西さんとメイアンのお話です。
メイアンのためにしたこともない料理をしようとする西さんなら可愛いなって…←
*attention*
西さんとメイアンのお話です
本家Laurentia!設定のお話です
ほのぼのなお話です
忙しいメイアンのために夜食を用意する西さん
やったことないことを一生懸命する西さん可愛いと思うのです(^q^)
メイアンはああしてからかったりもします←
相変わらずの妄想クオリティ
ナハトさん、本当にすみませんでした!
以上がOKという方は追記からどうぞ!
バイクをいつも通りに停車する。
ヘルメットを脱ぎながら彼……西は小さく息を吐き出した。
ぐっと伸びをしながら、小さく息を吐き出す。
「んー……疲れたぁ……」
そう呟きながら、彼は部屋の中に入っていく。
ただいまー、と声をかけると部屋の中から"お帰りなさい"と恋人の声がかえってくる。
リビングに入ってただいま、といいかけた彼はきょとんとした顔をする。
恋人……メイアンは机に向かっていた。
西はそんな彼を見て不思議そうな顔をした。
「珍しいな、メイアンが机に向かってんの……」
いつもならば食事を作ってくれている時間だ。
西が帰ってきた時には振り向きながらお帰り、といってくれるのに……
西がそういうとメイアンは苦笑を漏らした。
そして手元の書類を指さしながら、いう。
「ごめんね西、今日はちょっと忙しくて……
夕飯は作っておいたから大丈夫だけど」
これ仕上げないといけないのよ、といってメイアンは溜息を吐き出す。
それから立ち上がって、キッチンに向かった。
「あ、手伝うよ」
そういって西はメイアンを追いかける。
メイアンはにこりと微笑んで、"ありがとう"といった。
いつも通りにしっかりと食事の用意をしてくれているメイアン。
忙しいといってもこういうところで手を抜かないのは流石だな、と西は思う。
西はメイアンと一緒に食事をテーブルに運んだ。
そして、二人してテーブルに着く。
いただきます、といって食事をとり始めて、西はメイアンを見る。
いつもならば落ち着いてゆっくり食べているメイアンなのだが、今日は心なしか食べるペースが速い。
西の視線に気づいたのかメイアンは顔を上げる。
そして小さく苦笑を漏らしながら、言った。
「さっさと食べて仕事に戻るわね」
ごめんなさい落ち着きなくって。
そういいながらメイアンは食事を続ける。
西はそれを聞いて少し眉を下げた。
「……忙しそうだな」
そう呟くように言うと、メイアンはふっと息を吐き出す。
頑張ってくるわよぉ、というメイアンは既にやや疲れている様子だ。
無理すんなよ、といいつつ西は目を細めていたのだった……――
***
それからメイアンは食事を終えて、再び作業机に向かってしまった。
食卓では汚れるし落ち着かないだろうからと西が別の部屋を勧めたのは言うまでもない。
それから数時間後……
西は何やら悩むような表情を浮かべていた。
それから、何か決心したような表情をうかべて、携帯を手に取った。
電話が鳴る。
一回、二階、三回……
それから、相手は電話に出た。
『もしもしー、西?』
出たのは、遊佐。
いきなり西から電話がかかってきて驚いたようだ。
西はそんな彼に言う。
「遊佐さんー、夜食って何作ればいいの?」
そう問いかける西。
その問いかけに遊佐は"え?"と少し驚いたような声を上げた。
一瞬理解出来なかった。
しかしすぐに状況を理解したらしい。
彼はくすくすと小さく笑った。
西に恋人がいることは遊佐も良く知っている。
おそらく彼のために作ろうとしているのだろう。
そう思いながら、遊佐は答えた。
『そりゃ、伝統のおにぎりだろうなぁ。
個人的に卵焼きとかあったら嬉しいかな』
西はそれを聞いて目を細めた。
ふぅん、と声を漏らしてから、西は少し悩むような顔をした。
「卵焼きってどうやって巻いてんだよあれ……」
そう呟く西。
それを聞いて遊佐は小さく笑った。
『難しかったらスクランブルエッグでいいから。
目の疲れには卵がいいんだよ、それだけだから』
くつくつと笑いながらそういう遊佐。
それを聞いて西はむっとした顔をしつつ、答えた。
「いや、作るからにはやってみる」
『途中で難しかったらかき混ぜたらスクランブルエッグになるからなー和風気味の』
それでも良いだろ、と遊佐は言う。
それを聞いて西は更にむくれたような顔をした。
そして、拗ねた声色で言う。
「今度スクランブルエッグって言ったら怒るぞ遊佐さん……俺が作るのは卵焼きだって!」
ちゃんと作れるんだからな!と声を上げる西。
その必死さが可愛らしい。
そう思いつつ遊佐は小さく笑った。
『はいはい』
わかったよー、という遊佐。
西は"ともあれありがと"といって電話を切った。
そしてふぅ、と息を吐き出した。
「おにぎりと卵焼き、か……」
そう呟きながら彼はキッチンに視線を向ける。
米は夕飯の時に炊いたのがまだ温かいはず。
卵はあるし……
よし、と気合を入れる。
そして彼はキッチンに向かった。
炊飯器を開けて、おにぎりを作ろうとする。
ごはんを手の上に乗せると西は小さく声を上げた。
「あちっ、なんだこれ熱……」
あっつ!と悲鳴を上げる西。
自分でおにぎりを作ったことなどない西にとってそれはかなり難しい作業だった。
とはいえ、此処でめげるわけには行かない。
西は熱いのを堪えつつ、一生懸命にごはんを握った。
「うぅ、三角になんかならねぇや……」
そう呟いて、彼は溜息を吐き出す。
しかしとりあえず幾つかおにぎりは作れた。
……少々歪ではあるけれど……
「まぁ、いっか」
それを皿の上に並べつつ、西はふぅと息を吐き出した。
そして、冷蔵庫から卵を取り出す。
「卵焼き……よし」
とりあえず卵を割って、味付けをして……と彼は遊佐に教えてもらった通りに作業を進めていく。
とりあえずフライパンを火にかけて、少し緊張したように息を吐き出した。
「良し、作るぞ」
スクランブルエッグになんかするか、と呟く西。
とりあえず卵をフライパンに流し込んで、彼は卵焼きを作る……作ろうとした。
「う、ぉ、破れる……!」
どうにか卵を上手く巻こうとするが、如何せん上手くいかない。
巻こうとしたそばから卵は破けて、グズグズになってしまう。
「……どうやったら上手く巻けんだよ……」
いつもメイアンが作ってくれる卵焼きを思い出す。
あれは綺麗に巻かれていた。
こんなにぐずぐずにはなっていなかったなぁ、と思い出す。
「っくそ……何で上手くいかねぇんだよぉ……」
そう呟きつつ、彼はとりあえず一生懸命に卵を纏めていったのだった……
***
それから少しして……
「はぁ……」
メイアンは小さく息を吐き出した。
ある程度仕事が終わった。
目途はついたしとりあえず良かった……
そう思っていた時。
「メイアン……」
ドアが開いて、西が入ってきた。
それを見て、メイアンは少し驚いた顔をする。
「んー?あら……」
西が手に持っているトレー。
それに乗っているのは、歪な形のおにぎりと卵焼き……と思しきもの。
それを見て、メイアンは目を丸くした。
「作ってくれたの?!」
「ん、あぁ……疲れてるだろうな、って」
そう呟くように言う西。
それを聞いてメイアンは"あらあら"と嬉しそうな声を上げた。
「ありがと、嬉しいわ。いただくわね」
ちょうどキリも良かったの、といってメイアンは微笑む。
そして西が持ってきてくれたおにぎりを口に運んだ。
熱い熱いといいながら握ったおにぎりは少々歪な丸。
塩の振り方もまばらで、少し塩辛い所と味がない所がある。
しかし一生懸命作ってくれたことを感じさせるそれに、メイアンは微笑んでいた。
卵焼きも、卵焼きというにはボロボロになってしまってはいたけれど、彼が一生懸命作ってくれたであろうことは感じる。
西はそうして自分が作った夜食を口に運ぶメイアンを見て、不安そうな顔をしていた。
「どう、かな……やっぱ、不味い?」
そう問いかける西。
メイアンはゆっくりと首を振ると、嬉しそうに笑って、いった。
「まずいはずないじゃない、すごく美味しいわよ?」
「ありがとね、西。疲れも吹き飛んだわ?」
そういって微笑むメイアン。
西は彼の言葉にほっとした表情を浮かべる。
「そっか……それなら、良かった」
そういって表情を緩める西は可愛らしくて、メイアンは目を細める。
そしてぎゅうっと西を抱きしめた。
「お、おい……」
「もう終わったからいいのよ」
そういって笑うメイアン。
西は少し動揺したように視線を揺らしつつ、言った。
「とりあえずシャワーだけでも浴びてこいよ」
「んんーその前に充電よ充電ー!」
そういいながらメイアンは西にぎゅうと抱き付く。
西は彼の反応に苦笑を漏らしつつ、言った。
「あーはいはい」
わかったわかった、といって西はおとなしく抱き付かれたままでいる。
と、メイアンが顔を上げた。
そして彼は悪戯っぽく笑いながらいう。
「いっそ西も一緒に浴びる?」
その問いかけに西は大きく目を見開いた。
頬がさっと赤く染まる。
「は!?明日も学校だろさっさと寝ろよ!!」
馬鹿!と声を上げる西を見て、メイアンはに、と笑う。
そしてするっと西の頬を撫でながら、いった。
「……なにを想像したのかしらね?
普通なら俺はもう風呂入った、って言うべきじゃないかしら?」
そういって笑うメイアン。
西はそれを聞いてさらに顔を赤く染める。
そして吠えるように言った。
「っ!ああもうばーか!ばかメイアン!
もう次残業してても夜食とか作ってやらねぇ!!」
もう知らないからな!といってそっぽを向く西。
そんな彼を見て目を細めると、メイアンはくすくすと笑う。
そして逃げ出そうとした西をぎゅうっと抱きしめたのだった。
―― For you… ――
(料理なんてしたことなかったけれど…
大事なヤツのためだから、頑張れて…)
(必死になって料理をしてくれた彼。
その想いがすごくよく伝わってきて…嬉しかったのよ?)