学パロ科学者道化師コラボでのお話です。
教師と生徒と言う立場の二人が好きなので…
お互いこういう風に思ってたら萌えると思うのです←おい
*attention*
科学者道化師コラボでのお話です。
本家Laurentia!(学パロ)設定でのお話です
ほのぼのなお話です
ちょろっと嫉妬ネタ?なお話です
普段は教師と生徒のカルセとムッソリーニさん
カルは普段はいたって普通の養護教諭として振る舞っているので…
お互いに相手には敵わないって思ってたら可愛いな、と…←
無意識な可愛さがあると思うのですムッソリーニさんは←おい
相変わらずの妄想クオリティ
ナハトさん、本当にすみませんでした…!
以上がOKというかたは追記からどうぞ!
チャイムが鳴り響く。
放課を告げるチャイム。
夕焼けに染まっていく、空……――
大分来るのにも慣れてきた、交流授業で訪れる他校……イリュジア学園。
その、保健室の前……その傍に立っているのは、金髪碧眼の少年。
彼の視線は、保健室の中に向いていた。
開きっぱなしのドア。
保健室のベッドの上。
座っている生徒の額に触れる、淡水色の髪の男性……
心配そうに首をかしげて、何やら問いかけている彼……
生徒は大丈夫だと答えているのか、笑みを浮かべている。
それをみて、ムッソリーニは小さく息を吐き出した。
そして慌てて首を振る。
―― 何考えてんだ、俺。
当たり前の光景だ。
彼……カルセは、この学校の教師。
養護教諭なのだから、こうして他の生徒の面倒を見るのは当然で……
そう思うのに、どういう訳か少し胸が痛い。
そう思いつつ、ムッソリーニは保健室を離れた。
カルセはムッソリーニの恋人。
互いの家を行き来することもあるし、キスも……それ以上のことも、まぁする。
けれど学校ではあくまで教師と生徒。
表だって親しくすることは出来ないし、
カルセも学校で会うときには必ず一定距離を保っている。
それはムッソリーニにとっても助かるといえば助かること。
彼の読めない優しさは、暖かさは、ムッソリーニのガードを緩くする。
学校で親しくしてしまって大変なことになるのは、
恐らく生徒側であるムッソリーニではなくて、教師であるカルセの方だと思う。
罰則、なんてものでは済まないはずだ。
だから、ムッソリーニも極力交流授業で一緒になるときにも、
彼の傍にいないように気をつけているのだけれど……
「参ったなあ……」
俺こんなに嫉妬深かった?と冗談っぽく呟いて、ムッソリーニは歩いていく。
カルセの声を、遠くに聞きながら。
***
そのひの、帰り道。
カルセとムッソリーニはいつものように一緒に帰っていた。
交流授業で一緒になると、彼らは必ずこうして歩いて帰る。
そのままカルセの部屋にいくか、ムッソリーニの部屋にいくか、だ。
いつも通りのお喋り。
いつも通りの帰り道。
けれど、それに何となくの違和を感じて、カルセは少し怪訝そうな顔をする。
「……ムッソリーニ?」
タイミングをみてカルセはムッソリーニをみて声をかけた。
彼に声をかけられて、ムッソリーニは顔をあげる。
そしてにっこりと微笑みながら、小さく首をかしげた。
「どうかしたんですか?カルセさん」
いつも通りに笑っている彼。
……否、いつも通りではない。
やはりその表情が陰っている。
それを感じて、カルセは藍色の瞳を細めつつ、言った。
「……どうかしたのですか、は此方の台詞ですよ。どうしました?」
「え?」
ムッソリーニは彼の言葉に驚いたように瞬きをした。
それは単なる驚きから、動揺が混じったものに変わる。
そして彼はすぐに青色の目を伏せた。
そのまま"大丈夫ですよ、なんでもありません"という彼。
カルセはそんな彼を見つめて、小さく溜め息を吐き出した。
「……ムッソリーニ。
いいかげんに私に嘘が通用しないことは理解しなさい」
そんなに浅い付き合いをしていた記憶はありませんよ。
そういいながら、カルセはムッソリーニの頬をむにむにと引っ張った。
色の白く柔らかなほっぺたを、カルセの長い指が摘まむ。
そんな彼の行動にムッソリーニは小さく悲鳴をあげた。
「にゃっ、にゃに、ひゃめ……」
やめて、カルセさん、とムッソリーニは言う。
別段いたい訳ではないが、恥ずかしい……
彼の抗議にカルセはふっと笑いつつその手を離した。
少しむくれたように唇を尖らせながら頬を擦るムッソリーニ。
それを見つめつつ、カルセは考える。
彼がこんな風に表情を陰らせる理由……
それを考えていく……――
そして、ふと思い付いた。
「……あ」
思い浮かんだ。
けれど、それは別に気にするほどの子とでもない?
でも、もしも、それが本当だとしたら……
そう思いながら、カルセはムッソリーニにいった。
「ムッソリーニ……
もしかして、放課後に保健室を覗きました?」
その問いかけに、ムッソリーニはびくっと肩を跳ねさせた。
無言のままに彼は視線を遠くへ逃がす。
それが肯定であることをカルセは理解していた。
やはりか、と思いながら溜め息を吐き出した後……
カルセはふわりと、笑みを浮かべた。
―― どうしよう。
不謹慎だと思っている。
けれど……嬉しい。
彼のその感情は、嫉妬というやつで。
「全く……可愛い人ですね」
そういいながらカルセは少し身を屈めて、ムッソリーニの額にキスをした。
彼の行動にムッソリーニは驚いたように大きく目を見開く。
「かっ、カルセさん、此処路上……っ!」
それに、まだ生徒たちも帰っているかもしれない時間だ。
見られて噂にでもなったら……そう思う。
慌てた様子のムッソリーニをみて、カルセは微笑む。
そして優しく彼の頭を撫でながら、いった。
「今は放課後ですよ?それに校外です。
私と貴方は教師と生徒ではなくて、恋人同士のはずなのですが?」
違います?と問いかけてくるカルセにムッソリーニは困った顔をする。
確かに此処は校外だし、放課後でもあるけれど……
「で、でも……俺、まだ制服だし」
「おや、ならばさっさと部屋に連れ帰って着替えさせなくてはね?」
悪戯っぽくそういうカルセ。
ムッソリーニは彼の言葉に大きく目を見開いて、頬を薔薇色に染める。
「も、もう!カルセさんはすぐそういうことを言う……!」
「ふふ……ムッソリーニが可愛すぎるのが悪いのですよ。
……大丈夫。
私にとって特別は、貴方だけですよ」
学校で幾ら他の生徒の相手をしようとも、大切に思うのは貴方だけ。
こうして一緒に帰りたいと思うのも、部屋に連れ帰りたいと思うのも……
「出来ることならずっと傍にいたいと思うくらいなのですからね?」
それはなかなか叶いませんが、と言いつつカルセは再びムッソリーニの額にキスをした。
そして彼の耳元に甘くささやく。
―― 唇へのキスは、帰ってからね?
そんな言葉を平然と吐く彼に、ムッソリーニは頬を真っ赤に染める。
彼らを照らす夕焼けに負けないほどに。
「もう……俺、カルセさんには一生勝てない気がする」
「勝とうと思う方が間違いですよ」
なんて、とカルセは笑いつつ、藍色の瞳を細める。
その言葉は半分本当で半分嘘だ。
彼には負けっぱなしだと、そう思う。
彼の愛らしさに負けて、いつも我慢しきれずキスをしてしまう。
仕事中だって、気にかけるのは彼のことだし、
早く帰りたい、彼と過ごしたいとそう考えてしまう。
―― まったく……貴方には敵いませんよ。
カルセはそう思いつつ一度ムッソリーニの頭を強く撫でてから、
"ほら、早く帰りますよ"といった。
「早く帰って……"教師と生徒"をやめましょう?」
家に帰れば安心でしょう?とカルセは言う。
ムッソリーニは彼の発言に"またそういうことを言う"とむくれつつ、
すぐに苦笑にも似た笑みを浮かべて、彼と一緒に歩いていったのだった。
―― 君には敵わない ――
(愛しくて愛しくて仕方がない。
だから貴方には勝てる気がしないんだ)
(貴方は私には敵わないなんていうけれどそれは此方の台詞。
でもどうか貴方がそれに気づくまでは、私に主導権を握らせてくださいな?)