「喧嘩するほど…」の続きなお話です。
四人兄弟みんなでごはんを食べに行くお話…
こういう俗っぽい場所に不慣れなお坊ちゃんたち良いですよね←
*attention*
シュタウフェンベルク四兄弟のお話です
本家Laurentia!(学パロ)設定でのお話です
「喧嘩するほど…」の続きです
みんなでファミレスへ!
そんな場所に不慣れなお兄様たち
ペルが案内する形になってたら可愛い←
ペルは喜ぶと思うのです
相変わらずの妄想クオリティ
ナハトさん、本当にすみませんでした!
以上がOKという方は追記からどうぞ!
車に乗り込む、兄弟。
彼らがシートベルトを締めるのを見ながら、運転手……シュヴァイツァーは彼らに問いかける。
「それで、何処に行くのですか?
外食しようといわれましたが……」
場所をまだ伺っていませんが、とシュヴァイツァーは言う。
そういえば、と呟くように言うベルトルト。
「夕飯が思いつかないし何処かに食べに行こうか、と思ってたんだけど……
別に何が食べたいってわけでもなかったんだよねぇ……」
そう呟くように言うベルトルト。
クラウスはどうする?とベルトルトが問いかける。
クラウスも別に思いつくものがあるわけではないようで、少し考え込む顔をする。
と、その時。
あ、とアレクサンダーが声を上げた。
「そうだ、ファミリーレストランに、いってみないか?」
ふと、そんなことを言い出すアレクサンダー。
それを聞いてクラウスとベルトルトは少し驚いたような顔をした。
「それって良くCMやってる?」
そう問いかけるベルトルト。
アレクサンダーはそれを聞いて小さく頷いた。
そしてペルの方へ視線を向けながら、言った。
「ペルがいってみたい、って感じでCM見てたから……
なぁ、ペル?」
そう問いかけるアレクサンダー。
いきなり話を振られてペルは少し面食らった顔をしたが、すぐに嬉しそうな顔をする。
「……兄さんたちが、良いなら……
兄さんたちと、一緒に、行きたいな」
そういってペルははにかんだような表情を浮かべる。
それを見た兄たちの意見は一致した。
「良し、じゃあそうしよう」
「たまにはそういうところも良いよね」
「良かったな、ペル!」
ペルは三人の兄の言葉に嬉しそうな顔をする。
シュヴァイツァーは彼らの様子を見て苦笑しつつ頷く。
"じゃあ目的地はそこで良いですね"というと、車を発進させたのだった。
***
週末の夜ということもあって、店は少し混んでいた。
クラウスはペルの手を握りながら、少し困ったような顔をする。
「これは……どうしたら良いんだ?」
「僕もわからないな……」
ベルトルトもそう呟く。
彼もまた、困惑した表情だった。
それも、当然といえば当然。
彼らはいつももっと格式高いレストランで食事をしている。
こういう場所で食事をとることなどなかったのだ。
ペルはそんな兄たちをみた。
それからくい、とベルトルトの腕を引っ張る。
「こっち……」
「え?」
ベルトルトはペルに手を引かれる。
そうして連れていかれたところには、ボードが立っていた。
何やら、名前が書き連ねられている。
ペルはそれを指さしながら言った。
「此処に名前を書いて、待つんだよ」
そうしたら、呼ばれるから。
ペルはそういう。
それを聞いて、そうなんだ、と声を漏らすとベルトルトはそこにさらさらと名前を書いた。
人数のところに4を書く彼を見て、ペルは嬉しそうに笑った。
四人で、来ている。
大好きな兄たちと、四人で……"家族"で。
ペルはそう思いながら目を細める。
「これで、後は待てば良いのか?」
いつの間にか彼の近くに来たアレクサンダーはペルにそう問いかける。
ペルは彼の言葉にこくり、と頷いた。
「そうだよ。
後は、名前呼ばれるのを待てば良いんだよ」
「そうなのか……
なかなか難しいんだな、ファミリーレストランは」
そう言い出すクラウス。
それを見て、ペルはくす、と小さく笑った。
自分にとっては物知りな自分の兄。
彼が知らないということを自分が知っていること、それを教えられるのが、とてもうれしいと感じたのだった。
それから少しして、"四名様でお待ちのシュタウフェンベルク様"と呼ばれる。
ペルは"いこう"と兄たちの手を取って、一緒に歩いて席に向かったのだった。
***
そうして案内された座席。
賑やかな家族連れ。
楽しそうにお喋りをしている周囲。
その様子にクラウスたちは少し驚いている様子だった。
「何だか賑やかだな……」
「嫌、だった……?」
ペルは少し心配そうに兄に問いかける。
こういう場所に来なれていない兄たち。
もしかしたら、合わないかもしれないと、そう思って。
しかしクラウスはすぐに微笑む。
そして、そっとペルの頭を撫でてやりながら、言った。
「嫌だとは思わないさ。
こういう場所には普段あまり来ないからな……
少し緊張するというか、それだけだから」
そういう兄に、ペルは少しほっとした顔をする。
そして、店員がテーブルに置いていったメニュー表を開いた。
「何食べる?それ決めたら、ボタン押して、頼むんだよ」
やや得意げにそう説明するペル。
それを聞いて、兄たちは"なるほど"という顔をする。
そして四人は食べたいものを選ぶ。
店員を呼んで注文した。
ドリンクバーもつけたら飲み物も自由に飲めるよ、とペルがいうと、兄たちもそれに従う。
「ジュース、とりに行こう?」
「取りにいく?」
どういうこと?と問いかけるベルトルト。
ペルはこっちだよ、といってドリンクバーに兄たちを連れていく。
「此処で、飲み物入れるの」
「へぇ……
何度も飲んでいいんだ、すごいね」
感心したような顔をするベルトルト。
ペルは彼の言葉に嬉しそうに笑う。
「そうだよ。
此処のボタン、押すんだよ」
ペルはそういいながら自分のジュースをグラスに入れる。
なるほど、という顔をしたクラウスは自分も入れようとグラスを置いて、ボタンを押す。
しかし。
「わっ!?」
クラウスは少し驚いた顔をした。
というのも、自分がグラスを置いた場所とは違う場所から飲み物が出てきたからで……
そんな彼を見て、ペルはくすっと笑った。
そしてグラスの場所を変えながら言った。
「此処だよ、クラウス兄さん」
「あ、あぁ、ありがとう……」
少し照れくさそうな顔をして、クラウスはもう一度ボタンを押す。
そんな彼らの様子を見て、ペルは嬉しそうな顔をしていたのだった。
普段あまり来ない場所での食事。
しかし兄たちも喜んでいる様子で……
何度も何度も行きたいとは思わない。
けれど昔家族としたような食事に、自分の兄と一緒に行けて良かったと、ペルは思っていたのだった……――
―― Restaurant ――
(大好きな兄さんたちと一緒に行く食事。
べつにどんな場所でも楽しいのだけれど…)
(こういう場所にたまに来るのも良い、なって。
僕しか知らないことを兄さんたちに話すことも出来るから…)