黄色い空

今までありがとう　さようならは言わないよ

ただ何でもない者同士に戻るだけ　そうさ僕は欠陥品さ

感情(ココロ)を知らない　理解できない　人の振りした人形(カラクリ)　愛(ラブ)道化(ピエロ)

なんでもない日常さ　つまんないだけの時間を　道行く人の顔見てただ流す

一人じゃ何も変わらないのに　二人になれば動き回るその表情に

僕は何も見えないんだ　感情が見えないんだ

ある子が泣いているんだ　ある子はその子を背に庇い　圧倒的な数を相手に啖呵を切る

様々な人の生に　何を描き　何を見つめ　何を知るのか

顔の見えない他人のために　振りかざした偽善は誰を救うのか

それを知ってどうするんだ　意味などないだろう　愛道化

あの日二人っきり　君は唐突に語った　「君が好きだよ　僕と一緒になろう」

よく分らない日常に　割り込んできた他人の時間　受け入れてみても　何も感じないんだ

この体という枠に君というピースをはめてみた　君の想像通りの僕を演じて見たんだ

人に振りした人形　君を知ることなどないままに　ピースはやがてバラバラになった

そうさ僕は欠陥品さ　パズルのようにピースをはめてみても　最初から足りない

穴だらけのパズルは　絵にはなれない

悪いのは君じゃないさ　欠陥品な僕自身さ

もう一度戻ってきてくれと　君は叫ぶ　別の一人ならその意味を分かるだろうか

でも僕は何も感じないんだ　だから人に振りをした

かわいい仮面を張り付けて　笑った振りをする

さよならは言わないよ　今までありがとう

でも君と僕との時間は　もう交わらないよ

愛を知らない　愛道化　人の振りした人形は　また知ってる振りをする

歪んだ顔には　やっぱり何も見えない　朽ちるその時には　誰も振り向かないだろう

用の済んだおもちゃは　ゴミ箱がお似合いさ

新しいおもちゃに　すげ替えられた　愛道化

次の人形は　きれいに作られた子だった

人の振りした僕だから　お前も間違いなく欠陥品だろうね

そう言って　目を閉じた


お粗末様。