新キャララークと主人公コラボのお話です。
ヒトラーさんとラークの絡みを書きたかったので…
何となく似た境遇の人の絡み好きです←
*attention*
新キャララークと主人公コラボのお話です
ほのぼのなお話です
でもちらっとシリアス
境遇似てるラークを気遣うヒトラーさんを書きたくて…
でもラークは案外呑気かも
フィア嬢もいろいろ気にかけてると思います
いろんな世界を見せてあげてください←
相変わらずの妄想クオリティ
ナハトさん、本当にすみませんでした!
以上がOKという方は追記からどうぞ!
美しい青空が広がる、午後。
今日は春のようにとても暖かい。
もう外では、桜の花が綻び始めている。
そんな中庭にひとり佇む、少年……ラーク。
この場所、騎士の棟に来たばかりの彼は、美しい青空を見上げながら、ほっと息を吐き出した。
そして、目を細める。
「これが、空……」
噛みしめるようにそういう彼。
その左右色の違う双眸を細めながら、彼は小さく息を吐き出した。
ずっと、ずっと、薄暗い地下室にいた。
彼の知識は、すべて読んだ本から得たもの。
空は青いと言われていた。
けれど、絵本に載っていたような青色とは違っていた。
それに、朝、昼、夜があることを知った。
地下室ではいつも明るさは一定だった。
時計を見て、この時間になったら寝るんだよ、と両親に言われるままに過ごしていた。
朝になると太陽が昇り、昼には陽射しが降り注ぎ、暖かい。
夜になると陽は沈み、暗くなる。
太陽の代わりに月が昇り白っぽい光を落とす。
月は形を変える。
まんまるだったり、半分だったり。
時には、消えてしまう時もある。
そんな不思議な現象を、ラークは少しずつ学んでいった。
実際に、そんな景色を見る事で。
と、その時。
「ラーク」
不意に声をかけられて、ラークは少し驚いた顔をした。
腕に抱えている宝物のくまのぬいぐるみを抱きしめる。
ふり向けば、その視線の先には長い黒髪の少年がいた。
あ、とラークは声を漏らす。
そしてにっこりと笑いながら、その少年に声をかけた。
「ヒトラーさん、でした、よね?」
「あぁ……名前、憶えてくれたんだな」
そう呟きながら、ヒトラーは少し微笑む。
ラークは彼に"こんにちは"と改めて言う。
そして、微笑みながら言った。
「今日は、お仕事お休み、なのですか?」
そう問いかけるラーク。
子供のように無邪気に問いかける彼。
ヒトラーはこくん、と頷きながら言った。
「あぁ、今日は休みだ……
ラークは、この城に慣れてきたか?」
気遣うようにそう問いかけるヒトラー。
ラークはその言葉を聞いて幾度か瞬きをした後、明るい笑みをうかべて、言った。
「はい、大分慣れてきました、みなさんのおかげです。
外の世界って、楽しいですね……」
そういって笑う、ラーク。
まるで子供のように笑う彼の左右色の違う瞳は、きらきらと輝いていた。
ヒトラーはその姿を見て目を細める。
そして、少し躊躇いつつ彼の頭に軽く手を置いてやりながら、言った。
「何処か、出掛けたい場所とか、見てみたいものがあれば……言って、いいからな」
そういうヒトラー。
彼の言葉に、ラークは少し不思議そうな顔をする。
それから嬉しそうに笑いながら、言った。
「有り難う御座います。
このお城のみなさんにも、そういっていただきました」
どうやら、ほかの人も思うことは同じらしい。
ヒトラーはそう思いながら苦笑する。
"それならよかった"という彼。
それを見て、ラークはさらに穏やかに微笑みながら言った。
「外を歩くの、好きで……
お城の中も、こういうお庭でも、歩くのとても楽しいです。
まだ少し、疲れてしまうんですけどね」
そういってラークは苦笑する。
しかしその表情はとても嬉しそうだった。
彼の表情を見てヒトラーは目を細める。
その表情には、微かに悲しさが点っていた。
その、理由。
それは、ヒトラー自身もかつては彼のような境遇にあったから。
流石に、彼ほど外の世界を知らなかったわけではない。
けれど、出掛ける時には許可を得なければならなかった。
自由に外に出ることは許されなかった。
その点では、彼と同じといえるかもしれない。
それに……
「ラークは……青と黄色の瞳、なんだな」
ぽつり、と問いかける。
その言葉にラークはぱちぱちっと瞬きをした。
それから、にこっと笑って、言う。
「はい、珍しいと母に言われました。
それ故危険であるから外に出てはいけない、と……」
あぁそう聞かされていたのか。
そう思いながらヒトラーは微笑む。
それは、嘘だ。
けれど彼にとっては幸せな嘘だったのかもしれない。
お前は不吉な存在だから、といわれるよりは。
「貴方は、綺麗な空色の瞳ですね」
そういってラークはにこり、微笑む。
綺麗な色だ、と無邪気な彼は言う。
それを聞いて、少し躊躇ってから、ヒトラーは言った。
「私も、お前と同じだ。
私は、魔力を使うと瞳の色が変わるんだ」
そういいながら、ヒトラーは少しだけ魔力を放出する。
すると、彼の言う通り……
瞳の色は、空色と燃えるような紅色のオッドアイとなる。
それを見て、ラークははっと息をのんだ。
「わぁ……綺麗な色です」
僕とは違う色ですね。
それでもとても綺麗な色です。
そういって、ラークは無邪気に笑った。
ヒトラーはそれを聞いてふっと微笑む。
"有り難う"と柔らかい声で言ったその時、"ラーク"と誰かが少年を呼んだ。
「あ、フィアさん」
「ヒトラー様と一緒に居たのか。何処に行ったのかと思った」
駆け寄ってきたのはヒトラーも親しい少年……フィアだった。
彼はおだやかに微笑み、二人に言う。
「ヒトラー様もお時間あるようならば、一緒にお茶にしませんか。
ジェイド様が紅茶を淹れてくださったんです」
どうせだから他の騎士も誘ってこいと、とフィアは言う。
ヒトラーはその言葉に微笑んで、頷いた。
「ラークも、行くだろう?」
「えぇ、お二人とご一緒出来るなら、嬉しいです!
僕、お茶もお菓子も、大好きです!」
嬉しそうに笑う彼。
その表情を見て、フィアも微笑む。
「じゃあ行こう。
ジェイド様が淹れてくださるお茶はとてもおいしいんだ」
「わぁ、それは楽しみです」
嬉しそうに笑う、無垢な少年。
彼を連れて、ヒトラーとフィアは歩き出す。
―― 出来る事ならば……
この少年にはこれからたくさんのものを見てもらいたい。
綺麗なものばかりではないかもしれないけれど……――
ヒトラーとフィアはそんなことを考えながら、賑やかな食堂に戻っていったのだった。
―― World… ――
("世界"を知らない少年。
彼に、もっといろいろなものを見せてあげたい、教えてあげたい)
(私自身が望んだように。
綺麗なものばかりでなくとも、私たちが彼を守れば良いから…)