唐突ですが、座禅ってしたことございます?

最近じゃ部活動とか修学旅行の体験コースなんかにもあるみたいですが、俺は1度もないです。

したいか、したくないかと問われれば

したいような……したくないような……

てか、落ち着きのない煩悩が人間の皮をまとってるだけのヤツですからね

あんなの俺には無理な気がしますよ。









ということで、こちらの映画


……禅とは

只ひたすらに座り、己の中に仏を見、修行の中に悟りを開くものである……


というね、曹洞宗の開祖である道元禅師の生涯を描いた作品です。

宗教云々については触れませんね。

ええ、まったく語れるほどの知識も経験もないですから。

純粋に、エンターテイメント作品としてレビューさせていただきます。






まずね、役者さんが綺麗な作品でした。

まあ梨園の方ですからね、面立ちに品があるのは当然ですが、この役に臨むにあたり相当厳しく内面を磨かれたんじゃないかと思うんですよ。

こういった、精神世界の偉人を描いた作品ね。

ガンジーとか、マザーテレサとかさ

抜擢された役者さんは本当に大変だと思うのね。

人間でありながら、人間臭さを排除しきった理性とか慈愛といったね、内面の崇高さを面に出さなきゃならないわけでしょ。

つまり、なりきらなきゃならないわけでしょ。

こういう役を演じる役者さんは凄いよね。




ストーリーはというと、史実に現代風の脚色などを加え、ひたすら仏の教えをひろめることにより民衆の心を救おうとする道元禅師の姿が描かれてるわけですが


この映画を観ても、

禅とはなんぞや?

残念ながら、それは当然わかりません。

2時間ばかしの映画で悟りをひらけちゃったら大変です。


ね、作品の中でも言われてる通り、悟りとは只ひたすら座り続け、己を見つめ、己の中に見つけるものなのですよ。




ですが

俺個人はですね、悟りには到達どころか惜しい位置にも行けませんでしたが

この作品の中で、道元禅師が時の宗教弾圧によって京都を追われ、数人の弟子たちと共に現在の福井県にあるらしい荒れ果てた寺に逃れ住むエピソードがあるんですよ。

ボロッボロの寺で僧侶たちが修行を始めると、その荒れ寺の周囲の山野に村人が次第に集まってきて土地を耕し、畑で作物を作り……というシーンです。




あのね、宗教とは何なのかとか、そんな難しいことは俺には分かりませんが、

オイラの村の空き寺にお坊さまが来てくれた…

そう手をあわせる人の心にこそ穏やかな仏が宿ってる気がしてね



そのシーンがいちばん良かったですよ、監督さん。俺はね。