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凍土には、あらゆる生物が生息する。その中でもキング・イエーデは巨大な猿であり、体長は三メートルを超えるだろう。しかし、そのキング・イエーデも恐れる程の存在が凍土にはいる。その生物は雪山の奥地を寝床にしていた。
――鼻をひくつかせ、一体の生物が四本足で立ち上がった。薄暗い空間の先に見える光に歩いて行く。外に出たその生物は、青みがかった身体に黒い縞模様があり尖った耳に桃色に光る眼をしていた。更に手足には黄金の鋭い爪や刃がしっかりと生えている。頭部から尻にかけて青い毛が靡き、その合間から尖った黄金のプレートが飛び出していた。尻尾も生え、犬や猫が混ざったような容姿だ。
崖の上にある洞穴の中で眠っていたのだ。足元の下は雪の霧で見えない程だった。すると、洞穴からもう一体同じような生物が出て来た。しかし、こちらの方はたてがみやプレートが大きく発達している。身体も一回り程大きかった。
そう、二匹は夫婦なのである。大きい方が雄、小さい方が雌である。
雌が、まるで遠くの匂いまで取るかのように大きく鼻で息を吸った。そして、雄の顔を見上げると語りかけるような声を上げる。雄は雌の顔を見たが、返事をしない内に雌が地を蹴り手慣れた様子で崖を下りて行ったのだ。雄は崖下を覗き、何かを考えているようだったがすぐに自らも崖を下ったのである。
――……‥‥
「あれ? 行き止まり?」
アフィンは走り続け、ついに行き止まりに突き当たったのである。
「確か……相棒が言ってた場所ってここらへんだったんだけど」
辺りを見回すが、何もない殺風景な雪の世界が広がっているだけだった。見通しが良く、広場のようなその場所にエネミーが隠れている気配はなかった。
「道、間違ったかな。……って、すっげぇ寒いんだけど!」
両手で体を抱えるようにし、腕を擦るアフィンは踵を返そうとした。このままでは凍死しかねない。
「鬼畜なんだよなぁ、フランカさんのクライアントオーダー。はぁ、やっぱ今度相棒に手伝って貰おう」
アフィンが溜め息を吐いたその時であった。背後にあの二体の生物が現れたのである。そして、雌が咆哮を発しアフィンの後ろに迫ったのである。
「!?」
振り返ったアフィンの目の前には、自分の何倍もの大きさがある生物。その奥の小高い崖にもう一体。予想外の登場に、アフィンは唖然とした。
「な、何なんだよこいつ!」
睨みを利かせるその生物はアフィンに威嚇の牙を向きだしにする。その圧倒的な存在に怯んでいると、アフィンの耳にオペレーターのヒルダの声が届いた。
「緊急通達だ。強力な敵正反応が確認された。早急に撃破しろ」
淡々と告げるヒルダとは対照的に、アフィンは焦りの気持ちを隠せないでいた。
「早急にって、どうしろってんだよ! 俺一人でこんな――」
「そいつは、スノウ・バンシーだ。お前は今一人だ。何とかしないと死ぬぞ」
「いやいやいや、そう簡単に言うけどもう一体同じのがいるんだぜ!?」
「もう一体? じゃあ、同じではないだろう。そいつらは恐らくつがい……でかい方がスノウ・バンサーで雄だ。強さもバンシーより上だと聞く」
ヒルダの言葉に、アフィンの目にはスノウ・バンシーの奥で待ち構える生物が恐ろしい生き物に映った。
「ちょ! あんたはこの場にいないからそんな無責任なことが言えるんだ!」
「良く言う……。クライアントから依頼を受けたのだろう? それを受けて、凍土に行きたいと申請をしたのはお前だ。自分の行動に責任を持て。それでもアークスか?」
「ううっ……あーもう! やるしかない!」
ここでやらねば自分がやられる。弱肉強食の世界だ。負ければ、自分はこの二匹の餌になってしまうかもしれない。それだけは避けたい。アフィンは、自分の腰に掛かったライフルを手に取り勢いよく構えた。
スノウ・バンシーはそれを合図に再び雄叫びを上げると、アフィンに向かって突き進んだ。
――――――――――――
〇あとがき〇
第二章です。
ゲームではヒルダというか、オペレーターは通達等をするだけで会話とかしませんが小説なので会話させてみました。
さて、この話……パソコンのwordで下書きをしているんですが、それをコピーして貼り付けるだけでは駄目みたいなんですよねorz
そのまま貼りつけて投稿のために確認ボタン押すと、改行が全部改行されていないんですよ。だから、改行のみ、打ち直す形ですね。ちょっと面倒w
吹き荒れる雪の中を只管駆け抜ける少年が一人。追われる立場でもなく、追う立場でもない少年の様子を見ているのは誰もいない。凍土に潜む、原生生物も戦う意思のない少年に見向きもしなくなった。
「氷の世界は、弱肉強食。一度汗をかくと、あっという間に体温が奪われて氷漬けさ」
息を切らせ、走り続ける少年の名はアフィン。この、惑星ナベリウス・凍土に降り立った時にたまたま出会ったキャストの女性に言われた恐ろしい言葉が、繰り返し頭の中で木霊していた。
(やっべー……おれ、走ってるよ! 無理だよ、あんなの!)
絶対に汗をかくまいと肝に銘じたのだが、そのことばかりが脳裏を支配してしまった。気付けば沢山の原生生物に囲まれて、一人じゃ倒せなくなってしまったアフィンは思わず逃げ出してしまったのである。
流石に全力で疾走すれば、アフィンの背中にも汗が滲み出るわけで――。立ち止まると、たちまち冷えていくのを感じた。そうすると、安易に立ち止まれないわけでアフィンは走り続けているのである。
(あー、これはこのままボスに行ってさっさと倒してくるしかないか……)
いつの間にか吹雪が止み、空を見上げると曇天が一面を覆っていた。再び吹き荒れる雪が襲い掛かる前に、凍土を脱出しなければと、アフィンは只管駆け抜けたのであった。
――――――――――――
今日の21:30からチームでコスプレ大会をしました!
まぁ、あれですよ。アイテム強化などの成功率が上がる日にちのことですw
性 別 | 女性 |
誕生日 | 6月29日 |
地 域 | 広島県 |
血液型 | B型 |