大佐殿とフォルでのお話デス。
フォルは普通の十字架は平気ですが大佐殿の十字架は効きそうだな、と…
*attention*
大佐殿とフォルのお話です
シリアスなお話です
大佐殿はこういうことで怒ってくれたら萌える←
フォルは基本的に十字架も聖水も平気です(笑)
でも特殊魔力の持ち主な大佐殿のなら効くかな、と←
たまにはフォルも痛い目に遭えばいい(笑)
相変わらずの妄想クオリティ
ナハトさん、本当にすみませんでした!
以上がOKという方は追記からどうぞ!
静かな森の奥……
その木に腰かける、亜麻色の髪の青年……フォル。
彼はすっと目を細めた。
「ふふ、珍しいお客さんだ」
暇つぶしになりそうだ。
フォルはそういうと、ぽんと木から飛び降りた。
それと同時、魔力の籠った銃弾が飛んでくる。
それは、フォルの敵であるシュタウフェンベルクが撃ちだした弾だった。
「アブナイじゃないか、大佐殿?」
くす、と笑いながらフォルはそういう。
それを聞いて彼にマスケットで狙いを定めていた少年……シュタウフェンベルクは小さく息を吐き出した。
「狙ったんだから当然だろう」
そう呟くように言ったシュタウフェンベルクはもう一度マスケットに銃弾を込める。
フォルはそんな彼を見てにこりと笑った。
「いきなりどうしたのさ、こんなところまで来て」
そういいながらシュタウフェンベルクに向かって首を傾げる。
シュタウフェンベルクは顔を顰めながら、いった。
「貴様がペルに嫌がらせをしたんだろう。
あの子が落ち込んだような顔をして帰ってきたぞ」
そう。
城に帰ってきたペルが酷く落ち込んだような顔をしていた。
話を聞けば、元々住んでいた屋敷に戻っていたという。
その時にフォルに何かいわれたであろうことは顕著だった。
シュタウフェンベルクはペルのことをとても可愛がっている。
だからこそ、彼を泣かせたこの堕天使が許せないのだった。
元から、この堕天使はシュタウフェンベルクやその周りの人間に嫌がらせをするのが得意だ。
その恨みも積もって、シュタウフェンベルクはフォルに目にものを見せてやろうと思っているのだった。
フォルもそんな彼の気持ちはわかっているのだろう。
にやり、と笑みを浮かべながら彼はいった。
「ふふ、君に出来るもんならどうぞ?」
堕天使をとっちめることなんて出来る?
そう問いかけるフォル。
それを聞いてシュタウフェンベルクは再びフォルに狙いを定める。
「ふふ、割と本気みたいだね。
でも君が僕にちゃんと魔力当てられる?」
そういって堕天使は小さく笑った。
シュタウフェンベルクはそんな彼の言葉に小さく息を吐き出す。
確かに、あの堕天使に魔力を当てるのは至難の業だ。
一度でも当たれば、かなりの大ダメージを与えることは出来るのだけれど……
「いちいち小賢しい……」
そう呟くシュタウフェンベルク。
フォルはくすっと笑って、いった。
「ふふ、すばしっこさだけならだれにも負けないよ?」
そういいながらフォルは魔力を解放した。
そして大きな黒の翼を羽ばたかせて空中に舞い上がる。
"この高さだけにしてあげるよ"といってこの高さまで舞い上がる彼を見て、シュタウフェンベルクは顔を顰めた。
「どうにか少しでも速度落とせれば……」
シュタウフェンベルクはそう呟く。
そしてふと、あることを思い出した。
服の内側。
そこにあるもの……小さな十字架に触れる。
シュタウフェンベルクは信心深い。
だからいつもこうして十字架を手にしているのだった。
そんな彼を見て、フォルは小さく笑った。
彼が手にしているものを見て、いう。
「ふふ……堕天使相手だから十字架?」
「悪魔の一種なんだ……効くだろう?」
そういって笑うシュタウフェンベルク。
フォルはそれを聞いてくすくすと笑った。
「残念でした、僕は十字架にも聖水にも弱くないよ?」
教会にも入れるしね?
そういって首を傾げて見せるフォル。
シュタウフェンベルクはそれを聞いて目をほそめた。
「やってみなくては分からないだろう」
「へぇえ?それならやってみればいいじゃない」
フォルはそういいながら地面に降りた。
"逃げも隠れもしないよ?"といいながら笑うフォル。
それを見てシュタウフェンベルクは顔を顰めた。
「何処までも舐めた態度だな」
見ていろ。
そういいながらシュタウフェンベルクは十字架をかざす。
そしてそのまま彼に突き付ける。
「悪を焼き切る、それが私の力だ……!」
そう呟くと同時、強い魔力が放たれる。
突き付けられた十字架。
それが強い力を放った。
「うぁっつ……っ」
フォルが悲鳴を上げた。
それを聞いてシュタウフェンベルクは少し驚いたような顔をした。
フォルは先程十字架は効かないといっていた。
それなのに、思い切り効いていて……
「何でだ……?」
思わずそう呟く。
しかしそれはフォルも同じ気持ちのようで……
「っ痛あっ、何なのこれ……」
そう呟くフォルはシュタウフェンベルクに突き付けられた十字架の影響で手に火傷が出来ていた。
あちち、と悲鳴を上げる彼。
シュタウフェンベルクはそんな彼の様子にゆっくりと瞬きをした。
そして、再び彼に十字架を突き付けた。
「うわわっ、やめてよっ」
「効かないんだろう?」
そういいながらシュタウフェンベルクは彼に攻撃を仕掛けていく。
痛みに悲鳴を上げて逃げ回る彼の服はあちこち焼け焦げている。
「なんなのさぁ……いつもなら平気なのに……」
そう呟くフォル。
彼はぱたぱたと服を払いながら、小さく呟くように言った。
「君が祓魔師だからかなぁ……
いたた……もうやだー」
そういうフォルはやや涙目だ。
シュタウフェンベルクは面白いものが見れたな、と思う。
いつも飄々としている堕天使だから、こういう反応しているのは面白い。
ともあれ、堕天使の動きが鈍くなった。
ちょうどいい、とシュタウフェンベルクは目を細める。
そしてマスケット銃を構えると、狙いを定めた。
「っ、此処は一時退却だな……」
フォルは顔を顰めた。
そしてシュタウフェンベルクに一度魔力を放つ。
シュタウフェンベルクははっとして彼の攻撃を躱す。
それと同時、フォルは素早く空間移動術を使った。
「っ!この……」
やはりいちいち小癪だ。
そう呟いてシュタウフェンベルクはマスケットを片付けた。
それから、自分の手元を見る。
きらり、と光る十字架。
それをぎゅっと握りしめる。
「私のものならば効くのか……」
これはある意味で、良いことが分かったかもしれない。
そう思いながら、シュタウフェンベルクは十字架をしまったのだった。
―― Cross… ――
(堕天使を焼く十字架。
それは偶然か、はたまた私の魔力によるものか…)
(平気だと思ってたのに、どうしたものだろう…
敵対する魔力に焼かれた傷は痛くて…)