シュタウフェンベルクさんめいんのお話です。農作業してる大佐殿を書きたくて…色々迷走していてすみません←
*attention*
シュタウフェンベルクさんのお話です
ほのぼのなお話です
農作業手伝いな大佐殿を書きたくて…←
気が良い方なのでこういうシチュもありかな、と…
手伝ってるうちに色々思い出したりしてたらいいなと言う妄想
謎の方向に迷走していてすみません←
でもこういう大佐殿可愛いと思います←
相変わらずの妄想クオリティ
ナハトさん、本当にすみませんでした…!
以上がOKという方は追記からどうぞ!
青い空にもくもくと入道雲が浮かぶ、暑い夏の日……
黒髪の少年は、任務がてらに城から少し離れていた。
穏やかな、田舎道。
城がある国の中心部は都会だが、少し外れてしまえばこうした景色も残っている。
そんな強い日差しが降り注ぐ道を、黒髪の彼、シュタウフェンベルクは歩いていた。
額に流れてくる汗を、軽く手の甲で拭う。
今日はいつも以上に暑く、ただ歩いているだけでも汗が滲んでくる。
シュタウフェンベルクは小さく息を吐き出した。
「早く帰らないとヘフテンが煩そうだしな……」
少し急ぐか、と彼は呟いて、歩くペースをあげた。
頭にあるのは自分の副官であるヘフテンのこと。
いつもなら傍にいる彼なのだけれど、今日は城で留守番だ。
ちょっとした外部調査の仕事。
歩いて報告を入れる程度のものなのだから、手間もかからない。
そんな任務だし、本当はヘフテンと二人で、
散歩がてら行っても良いとは思っていたのだけれど、
ここ数日の気温変化の大きさ故か、ヘフテンは少々体調を崩し気味のようだった。
無論、大したことはないから大丈夫、ついていくと言い張ったヘフテンだったが、
シュタウフェンベルクがそれを許すはずがなかった。
彼をつれていきたくないわけではない。
文字通り彼の右腕であり、いつでも傍にいてくれる彼をおいていきたくはなかった。
けれど体調を崩している彼を無理に連れ出さなければならないほど危険でもないし、
何処かに出掛ける予定だったら、次の休みの時にでも入れられる。
もし何かあったら必ず連絡を入れる。
極力早く帰るから。
心配してついてこようとするヘフテンをそう宥めすかして、
シュタウフェンベルク一人で出てきたのだった。
あと少しで城下町に入る。
そうすれば見慣れた都会の景色に戻るだろう。
そう思いつつ歩いていたシュタウフェンベルクの目に映ったのは、
道端の畑で作業をしている、まだ幼げな子供たちの姿。
畑に実った野菜を、一つ一つ小さな手で収穫して、籠に入れている。
その中身はすでに一杯になっていて、子供たちだけで運ぶのは大変そうだった。
恐らく、すぐ近くにある民家の子供だろう。
兄弟らしい二人の少年は子供が抱えるには大きすぎる籠を抱えて、
ふらふらと通りをわたっていこうとした。
シュタウフェンベルクは見かねて、二人の籠を支えて、声をかけた。
「大丈夫か?」
「えっ、あ、大丈夫です……」
あまり、騎士や軍人と言ったものを見たことがなかったのだろう。
兄の方はシュタウフェンベルクを見ておどおどとした顔をしている。
逆に弟の方ははしゃいだ様子で"わー、軍人さんだぁ"と声をあげていた。
シュタウフェンベルクは二人に軽く挨拶をすると、
小さく首をかしげて、言った。
「これは、二人だけで作業をしているのか?」
その問いかけに兄弟は顔を見合わせる。
そして子供らしく無邪気に笑いながら、言った。
「いつもは父さんと母さんもだよ」
「今日は、街に品物を売りにいっているから僕たちだけでやってるんだ」
ね、兄ちゃん、と弟の方が兄を見て言う。
兄もはにかんだように笑って、頷いた。
シュタウフェンベルクはそうか、というように頷いた後、
ぐるりと彼らがいた畑を見渡して見た。
まさか今日中にそれら全てを収穫しておけなんていわれはしないだろうが……
作業はある程度しておかないと、農家としては損失も出るだろう。
かといって、こんなに小さな子供たちでは、
日が暮れてもこの通りに面した部分の収穫を終えるだけで手一杯になりそうだ。
暫し考えた末、シュタウフェンベルクは、
二人が抱えた籠を支えて一緒に歩きつつ、言った。
「私も、手伝おう」
「え?本当に?」
きらきらと顔を輝かせる弟。
見慣れない人に興味津々、といったところだろうか。
しかし兄の方は躊躇った表情だ。
「でも、軍人さんもお仕事でしょう?
わざわざ外国からお仕事に来てるのに、こんなところ手伝う時間は……」
そうして軍服着てる訳だし、と彼は言う。
どうやら、兄の方は幼いながらにして、
シュタウフェンベルクが外国の人間であることを理解しているらしい。
シュタウフェンベルクはそんな彼らに小さく頷いて見せつつ、言った。
「急ぎの用事をしている訳ではない。
これだけたくさんのものをもってうろうろするのは大変だろうし……
暑いし、何より危険だろう」
周囲を見渡しながら、シュタウフェンベルクはそういう。
人通りは少ない田舎道とはいえ、たまにだが馬車が通ったりもする。
そんなところをこんな風にふらふら歩いていたら撥ねられかねない。
それに……
やはり子供二人でこうしてふらふらと作業しているのを、
じゃあ頑張って、と放置して帰ることは出来なかった。
明日以降は普通に両親も帰ってくるようだし……
今日少し手伝ってやれば、とりあえずのところ問題はないだろう。
シュタウフェンベルクの言葉に、兄弟は顔を見合わせた。
そして彼の方へ向き直ると、笑顔を浮かべて言う。
「じゃあ、少しだけお願いしてもいいですか?」
お昼になったら僕たちも止めるんで、と彼は言う。
日が昇りきるまで作業をしたら一度家に戻って休むらしい。
「やらなきゃいけないとこ終わるかなぁって、兄ちゃんと話してたの」
だから、手伝ってもらえると嬉しいな、と弟は言う。
それを聞いて、シュタウフェンベルクは少し微笑みつつ頷いた。
***
そうして三人は作業を開始した。
大人が使う大きな籠に、畑に実った野菜や果物を入れていく。
商品用だと言うから乱暴な扱いをする訳にもいかず、
小さな子供たちが一生懸命そうっと運ぼうとしているのが、なんだかおかしかった。
こうしていつも炎天下で作業をしているのだろう。
少年たちの顔はすっかり日に焼けていて、そばかすだらけだった。
でもこの仕事が辛いかという問いかけには笑顔で首を振った辺り、
こうして兄や、両親と農作業をするのは、そこまで苦にはならないらしい。
「軍人さんは、その腕も戦いで……?」
ちら、とシュタウフェンベルクの腕を気にしながら、兄の方が問いかける。
手伝うと声をかけてくれた彼のことを、少年はずっと気にしている様子だった。
シュタウフェンベルクは小さく頷きながら、
彼が持っている籠の中に収穫物を入れる。
「あぁ、任務の途中で」
「すっごいなあ、僕も兄ちゃんもそういう仕事にはさっぱりだから」
かっこいいよねぇ、と無邪気に笑う弟の方。
彼の方が幾分好奇心旺盛で活発なタチらしい。
シュタウフェンベルクを見てきらきらと目を輝かせている。
「ほら、手を動かさないと終わらないんじゃないか?」
シュタウフェンベルクは彼らを手伝いつつ、
作業の手が止まりがちな幼い少年に声をかける。
兄は唇を尖らせつつ、"お前はいつもそうだよなぁ"と言って、弟の頭を小突いていた。
そんな二人を見て、シュタウフェンベルクは目を細める。
自分にも、兄が二人いる。
ここ最近仕事が忙しくてあまり会えていないが、元気にしているだろうか?
また近いうちに遊びに来るとは思うけれど……
たまには自分から顔を出しにいこうか。
……そうしたら一騒ぎありそうだけれど。
そんなことを思いつつ作業をしていれば、太陽が空高くに昇った。
それを見て、"じゃあこれで休憩にしよう"という。
そしてシュタウフェンベルクを見て、微笑みながら礼をいった。
「お手伝いしてくれてありがとうございました」
「いや、そんなに長く手伝えたわけでもないから」
気にしないで、とシュタウフェンベルクは言う。
そんな彼の左腕を弟が引っ張る。
「ねぇねぇ、お昼僕んちで食べてってよ!お礼にさ!」
母さんがサンドイッチ作ってってくれたんだぁ、と彼は言う。
無邪気な少年。
彼を見てシュタウフェンベルクはいった。
「せっかくだが、遠慮させてもらおう。
私もそろそろ帰らなくてはならないしな」
昼過ぎには帰る、とヘフテンにいってある。
あまり遅くなってしまっては、彼を心配させるだろう。
そうですか、と兄弟二人は残念そうにしていたが、
シュタウフェンベルクにもう一度丁寧に礼をいって、見送る。
手に微かに残った土と植物の匂い。
それを感じつつ、シュタウフェンベルクは城に向かって歩いていったのだった。
―― Agriculture ――
(夏の日差しのなか
楽しそうに作業をする幼い兄弟)
(彼らの手伝いをするうちに思い出したのは
自分の兄たちと副官のことだったりして…)