珍しいペアで書いてみよう!
ということで、クオンとジェイドのSSです。
なんか、漠然としたテーマで書いていたら途中で迷子に…
相変わらずのグダグダクオリティですみません;;
OKという方は追記からどうぞー!
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主に創作について語ります。 バトンをやったり、 親馬鹿トークを繰り広げたりします。 苦手な方は、どうぞ戻ってやってくださいませ! (私のサイト「Pure Rain Drop」) → http://id35.fm-p.jp/198/guardian727/
珍しいペアで書いてみよう!
ということで、クオンとジェイドのSSです。
なんか、漠然としたテーマで書いていたら途中で迷子に…
相変わらずのグダグダクオリティですみません;;
OKという方は追記からどうぞー!
「まったく……どうして貴方方は任務の度に怪我をして帰ってくるのですか」
静かな白い部屋。
ツンとした消毒の匂い。
その中で治療を受けている銀髪の青年は、小さく苦笑した。
「ごめんってば。これでも、気をつけた方なんだよ」
「気をつけてこの怪我ですか。だったら気を付けなかったら死にますよ」
顔を顰め、緑髪の魔術医はクオンの左肩を軽く叩いた。
それは怪我をしている方の肩。
クオンは顔を顰めて、小さく悲鳴を上げる。
「痛っ……やめろよ、ジェイド」
「痛くて当然です。撃たれたんでしょう?」
「あぁ……でも、今回は避けようとしたんだぜ」
無理だっただけで、と言い訳めかしていうクオン。
ジェイドは溜息をついて、クオンの肩に触れた。
今度は、優しく。
「まぁ、文明の利器には勝てないでしょう。
それにしても、気をつけてくださいよ。
一回一回の任務でこんな怪我をされたのでは、気が気ではないです」
呆れと心配の混ざったような声。
クオンを見つめる、翡翠の瞳。
クオンは決まり悪そうに視線を逸らした。
そして、ぼそり、という。
「でも、ジェイドもだろ」
「え」
「右腕。さっきちょっと庇ってた……怪我、したか?」
「……貴方の観察眼には勝てませんね」
少し苦笑して、ジェイドは頷く。
嘘をついたところで意味がないことは十分によくわかっているらしい。
クオンは溜息をついてから、ジェイドに訊ねた。
「大丈夫なのか?」
「えぇ。少し、魔術を受けて切っただけなので」
「切ったって……やっぱり、影響残ってるんじゃないのか?」
―― "影響"
それは、ジェイドが受けた、呪術のことだろう。
右腕に残る、逆十字型の痣。
クオンはそれにまだ力が残っていて、
ジェイドを苦しめているのでは、と思っているようだ。
しかし、ジェイドは小さく首を振る。
「いいえ。恐らく、それはないでしょう。
確かに、呪術が解けた直後は少し動きにくかった気がしますが……
今は、そうでもないのですよ」
ジェイドは軽く右腕を振ってみせる。
クオンは少し躊躇うような顔をしてから、ジェイドに言った。
「見せてみろよ。多少なら、俺も悪魔属性の魔術を知ってる」
「……えぇ」
躊躇しつつも、ジェイドは白衣を脱ぎ、ワイシャツの袖から腕を抜いた。
晒された右腕には、軽く包帯が巻かれている。
およそ、自分で処置したのだろう。
宣告自分に巻かれたほうたいとは比べ物にならないほど雑に巻かれた包帯。
それを解くと、薄らに残る、黒い逆十字。
クオンはそっと、それに触れる。
邪悪な魔力は感じなかった。
ジェイドの瞳を見据えつつ、クオンはいう。
「……確かに、魔術の影響はなさそうだな」
「そうですか。それなら、良かったです」
「だけど、お前が怪我するなんて、珍しいな」
クオンは服を直すジェイドに訊ねる。
ジェイドは苦笑気味に、返答した。
「少々油断しただけですよ。大丈夫です」
「その油断が珍しい、って言ってんだよ……何かあったのか?」
クオンの銀灰色の瞳がジェイドを捉える。
嘘をつくことを許さない、と言うような視線に、
ジェイドは諦めたように溜息を吐いた。
そして、軽く微笑んで、いう。
「少し、体調が優れなかったのですよ。あ、今は平気ですよ?」
「はぁ?それで任務に行ったのか、お前」
えぇ、とジェイドは頷く。
クオンは呆れたような顔をして、言った。
「お前なぁ……絶対人のこと言えないよ、それ」
「大丈夫ですよ。本気でまずいと思ったら、行きませんから」
「そういう問題じゃないだろ……ったく。自分自身で判断するのも程々にしろよな」
チラリ、とジェイドを見てクオンは溜息をつく。
ジェイドは相変わらず、飄々としている。
傷を負っていることに気づいたのも、ほとんど奇跡。
自分に包帯を巻くとき、ほんの一瞬腕を庇ったような気がしただけだ。
クオンは静かな声で、ジェイドに言う。
「その、呪術を受けた時もそうだけどさ……
お前も人のこと言えないくらい、自分の体を省みてねぇよ。
俺たちだって、お前同様に心配するんだ。
一人で無茶ばっかすんのは、なしな?」
「わかりました。極力気をつけましょう」
「極力、じゃなくてちゃんと気をつけろっての」
クオンは軽い返事を返す医師に始終呆れ顔だ。
ジェイドはふっと微笑んで、頷く。
「わかっていますよ。患者への助言に説得力がないのでは困りますしね」
「全く……相変わらず患者命だな、おまえは」
「当然ですよ。医者ですからね」
そんな、他愛ないやりとり。
穏やかな時間が、過ぎていく。
クオンは少し笑みを浮かべてから、"なぁ、ジェイド"と声をかけた。
「何ですか」
「ジェイドは、この場所が好きか?」
「ふふ……いきなり、どうしたのですか?」
「否、ふと思っただけだよ……俺は、この空間が、時間が、好きなんだ。
……永遠に、変わらないで欲しいと、思ってる」
そんなことを言うクオンは、ジェイドから視線を外し、窓の外を見ている。
ジェイドはそんな彼の頭に手を置きながら、優しく言った。
「今から未来のことを心配しても仕方ありませんよ、クオン」
「……わかってる。でも、いつか……」
―― 変化が起きるときは来るだろう?
クオンは少し不安げにそう言った。
変化。
クオンが恐るのは、それ。
いつも、自分の姿を自在に"変化"させられる彼にとって、
何より欲しいのは"不変"の何かだった。
しかし、"不変"や"永遠"をこの世界で求めることは、難しい。
クオンも、それは理解しているはずだった。
ジェイドは置いた手をかすかに動かし、クオンの頭を撫でる。
「その"いつか"がずっとずっと先であることを願ってください。
それに、たとえ何か……表面的な何かが変化したとしても、
僕らの間にある"信頼"は、変わらないでしょう?」
ね?と言うジェイドの静かな声。
彼が湛える笑みは、優しく、穏やかなもの。
「……そう、だな」
クオンは少しほっとした様子で頷く。
そして、フッと笑って、"ジェイドはすごいな"といった。
「さっきからおかしいですよ、クオン」
「おかしくなんかないさ。おまえは、すごいなとずっと思ってた」
「ふふ……医師は、患者の体の傷だけでなく、
心の痛みにも敏感でいるべきだと、僕は思っていますから」
「おまえは本当にいい医者だよ」
ありがとな、と微笑みかけるクオンにゆっくり首を振って、ジェイドは言う。
「それは僕のセリフですよ。貴方は、僕の傷に気づいてくれた。
その思いが、僕は嬉しいのですよ。
仲間として……互を、よく知ることができる。理解できる。
それはかけがえのないことでしょう」
―― これからも、そう言う仲間でありましょう?
穏やかに微笑む魔術医に、クオンは頷き返した。
心の中に燻っていた不安は、綺麗に消え失せていた。
―― 永遠は存在せずとも ――
(仲間がくれる"言葉"が暖かく心を満たしてくれる
それだけで、"未来"を願うことができるんだ)
性 別 | 女性 |
年 齢 | 29 |
誕生日 | 7月27日 |
地 域 | 静岡県 |
系 統 | おとなしめ系 |
職 業 | サービス |
血液型 | AB型 |