科学者道化師コラボでのお話です。
ムッソリーニさんは受験生と言うことでこういうお話も良いかな、と…←
*attention*
科学者道化師コラボのお話です
本家Laurentia!(学パロ)設定でのお話です
ほのぼのなお話です
合格発表ネタ?なお話です
前日にそわそわしてるムッソリーニさんもかわいいかな、と言う妄想←おい
カルセも結構気にしているのだと思います(^q^)
結果報告をこういう形でするの個人的に萌えるなぁ、と←
相変わらずの妄想クオリティ
ナハトさん、本当にすみませんでした…!
以上がOKと言う方は追記からどうぞ!
いつも通りのマンションの一室。
普通の部屋よりは少し広いそこ。
そこで食事をとっているのは金髪の少年と淡水色の髪の男性だ。
彼ら……ムッソリーニとカルセは一緒に夕食をとっている。
それもいつもの光景なのだけれど、夕食を口に運ぶムッソリーニの手は止まりがちだった。
「ムッソリーニ、口に合いませんか?」
カルセはそんな彼に声をかける。
彼の声に驚いたようにはっとすると、慌てたように首を振る。
そしてにっこりと笑いながら、いった。
「ううん、違うんだ、ごめん」
「……不安ですか、明日が」
そんなカルセの問いかけに、ムッソリーニは眉を下げる。
そして、小さく頷いた。
「ん……まぁ、やっぱり、ね」
彼が抱く不安。
それは、いよいよ明日に迫った、大学入試の合格発表。
心配したってもう試験は終わってしまったし、出来る限りのことはやった。
あとは結果を待つだけ、なのだけれど……
やはり、不安を消すことは出来ないわけで。
そんな彼の表情をみて、カルセはふっと笑みを浮かべる。
そして、彼を安心させようとするように、口を開いた。
「貴方はやることをやったと思いますよ。
大丈夫……きっと良い結果が出てますよ」
カルセはそういいながら、自分の向かいの席で食事をしている彼の頭を撫でる。
ムッソリーニはそんな彼の手に微笑んで、ありがと、といった。
「俺もそう思いたいんだけどなぁ……」
おっかしいなぁ、と呟くムッソリーニは苦笑気味だ。
ここまで気弱になっている自分は自分らしくないと思っているらしい。
カルセはそんな彼に微笑みかけながらいった。
「不安なのは仕方ないですよ、大丈夫」
お腹一杯だったらおいといて良いですから、とカルセは言う。
ムッソリーニは彼の言葉に頷きながら、もう一口彼の作ってくれた食事を食べる。
それでもやはり少し不安げな顔は変わっていなかった。
***
そうして迎えた、翌日。
ムッソリーニはあまりよく眠れぬままに朝を迎えていた。
カルセにもそれはわかったのだろう。
彼は苦笑しつつムッソリーニの頭を優しく撫でて、いった。
「寝不足みたいですね」
「うー……ちょっと」
でも大丈夫、といってムッソリーニは笑う。
カルセはそんな彼をみてくすくすと笑いながら、いった。
「大丈夫ならば良いですけど、あまり無理はしないように。
昼まではすることもないんでしょうから、ゆっくり休んでいなさい」
私は仕事にいきますけれど、と言いつつ、彼は携帯を軽く揺らす。
"いつでも連絡してくださいね"といって軽くウィンクして見せる彼。
それをみて、ムッソリーニも微笑みながら、いった。
「うん、わかった……いってらっしゃい」
ムッソリーニがそういうと、カルセはふわりと笑った。
そして軽く身を屈めて、彼の額や頬に口づける。
「いってきますね、ムッソリーニ」
そういうと、カルセは自分の仕事に向かう。
ムッソリーニは手を振って彼を見送った。
そしてふぅっと息を吐き出す。
「昼まで、かぁ……」
確かに、合格発表は正午。
それまで、なにもすることはない。
試験が終わった今、勉強することもないし、後輩たちは普通に学校だ。
カルセは仕事にいってしまったわけだし、彼の言う通りに寝ることもできない。
悶々とした気分のまま、彼は部屋のなかで、
落ちつきなく本を捲ったり音楽を聞いたりしながら、時間を過ごしていたのだった。
***
そんな日の、午後……――
カルセは自分の学校で仕事をこなしていた。
いつも通りの、仕事。
しかし普段より作業効率は悪い。
時折時計を見上げては、小さく溜め息を吐き出す。
彼の作業が遅い理由。
それは彼もまた恋人の入試結果が気になっているから。
彼の頑張りはよく知っている。
彼が努力家であることも、彼の夢もよく知っている。
だからこそ、結果が気になった。
どうか良い結果が出ているように。
そう願いつつの作業は決して早く進むことはない。
時計を見上げる。
ちょうど、時間は正午を少し回ったところだ。
彼は、結果を見に行っただろうか。
もう家に帰っているだろうか。
……結果は、どうだっただろうか。
そう思っていれば、彼の学校の昼休みを告げるチャイムが鳴る。
カルセはほっと息を吐いた。
高校生ともなれば、昼休みに外ではしゃいだ結果に怪我をするなんてこともない。
彼にとって唯一の、ゆっくり出来る時間だ。
と、その時。
彼の携帯がバイブした。
短いそれは、メールの証だ。
カルセははっとしたようにそれを手に取る。
少し緊張気味にメールフォルダを開けば、案の定、ムッソリーニからで。
内容は……"今ちょっと外に出てこれる?"というもの。
結果にはなにも触れていない。
それが、何を意味しているのかは図りかねた。
でも、とりあえずいってみよう。
カルセはそう思って、大丈夫だ、学校の近くだとまずいからと、
学校から少しだけ離れた公園を指定して、校外に出ていった。
少し急いでそこに向かえば、ムッソリーニはすでにいて、
ベンチに腰かけて俯いていた。
「ムッソリーニ」
カルセが少し離れたところから呼ぶと同時、
彼はぱっと顔をあげた。
そして、そのままカルセの方へ駆け寄ってくる。
「カルセさん!」
「わ……」
勢いそのままに抱きついてきた恋人。
カルセはそれを抱き止めて、驚いたような顔をする。
ムッソリーニは自分を抱き止めた恋人を見上げて、
明るい笑みを浮かべながらいった。
「カルセさんっ、俺受かったよーっ!」
はしゃいだ声。
嬉しそうな表情。
ほんの少しだけ、目は潤んでいるかもしれない。
でも、その表情や声で、よくわかった。
「良かったですね、ムッソリーニ。おめでとうございます」
カルセはそういいながらぎゅっと彼を抱き締める。
よかった、と言う彼の声はいつもより少し興奮したようすで、
ムッソリーニにも、彼が喜んでいることは伝わったらしい。
「ありがと……!スッゴい嬉しい!」
そういって、彼は笑う。
肩の荷が下りたような、それと同時に興奮冷めやらないといったようすの声。
カルセはそんな彼の頭を撫でつつ、いった。
「ふふ、今まで頑張ってきたんですからねぇ……
報われて本当に良かったですよ」
そういって藍色の瞳を細めた後、カルセはムッソリーニに問いかけた。
「ご褒美は、何が良いですか?」
彼の問いかけに、ムッソリーニはぱぁっと顔を輝かせる。
そして少し悩んだ末に、笑顔を浮かべて、いった。
「!えっとね、カルセさんが作ってくれる美味しいパスタが食べたいな!」
無邪気に笑いながらそういう彼。
彼らしい"ご褒美"に、カルセは楽しそうに笑う。
「ふふ、本当に可愛いことを言う子ですねぇ……
わかりました、今夜はお祝いにしましょう?」
飛びっきり美味しい料理を作りますから、とカルセは言う。
ムッソリーニは嬉しそうに笑いながら頷いた。
カルセはそんな彼をもう一度だけ強く抱き締めると、
改めたように彼の耳元で、"合格おめでとう、ムッソリーニ"と囁いたのだった。
―― その顔が見たくて… ――
(愛しい彼が喜ぶ顔。
それをこうして見られて本当によかったと思ったんですよ)
(メールで伝えるんじゃ味気ないと思った。
…ううん、そうじゃなくて、こうして直接伝えて、おめでとうっていってほしかったんだ)