友達出演として、どっかのアホ…ではなく、謙也君が名前だけ出てくれました!(って誰がアホやねん!!!>謙也)
そして、私の小説では珍しく少しエロさを出してみました。
…出して、みたんですw
(わかる訳ないやん>忍足)
題名の意味は、「先に頬を染めたのは跡部だけど、その前から俺の心は染まってましたよ」みたいな感じです。