西さんとメイアンのお話です。
メイアンはとかく女子力が高いので…(^q^)
西さんとこういうやり取りするの可愛いです←
*attention*
西さんとメイアンのお話です
本家Laurentia!設定でのお話です
ほのぼのなお話です
ケーキネタ?なお話です
女子力が高いメイアン
そんなメイアンのためにケーキ買ってくる西さんであってほしい(笑)
ほのぼのな二人可愛いです←
相変わらずの妄想クオリティ
ナハトさん、本当にすみませんでした!
以上がOKという方は追記からどうぞ!
始業を告げるチャイムが鳴り響く。
それを聞きながら、長い金髪の彼……メイアンは顔をあげた。
そして少し心配そうな顔をしながら、携帯を見る。
メールの通知も電話の通知もない。
それを確認しながら彼は溜め息を一つ吐いた。
彼が気にかけているのは、彼の恋人のこと。
いつもならばバイクで通学してきてメイアンに怒られるのだけれど、今日は姿が見えなかった。
自分が見ていない間に通ったのかと思ったが、そうではない様子。
いったいどうしたのだろう、とメイアンは心配していたのだった。
風邪でも引いたのだろうか。
それとも、怪我でもした?
来る途中に事故に遭ったとか、なにかに巻き込まれたとか……
そんな考えにくい仮定まで考えが至った、そのとき。
メイアンがいる部屋……化学準備室のドアがノックされた。
それに驚いてメイアンは目を開ける。
「どうぞ?」
誰だろう。
そう思いながらメイアンが返事をするとドアが開いた。
そこからひょいと顔を出した相手……もとい生徒を見て、彼は目を見開く。
「西!」
そう。
部屋に来たのは、今メイアンが心配していた少年……西で。
彼は少し決まり悪そうに笑いつつ、いった。
「おはよ、メイアン先生」
「おはよ、じゃないわよ西!遅刻よ」
メイアンはむぅっと頬を膨らませてそういう。
西は彼をなだめるように詫びた。
「悪い悪い」
「もぅ……いないから心配したじゃないの」
そう言ってメイアンは少し目を伏せる。
さんざん心配したんだからね、と恨みがましげに言われて、西は決まり悪そうな顔をする。
彼は頬を引っ掻きつつ、メイアンにいった。
「大丈夫だよ、元気だから」
心配かけてごめん、と西は言う。
メイアンはそれを聞いて漸く顔をあげた。
"せめて連絡くらい寄越しなさいよね"と呟くように言う彼の声に頷きつつ、西は"あ、そうだ"といった。
「冷蔵庫借りるからな」
西はそういいながら片手に持った箱を揺らす。
メイアンは彼の発言にぱちぱちと緑の瞳を瞬かせた。
「え?えぇ、良いけど……いったい何買ってきたの?」
遅刻してきてまで、とメイアンは言う。
西はそれを聞いて冷蔵庫に箱をしまいつつ、いった。
「ケーキ。後で一緒に食おうと思って。
どうせ遅刻するなぁと思ったから寄ってきた」
「寄ってきた、って……貴方ねぇ」
まったくもう、と言いつつメイアンは笑う。
機嫌はなおったかな、と思いつつ西はメイアンの傍のソファに腰かけた。
「どうせ今からじゃ授業出ても遅刻扱いだし、ここにいていいよな?」
ちょっとした、甘え。
それを感じつつメイアンはふっと笑って、"仕方ないわね"といったのだった。
***
そんな日の、放課後。
授業を終えた西はいつも通りにメイアンの私室と化している化学準備室にいった。
今日は仕事が早く片付いたらしく、準備室においてあるティーポットでお茶を淹れている彼と目が合う。
「あら、西。今日は早かったのね?」
「あぁ。一緒にケーキ食べるって約束してたし……」
楽しみにしてたし、という言葉はごにょごにょと誤魔化す。
メイアンがキョトンと首をかしげると、西は"いいから!"と声をあげた。
西の態度に小さく笑いつつ、メイアンは淹れたお茶を西の前においた。
「楽しみにしてたわ、どんなケーキ買ってきてくれたの?」
目を輝かせながらそういうメイアン。
西はそれを聞いて"色々買ってきたけど……"と呟くようにいいながらケーキの箱を取りにいった。
そしてメイアンが持ち込んでいるらしい皿とフォークを出すのを手伝ってから、箱を開けた。
「わぁ、素敵!」
メイアンは歓声をあげた。
まるで子供、否、少女のようだ。
西が買ってきたケーキは確かに、色々あった。
しかしそのなかでも一際目を引くのはフルーツタルトだ。
ジュエルボックスってケーキだったな、と西は呟く。
「このフルーツタルト!ホントに宝石みたいねぇ」
感動したわぁ、と声をあげるメイアン。
それを聞いて西は思わず吹き出す。
「女子かよ」
少なくとも男性のリアクションではない、と西は笑う。
メイアンは彼の発言に唇を尖らせた。
「何よぉ、綺麗で可愛くて美味しそうなものを褒めて何が悪いのよー」
そういいながら拗ねた顔をしている辺りも女子っぽい。
そう思いつつ、西はいった。
「この店レポートしてた女子タレントも同じ事言ってたぞ」
最近やってたバラエティ番組で、と西は言う。
それを聞いてメイアンはぱちぱちと緑の瞳を瞬かせた。
そして小さく首をかしげて、訊ねる。
「あら、わざわざ有名だから買ってきてくれたの?」
テレビでやってるってことは有名ってことよね、とメイアンは呟く。
西は少し視線を揺るがせつつ、ボソボソと呟くようにいった。
「う……なんか、今巷で有名らしいから」
メイアンのことだから食べたがるかな、とか、喜ぶかなとか、そう思って。
西はそう呟く。
メイアンは少し驚いたように目を丸くしていたが、すぐに嬉しそうな顔をした。
そして、"じゃあせっかくだからこれをもらおうかしら"といいながらフルーツタルトをケーキ皿にのせる。
西もケーキを選んで皿に取り分けているのを見ながら、メイアンはいった。
「でも高かったでしょ?」
テレビでやるようなお店だから、それなりにするだろう。
こんなにもたくさんフルーツが乗っているケーキはあんまり見ないし、とメイアンは言う。
西はそれを聞いて視線を彼の方へ向けた。
そして肩をすくめつつ、言う。
「今更俺に金の話するか?」
俺を誰だと思ってる?と問いかける西。
メイアンはあぁ、と声をあげた。
「……私がコンビニでシュークリーム買うぐらいのノリだったわね」
西からしたら、本当にそれくらい軽いノリなのだろう。
そう思ってメイアンは苦笑する。
けれど、一つ違うことといったら……
恐らく、自分自身のために買ったのではなくて、他人……恋人のために買ってきたと言うこと。
自分が喜ぶだろうと思って買ってきてくれたということが、メイアンには嬉しかった。
「さ、お茶も冷めちゃうわ、いただきましょう?」
「そうだな」
西はそういいながらソファに腰かける。
メイアンはいただきまーす、と嬉しそうにいいながら一口タルトを食べた。
「んー!美味しい!」
「そっか、良かった」
西はそう言いつつ、自分のケーキをつついた。
彼が食べているのはガトーショコラ。
メイアンはそれを見つつ、いった。
「西も自分のもこれ、買ってくれば良かったのに」
「俺は別にどれでも良かったし……」
そう答える西。
ふぅん、と声をあげたメイアンは少し悩んでから、ぱっと顔を輝かせた。
そしてフォークでタルトを切り崩して、ちょんっと西を叩く。
「西、はい、あーん」
「な……?!」
思わぬメイアンの行動に西は少し驚いた顔をする。
メイアンはそんな彼を見てにこにこと笑いながら、いった。
「せっかくだもの、西とも美味しいってのを共有したいじゃない?」
メイアンはそういってにこりと微笑んだ。
西はそれでも戸惑ったように視線を揺らす。
「ほら、早く。落ちちゃうわ?」
ね?と微笑むメイアン。
西はそんな彼の言葉に幾度かまばたきをした後、目を閉じて口を開けた。
ころ、と口のなかに入れられるタルト。
目を開けると、にこにこと笑うメイアンと目があった。
「っ……」
「美味しい?」
「うん……美味い」
こく、と頷きながら西は答える。
それを聞いてメイアンはふふっと笑った。
「美味しいわよねぇ、幸せー」
そういいながらメイアンは嬉しそうにケーキを食べていく。
西もそんな彼を見ながら、彼が淹れてくれた紅茶を啜った。
本当に幸せそうに食べるな、と思う。
その点もやはり、女性のようだ。
西はそう思いながらケーキを口に運んだ。
―― こんなに喜んでくれるなら……
また、買ってきてもいいな。
西はそう思う。
彼は喜んでくれるだろうとは思っていたけれど、ここまで喜んでくれるとは。
そしてこうして喜んでくれる恋人の表情を見ることがこれほど嬉しいとは。
そう思いながら西は目を細める。
「西?どうしたの?」
そう問いかけてくるメイアン。
西はそれにふ、と笑みを浮かべながら、"何でもねぇよ"と返したのだった。
―― Like a girl ――
(まるで少女のようにはしゃぐ恋人。
そんな姿を見られるんなら、また買ってきてもいいかな…)
(私のためにと買ってきてくれたことがすごく嬉しいの。
それを貴方と一緒に食べられることもね?)