「キムラ君はじめました」――。広島市中区薬研堀の飲食店「串カツ家」の入り口横に、そんなポスターが貼られたのは昨年末のことだった。「一体何なの?」。客からは、そんな質問が絶えないが、食べた人の評判は上々で、市内の他の店にも広がりつつあるという。

「串カツ家」の店主、山口利規さん(45)が店をオープンしたのは約3年前。大阪・新世界の人気店「だるま」を訪れて、初めて串カツを食べ、感動したのがきっかけだ。今では客として訪れる関西人から「大阪の串カツよりうまい」と言われることも。本場を何度も訪れた研究の成果だ。

「キムラ君」との出会いは約2年前だった。

その日も大阪・ミナミの串カツ店に入ったところ、「キムラ君」と書かれたメニューに目が吸い寄せられた。「なんだ、これは」

調べると、ミナミにある人気讃岐うどん店「釜たけうどん」で2011年、店主の木田武史さん(58)がキムチとラー油を使ったうどんを発案した際に命名したことが分かった。
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