学パロ赤髪金髪コラボ&ジークフリートさんのお話です。
学パロでは絡んだことがなかったな、と…←
*attention*
赤髪金髪コラボ&ジークフリートさんのお話です。
学ぱろ(本家Laurentia!)設定でのお話です。
シリアスちっくなお話と思われます…
ライニさんとジークフリートさんはあまり仲がよろしくない、ということで…
アネットは細かい事情は知らないなりになんとか気遣おうとはすると思います…←
ジークフリートさんは"友達"を連れて帰ってきたライニさんをみて驚かないかな、と言う妄想です←おい
相変わらずの妄想クオリティ
ナハトさん、本当にすみませんでした…!
以上がOKと言うかたは追記からどうぞ!
ある穏やかな夕方……
二つの長い影が地面に伸びていた。
弾むように歩く赤髪の少年と、そんな彼をたしなめる、長い金髪の少年。
小さく溜め息を吐き出した金髪の彼……
ハイドリヒは、自分より少し前を歩いていく恋人、アネットに声をかける。
「アネットさん、先に歩いていってどうするんですか……」
「だって楽しみなんだもん!ラインハルトの部屋いくの!」
アネットは無邪気に笑うと、ハイドリヒの方を見た。
その表情には本当に楽しそうで、嬉しそうだ。
ハイドリヒはそんな彼をみて、小さく苦笑する。
「楽しみ、って……」
たいして面白いこともないでしょうにとハイドリヒは呟く。
部屋にいっても何らすることはない。
せいぜい、一緒にお喋りするくらいなものだ。
しかしアネットはそんな彼をみて頬を膨らます。
「楽しいとか楽しくないとかじゃねぇんだよ!
放課後にラインハルトと一緒にいられんのがうれしいの!」
別にそれ以上の理由なんか必要ないんだからな!と言うアネット。
ハイドリヒはそんな彼の返答に少し言葉を飲み込む。
少々予想外だった返答。
でも、その返答は嬉しくて……
ハイドリヒは軽く頬を引っ掻いて、呟くようにいった。
「……そうですか。
でも、アネットさんが先にいったところで無意味ですよ。
鍵は私が持っているんですから」
「あ、そうか」
彼の言うことももっとも。
アネットも確かにハイドリヒの家を知っているが、
先にいったところで鍵は開けられないのだから、意味がない。
おとなしく隣に戻ってきたアネットをみて、
ハイドリヒは少しほっとした顔をした。
流石に迷子になりはしないとおもうが……
如何せん方向音痴なアネットなので、
一人でふらふらいかれてしまうと、心配になるのである。
あと少しで彼の家と言うところまで来たところで……――
「……あ」
ハイドリヒが足を止める。
小さく声をあげて止まった彼をみて、
アネットは怪訝そうな顔をして、視線を前に向ける。
と、ハイドリヒの家の前に誰かがたっていた。
金髪に青い瞳の少年。
ハイドリヒと似ている、けれど……
ハイドリヒより幾分人懐っこそうに見える。
その少年もアネットとハイドリヒの方をみて、驚いたように目を見開いた。
「兄さんも帰ってきたんだ」
「兄さん?」
アネットはその少年の言葉に驚いた顔をする。
そんな彼の反応をみて、小さく溜め息を吐き出す。
そして、そっけなく呟くようにいった。
「……弟ですよ、双子の」
「え?あ……あぁ!」
ハイドリヒの説明に、アネットは納得した声をあげた。
すっかり忘れていた。
ハイドリヒに双子の弟がいること。
以前ちらっと話を聞いたきはするが、
ハイドリヒも自分から進んで話そうとしなかったし……
アネットも深く気に止めなかったため、忘れていたのである。
そっかぁ、と呟くと、アネットはドアの前にたっている少年に向かって、
明るく笑って、言う。
「俺、アネット。アネット・ホークルス。よろしくな、えっとぉ……」
「ジークフリート・ハイドリヒです。えっと……兄さんの、お友だち?」
ジークフリートと名乗ったその少年は、
アネットと自分の兄とを交互に見ながらいう。
アネットはそんな彼の言葉に一瞬固まった。
友人といえば友人、だが……正式にはそれ以上だ。
ただ、それをわざわざ加増に説明するべきか?
少し迷った結果に、アネットは曖昧に笑って、いった。
「ん、ああ、まぁ……そんな感じだな」
へらりと笑うアネットをみて、ジークフリートは"そうですか"といって笑った。
そして、そのまま目の前にたつ、赤髪の少年を見つめる。
兄が誰かを家につれてくるのは、珍しいことだった。
隣人であるカナリスを除いて親しい人間をあげろ、と言われたら悩むほど。
家につれて帰ろうとするほど親しい人間はまず思い浮かばなくて……
いつの間にそんな相手ができていたのだろう、と思った。
アネットはアネットでまじまじとジークフリートを見つめる。
はじめて見た、自分の愛しい人の弟……双子だと言う彼は、
確かに自分の恋人……ラインハルトに似ているような気もする。
アネットがそんなことを思っていた、そのとき。
不意にぐい、と服を引っ張られた。
驚いてそちらへ視線を向ければ、ハイドリヒが制服の袖をつかんでいた。
幾度もまばたきをするアネットをじっと見つめて、ハイドリヒはいった。
「部屋、いきましょう」
唐突な、彼の言葉。
いこう、といいながら軽く腕を引っ張られる。
アネットは幾度もまばたきをして、彼を見つめた。
「え?あぁ、そう、だな」
いくか、とアネットが言うと、ハイドリヒはジークフリートの横をすり抜けて、
室内に向かってあるいていく。
アネットはジークフリートに軽く笑みを向けると、
ハイドリヒの後ろからついていった。
***
ハイドリヒに案内されて、アネットは彼の部屋に入った。
ドアがぱたんと音をたててしまる。
ハイドリヒはアネットと一緒にベッドに腰を下ろす。
小さく息を吐き出したハイドリヒをちらとみて、
アネットは少し迷うように視線を彷徨わせると、
"なぁ、ラインハルト"と彼に声をかけた。
ハイドリヒは小さく首をかしげて、アネットの方を見る。
アネットは少し躊躇ってから、ハイドリヒにいった。
「仲悪いのか?」
「え?」
唐突なアネットの問いかけに、ハイドリヒはきょとんとした顔をする。
彼の顔を見ると少し怯んだが……アネットはふっと息を吐き出して、言葉を続けた。
「彼奴……ジークフリートと」
彼の言葉にハイドリヒは眉を寄せる。
暫し続いた、沈黙の時間。
アネットはやっぱり聞かない方が良かったかなと考え、
フォローの言葉を考えていたが……
ふぅ、と息を吐き出したハイドリヒは、ぼそりと呟くようにいった。
「……仲良し兄弟、ではないでしょうね」
そっけない一言。
でも、それが全てなのだろう、とアネットにも理解できた。
「ふぅん……そう、なんだ」
アネットはそう呟くと、何処か遠くを見るような顔をした。
先程の姿を見る限り、目に見えて仲が悪いようには見えなかった。
反発しまくっているようにも見えないし、
噛み付き合っているようにも見えないけれど……
何処か、ぎこちない。
すれ違いあっているような……そんな、感じ。
何だか勿体ないな、とも思う。
せっかく身近に兄弟がいるのに、それなのに……と。
でも、アネットもそれを口にすることはしなかった。
何となく、触れてはいけないような気がして。
ラインハルトとジークフリート。
二人は双子だと言うけれど、その雰囲気は対照的といっても良いくらい異なっていた。
明るく、社交的に見えるジークフリートと、
おとなしく内向的ならラインハルトと。
そんな違いは、もしかしたら……
ラインハルトにとっては、疎ましいものなのかもしれないし、
何よりハイドリヒの方がジークフリートを意図的に避けているように見えた。
悪意や嫌悪からにも見えなかったけれど……
なにか理由があるのなら、そこにつっこんではいけないような、気がして。
「……アネットさん?」
アネットが黙り込んでいることに気がついて、ハイドリヒは彼に声をかけた。
彼の声にアネットははっとして、彼の方を見る。
「へ?あ、ううん。なんでもない」
「……私たちのことを気にしているのですか」
アネットの表情をみて、ハイドリヒはそういう。
自分とジークフリートのことを気にしているのか、と。
アネットは一瞬動揺したように視線を彷徨わせた末、小さく頷いた。
「……ちょっと、な」
「気にしないでください……
別に、意地悪をされるとか、そういう訳ではありませんから」
ハイドリヒがそういうと、アネットは微笑んで、"そっか"と呟く。
そして、隣に座っているハイドリヒをそっと抱き寄せた。
驚いて肩を跳ねさせる彼の頭をそっと抱いて、撫でる。
友人と言う友人がいなくて、家でも弟とはあんな関係で……
寂しかったと言う、彼の言葉の意味がわかった気がして。
「……アネットさん?」
「ん……何でもないよ。大丈夫」
いきなりごめんな、といってアネットは笑う。
ごめんなと言いつつ抱き締めるうでは緩まなくて……
ハイドリヒは怪訝そうな顔をしつつ、その腕に抱かれたままでいた。
―― Uneasy… ――
(近いはずなのに遠い。そんな、ぎこちない関係の彼ら
お前の寂しさの理由の一端は、此処にもあるのかな)
(兄の隣にたつ見慣れぬ人
彼の服を頼るように、縋るように掴んだ兄の姿が目に焼き付いて…)