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恋に芽生えた瞬間



 わかっとんねん。

 俺も、あいつも上さん、子供がおるねんてこと。

 でも、目覚めてしもうたんや。

 「柔らかかったなぁ」

 あいつの唇。

 企画やなかったら、舌、入れてたわ。

 俺から離れられへんようにあいつを力強く抱きしめて、何か言うまえに俺ので、口、塞いだりたいわ。

 「かわいかったなぁ」

 「誰が??」
 
 「誰がって、ほと?!」

 あやうく、言ってまうところやった。

 目の前の男兼相方で、俺の片思い相手。

 蛍原徹に。

 「俺、俺がどうかしたんか??」

 言えへん。

 あの企画以来、ずっと、お前のこと、目で追うとるなんてこと。

 「な、なんでもあらへんわ」

 「そんなら、ええけど」

 目の前の蛍原の唇ばっかり、見とる俺は変態やろか。

 (アカン、キスしたいわ)

 目の前に好きな男が居るんに、キスしないんは男の恥や。

 (据え膳喰わねば男の恥や!!)

 気づいたときには俺は目の前の蛍原にキスしてた。

 めちゃめちゃ、柔らかいわぁ。

 男にキスなんて、絶対、ごめんや、思っとったけど、好きな男(徹)は別や。

 (もっとや!!)

 もっと、徹を味わいたい。

 そう思った俺は蛍原の舌に俺のを絡ませてみた。

 「んン」

 キスの合間に聞こえてくる蛍原の声、クチュクチュといやらしい音。

 (アカン、マジで、依存するわ)

 キスだけじゃ、足りへん。

 そう思った俺が徹の服に手を掛けたときやった。

 我に返ったらしい徹に思いっきり、頭を叩かれたのだった。

 「な、何すんねん、徹」

 「それは俺の台詞や。突然、人にキ、キスなんかして、どういうつもりや!!」

 たしかに気持ちわるうなるわな。

 いきなり、相方にキスされて、あやうく、犯されそうになったんやから。

 「すまんな、徹、だけど、だけどな」

 好きなんや、好きなんや!!

 あのときから、お前のことが!!

「好きなんや、徹」

 止まらへん。

 徹に、俺の気持ち、わかってほしいて、思うと、好きいう想いが、止まらへんねん。

 「徹が好きなんや」

 遊びや、冷やかしなんかとちゃう。

 「俺は純粋に蛍原徹が好きなんや」

 嫌われたかもしれへん。

 怖くて、徹の顔が見れへんかった


 「俺もや」

 「え」

 「俺も純粋に宮迫博之が好きや」

 一瞬、冗談かと思ったわ。

 「キスされて、すごく、嬉しかったわ」

 お前に言おうか、迷ってた。

 言ったら、嫌われて、コンビ解散とか、なるのは嫌だった。

 上さんいるけど、俺が好きやと。

 あの、番組の企画で、キスしたときから。

 「同じ気持ちだったんか」

 こくんと徹は頷いた。

 嬉しかった。

 ホモとか、ゲイ、言われて、最低やと、徹に拒絶されると思っとったから。

 「徹」

 嬉しさのあまりに俺は徹を抱き寄せていた。

 「ひ、ひろ「お前、最高や!!」

 ありがとう、神様という気持ちを込めて。

 「徹、これから、いろいろなことがあると想うけど、俺、どんなことがあっても、徹のこと、守ってみせるから」

 「博之」

 上さんも、子供も、大切や。

 でも、一番大切なんは今、抱きしめてる男なんや。

 「愛してるで、徹」

 「俺もや、博之」

 どちらからともなく、俺らはお互いに口づけを交わし合ったのだった。

          エンド
 
 
 
 





 
 

椿壮一の後悔

 
 「いってきます」

 そう言って、元気よく、家から、出て行ったのは渡辺孝之、8歳だった。

 彼が向かった先はなんと、閑静な住宅街には似遣わないすごい豪邸であった。

 「こんにちは」

 ピンポーンと、ベルを鳴らすと、中から、男性とは思えない美しい人が出できた。

 「やあ、孝之君、待ってたよ」

 「椿兄ちゃん、こんにちは」

 元気いっぱいな孝之の挨拶に笑顔で、出迎えてくれたのはこの家のお坊ちゃんの椿壮一であった。

 彼は孝之よりも、2つ上のお兄さんであった。

 「孝之兄ちゃん、今日も勝負しようぜ」  

 勝負というのはラジコンのことだった。

 「もちろんだよ、孝之」

 にっこりと微笑まれ、思わず、ドキッとしてしまった孝之は頬が赤らめてしまっているのを悟られたくなくて、思わず、椿から、目を逸らした。

 そんな孝之を見て、「かわいい」と椿は思った。(もちろん、本人に言えば、怒られるであろうが…)

 「今日こそは絶対に勝つぞ」

 とは言え、今まで、一度も、孝之は椿に勝てたことがなかった。

 なんたって、彼は「ブラックパピヨン」という名でラジコン会で、有名な人物なのだ。

 そんな椿にまだまだ、ラジコンを始めて、1ヶ月も満たない初心者である孝之が勝てるはずがなかった。

 「努力は認めるけどね」

 自分に勝ちたいがために、孝之がかなり、努力していることを椿は知っていた。

 とは言え、椿には負けてやる気など、さらさら、なかったが。

 例え、わざと、自分が負けたとしても、真面目な孝之のこと、喜ぶはずがないだろう。

 「いつか、自分の力で、絶対に勝ってみせる」が、孝之の日々の目標であった。

 が、しかし、現実はそんなに甘いはずがなかった。

 「ちくしょう、今日も、負けた」

 これで、10連敗の孝之はすごく、悔しそうに、その場に座り込んでしまった。

 「惜しかったね、孝之」

 そう言って、孝之の頭を撫で、慰める椿はしかし、どことなく、嬉しそうであった。

 「さて、じゃあ、今日は何をしてもらおうかな」

 その言葉に孝之はビクっとした。

 負けた者は勝った者の言うことを聞く(つまりは奴隷)になるということが、勝負の条件だった。

 普通なら、肩もみや、掃除、買い物に行かせたり(要はパシリ扱い)させるくらいのことなのだが、椿が孝之にさせることは性的なことであった。

 「今日もまた、おちんちん、自分で弄るのかよ」

 いつも、椿が孝之にさせていることは自慰行為のようだ。

 それを思い出したらしい孝之は思わず、顔が赤らんできてしまった。

 「今日は違うかな。とにかく、僕の部屋に行こうか」

 そう言って、孝之は椿に腕を引かれながら、彼の部屋へと、渋々、行くことになったのだった。

 着いたと同時にベッドに座らされ、孝之は戸惑うばかりであった。

 「何をするの」

 恐る恐る椿に訪ねる孝之の声はどこか儚げで、震えていた。

 「まず、服を脱いで貰おうかな」

 「服、脱げばいいの」

 どうしてかと、疑問に思いつつも、負けてしまった以上、逆らえない孝之はしかたなく、服を脱いで、下着姿になった。

 「脱いだよ」

 「いい子だね」

 そう言われても、孝之は嬉しいわけがなかった。

 「次はどうするの」

 「パンツから、孝之のかわいいおちんちんだけ、出してくれるかな」

 「な、なんで、そんなことしなくちゃいけないの」

 「逆らうの、孝之」

 低い声で、名前を呼ばれて、孝之はゾクリとなった。

 逆らえば、光輝が、俺の代わりをさせられるのだから、孝之が逆らえるはずがなかった。

 光輝とは孝之の幼なじみである。

 「わかったよ」

 親友を巻き込みたくないという気持ちを胸に、孝之はしかたなく、椿の命令通りに、下着から、孝之自身を出したのであった。

 孝之自身は小さいにも関わらず、きちんと、己を主張(勃起)していた。

 「かわいいね、孝之のおちんちん」

 そう言いながら、孝之自身に触れる椿は美しく、清廉潔白なイメージとして、周りから、思われている彼とは全く、違っていた。

 エッチ、スケベ、変態という言葉が今の椿にはお似合いであると孝之は心の中で、思った。

 もちろん、面と向かって、椿に言えるはずがないのが、孝之であった。

 「さて、どうしようかな」

 その言葉と同時にいきなり、ベッドに上がってきた椿は孝之の背後に周り込んできたのであった。

 「たまには趣向を変えてみようか、孝之」

 そう言って、にっこりと微笑むと、同時に椿は孝之の両足をガバッと、思い切り、開いたのであった。

 「な…!!!」 
 
 突然のことにパニクるしかない孝之。

 赤ん坊でもないのに、己自身を眼前にされ、孝之は恥ずかしくて、思わず、泣きたくなってしまった。

 「泣くんじゃないよ、孝之」

 ヨシヨシと、椿が頭を撫でながら、慰めても、今の孝之には全く、無意味なことであった。

 「椿…ひっく…兄…ちゃん、やっぱり…ひっく…俺の…こと、嫌い…ひっく…なんだな」

 「違うよ、孝之」

 自分はただ、孝之がかわいいだけなのに、どうして、そうなってしまうのかと、椿はオロオロするほかなかった。

 「だって…ひっく…兄ちゃん…変なこと…ひっく…ば…ひっく…ばっかり、するん…ひっく…だもん」

 変なこととはつまりはエッチなこということだろう。

 「ごめんね、孝之」

 好きなのに、本当は優しくしたいのに、孝之を見ていると、ついつい、加虐心をくすぐられてしまうのだ。

 孝之が泣くまで、気づかないなんて、自分はなんて、馬鹿な人間なのかと、椿は心の底から、思い、孝之を抱きしめた。

 「孝之、好きだよ」

 「…れも、好きだ」

 「孝之」

 掠れ気味ではあるが、孝之の言葉は椿には伝わったらしく、孝之は後ろから、抱きしめられながら、顔だけくいっと、上げられ、椿の口づけを受けたのであった。

 「なんてことになったかもしれないよね」

 うっとりとした顔で、生徒会室の机の上に肩肘を付いているのは副会長様の椿壮一であった。

 「ハア、やっぱり、8年前に出会ったときに、口説いていればよかった」

 「椿は本当に孝之君が好きだね」

 彼が、どんな想像をして、そう思ったのかなど、親友の秋津島にはお見通しのようであった。

 そして、自分以上の変態であるということも…

 「好きだよ、かわいいし、本当は誰の目にも、晒したくないくらいにね」

 恐ろしい状態をと思うが、椿なら、やりかねないと、秋津島は思った。

 「子供の孝之もかわいいけど、やっぱり、今の孝之が一番だね」
 
 そう言って、窓の景色を見つつ、椿は紅茶を一口飲んだのであった。

 一方、孝之はその頃、教室で大きなくしゃみをしていたのであった。

 もちろん、そのくしゃみの元凶は椿壮一であったのは言うまでもなかった。

        おわり
 

 


 
 

 
 

 

 

 
 

「契り」

 
  
 「りん、怖いか」

 「大丈夫だよ、殺生丸様」

 奈落との戦いから、10年、経ち、17歳になったあたしは幼い頃から、好きだった美しい妖怪の殺生丸様と結婚し、契りを交わした。

 「後悔してないか、りん」

 「してないよ」

 幼い頃から、ずっと、殺生丸様の妻になりたいと思ってたから、後悔なんて、するわけがなかった。

 (殺生丸様のほうが、後悔してないのかな)

 殺生丸様は昔、愛する人を救うことが出来なかったと、犬夜叉様達に聞いたことがある。
  
 神楽さん…

 殺生丸様が愛していた女の人。

 もし、彼女が生きていたら、あたしはきっと、殺生丸様とは夫婦にはなれかったと思う。

 (いいのかな)

 神楽さんを差し置いて、あたしなんかが、殺生丸様の妻になってしまった。

 (本当は殺生丸様は神楽さんと…)

 「気にするな。今、わたしが愛しているのはりん、お前だけだ」

 口に出さなくても、あたしが思ってることを理解して、安心する言葉をくれる殺生丸様。

 「はい。殺生丸様」

 不安がることなんかないのに。

 今、殺生丸様はあたしを愛してくれてるのだから。

 でもね、やっぱり、不安なんだよ。

 「殺生丸様」
 
 「なんだ、りん」

 だから、あたしが不安にならないように何度も、抱いて、安心させてほしいんです。

 「あたしが不安にならないように、何度も、抱いてください」

 あなたに愛されてることを実感出来るように。

 「お前は本当に変わってる奴だ」

 「え…ン…」

 何が変わって居るのかと説いてみたかったが、唇を塞がれてしまい、問うことが出来なかった。

 「りん、愛している」

 「わたしもです。殺生丸様」

 殺生丸様より、わたしは先にこの世を去る運命。 

 でも、わたしはずっと、あなたのお側に居ます。

 だって、わたしは殺生丸様、あなたの妻なのですから。

             エンド
 

告白

 例 「人生初の告白と、人生初のファーストキス」

 「好きなんだ」

 「え」

 突然のことに俺は言葉が出なかった。人生初のラブレターを貰い、待ち合わせ場所である中庭に行ってみると、突然、告白され、しかも、相手は同じクラスの男なんて、驚き以外出てくるわけがないだろう。

 しかも、俺より、遥かに身長が高いものだから、見上げなければ、相手の顔を見ることが出来ないのであった。

 ちなみに俺の身長は150ほどで、相手は190近い身長の高さである。

 柏原裕太。同じクラスで、スポーツ万能の超ポディテブなクラスの人気者。

 茶髪の髪を、後ろで、束ねていて、制服を着崩しているのが、特徴だ。

 一方、俺、中西佑真はというと、運動音痴で、取り柄は勉強だけの超ネガティブで、クラスでも、存在感ゼロに近かった。

 そんな自分とは全く、正反対の俺なんかに告白するなんて、どうかしているのではないかと思うほかなかった。

 (からかわれてるだけだよな)

 クラスの奴らか、友達と、グルになって、俺をからかおうとしているだけであろうと思っていたので、からかうのは止めてくれと、言おうと口を開いた瞬間、柔らかい感触を唇に感じたのであった。

 それはまぎれもなく、目の前の超ポディテブ長身男、柏原裕太の唇であった。

 (俺、男にキ、キスされてる)

 突然、告白され、しかも、相手は男のうえに、ファーストキスまで、奪われてしまうとは彼の考えていることは俺には理解不能だった。

 「なんで、急にキスなんか…」

 口付けられた感触を忘れるかのようにゴシゴシと唇を袖で吹きながら、訪ねた。

 「だって、かわいいからさ、つい、したくなったんだよ」

 「かわいいって」

 その言葉にかぁっと、頬全体が赤くなった。

 かわいいだなんて、普通、女の子に言う台詞のはずなのに、目の前の男の目は節穴なのだろうか…

 そして、そんな彼の台詞に頬を赤らめる俺も普通ではないのだろうか…

 (俺は男なのに、いつから、乙女になったんだ)

 まさか、俺は同性しか、愛せないホモなのだろうか。

 (そんなはずはない。だって、いままで、男なんか、好きになったことなんて、ないんだから…)

 (いや、でも、もしかしたら、そうなのかもしれない…)

 嫌なことばかりが、頭に浮かんできて、俺は頭を抱え込むしかできなかった。

 「どうかしたのか」

 そんな俺を見て、心配そうな顔をする柏原。

 「何か、悩みがあるなら、相談に乗ってやろうか」

 その悩みの元凶は「柏原裕太、お前だ」などと、ネガティブで、口下手な俺が言えるわけなどなかった。 

 言葉で、言えないかわりに俺は憎しみを込めた渾身の目で、柏原裕太を睨みつけた。
 
 しかし、彼には無意味なようである。

 「そんなに、見つめるなよ、照れるだろ」
 
 「……」

 もはや、呆れて、何も言葉が出てこなかった。

 顔を赤らめて、両手で、頬を抑える彼には俺の渾身の憎しみを込めた目は熱い眼差しに見えるようだ。

 「やっぱり、俺たちは運命の赤い糸で、結ばれてるんだな」

 うっとりしながら、目の前の男はそんなことを呟いた。

 (運命を感じているのは柏原裕太、お前だけであり、俺は絶望の青い糸をお前との間で、感じてるよ…)

 「そうかな」

 なんて、言えるわけないから、作り笑いを浮かべて、彼に微笑むことしか出来ない自分が情けなかった。

 「そうだよ。いやあ、嬉しいなぁ、佑真と、付き合えるなんて」

 「え」

 照れながら、頭をポリポリと掻く奴には悪いけど、俺は付き合う気はさらさらなかった。

 あまり、関わり合いのない、ましてや、男なんかと、誰も付き合おうとは思うわけがないだろう。

 だから、断ろうとしたのだが…

 「これから、よろしくな、佑真

 そう言って、幸せそうな笑顔を向けて、俺を抱きしめる男にそんなことを言えるはずがなかった。
 
 「さてと、告白も、無事、成功したし、そろそろ、帰るとしますか」

 「また、明日な、俺のかわいい愛しの佑真」などと、言いながら、手を振りながら、去っていった彼を見送りながら、またまた、恥ずかしさのあまりに頬が赤らんでしまった。

             
 「最悪だ」

 高校三年間、平和な学校生活を送りたかったが、どうやら、それは叶いそうもなかった。

 (明日から、地獄だ)

 まず、教室に入るときの皆の視線で胃が痛くなるだろうことは目に見えているので、その日の夜、俺は鞄に大量の胃薬を入れたのであった。

        おわり
 

 
 

 

 

 それは任務から、機関して、任務結果をサイクスに報告しようと彼の部屋に向かおうとしたときのことだった。

 「ん、誰かの話し声」

 いったい、誰かと思い、覗いてみると、そこには何やら、話し込んでいるらしいアクセルと探し人であるサイクスがいた。

 「だから、俺はロクサスとは別に仲間で友達でしか思ってねえって言ってるだろう」

 「友達や、仲間とお前は簡単にキスするのか」

 キスという言葉に俺は何日か前に、アクセルにされた口付けを思い出した。

 (あのことかな)

 だけど、なぜ、サイクスが怒るのだろうか??

 「お前はあいつのことが好きなのか」

 「‥‥」

 黙り込むアクセル。

 そんなアクセルに、痺れを切らしたらしいサイクスは突然、彼の顔を上に向かせ、口付けしたのであった。

 (え、な、なんで)

 突然のことに驚いた俺は思わず、声を上げそうになり、慌てて、両手で口を抑えて、壁に身体を潜めたのであった。

 (いったい、なんで)

 気になった俺が再び、覗いてみると、まだ、口付けしていた。
   
 それは俺がこのあいだされた口付けとは違い、濃厚な口付けだった。

 (二人って、あんなことする仲だったのか‥)

 二人の関係は一体、どういう関係なのか、俺にはよく、分からなかった。

 「リア、俺のことを裏切る気か」

 「裏切るわけねえだろう」

 裏切るとは何に対してだろうか。

 (よく、わからないけど、立ち去ったほうがいいよな)

 バレないうちに立ち去ったほうが身のためだと思い、早々にその場を立ち去ったのであった。

 「二人の関係だって」

 「うん」

 気になった俺はデミックスに、訪ねることにした。

 「仲間じゃねえのか」

 「‥のかな」

 「なんだって??」

 イマイチ、俺の言った言葉が、聞こえなかったらしく、デミックスは俺の顔近くに耳を近づけてきた。

「仲間となら、キスや、それ以上のこともするのか」

 「それ以上って」

 「せ、セックスとかすることかな」

 思わず、俺の言葉を聞いて、驚いたらしいデミックスは彼の愛用のシタールを床に落としてしまった。

 「今、なんて言ったんだ」

 「セックスって、同性でも、可能なのかな」

 「あのな、ロクサス、いきなり、何言い出すんだよ」

 俺は先ほどのことをデミックスに話した。

 「なるほどな、つまり、アクセルの奴と、サイクスの野郎が、揉め合いしてるところにたまたま、出くわしてしまい、二人はキスしてたわけだな」

 そう言いながら、先ほど落としてしまったシタールが、壊れてないか、デミックスは確かめていた。

 「大丈夫か」

 「大丈夫じゃねえって」

 思っていたよりも、強く落としてしまったらしい。

 「ごめん」

 しゅんとうなだれた俺の頭にデミックスの手がぽんと置かれた。

 「気にするなとは言わねーけど、今度からはきをつけろよ」

 「デミックス」

 普段は任務をサボったり、文句垂れたりと、どうしようもない奴だけど、根は悪い奴ではないみたいだ。

 「ありがとう」

 「‥‥‥」

 「?‥デミックス」

 「なあ、ロクサス」

 「ん」

 「アクセルと、サイクスの関係、教えてやるよ」

 「え」

 いきなり、腕を引かれたかと思うと、口付けられていた。

 (な、なんで)

 突然の口付けに驚いた俺は思わず、デミックスを突き放した。

 「な、なんで、急に」

 「好きだから」

 「え」

 「好きだからに決まってるだろう」

 その言葉で、ようやく、俺は理解した。

 (サイクスも、アクセルのことが好きだから、キスや、それ以上のことをしようと思ったのか)
 
 「好きな奴にキスしたい、抱きしめたい、セックスしたいって、思うのは当たり前のことだろう」

 「そうなのか」

 て、ことはデミックスや、アクセルも、俺のことを好きなのか??

 「デミックス」

 「何、続きでもする」

 「いや、デミックスも、俺のこと、好きなのか」

 その瞬間、デミックスの顔は真っ赤になった。

 「んなわけないでしょうが!!たまたまだよ、たまたま」

 焦る様子からして、どうやら、図星らしい。

 「一体、いつ「それより、ロクサス、明日も早くから、任務だろうから、早く、部屋で、寝ろよ」

 俺が述べるよりも、早く、デミックスは俺を部屋から、追い出した。   

 「なんだよ、デミックスの奴」
   
 部屋に入ろうにも、ロックされてしまったらしく、あきらめるしかないため、仕方なく、俺は部屋に戻った。

 (好きなわけねえよな、俺があんなガキを)

 (デミックスは俺のこと、好きなのかな)   

 その日、俺は考え込んでしまい、1日、寝れなかった。

 それはデミックスも同じらしく、翌日は二人揃って、任務中、欠伸ばかりして、サイクスに怒られてしまった。

 「きちんと、前日に身体を休めておけ」

 「はいはい」

 デミックスのいい加減な返事に眉をサイクスは顔をしかめた。

 「お前もだ」

 ジロリと睨まれて、思わず、俺はこくりと、頷いた。

 「あれ、アクセルは??」

 デミックスの言葉にそういえば今日はアクセルの顔を一度も見てないことに気づいた。

 「奴は別の任務に出ていて、当分は帰らないだろうな」

 そうなのかと思いながらも、イマイチ、信用が出来ないのは俺だけではなく、デミックスも同じだろう。

 「そんなことより、明日の任務はお前たち、二人で行ってもらうから、体力を温存のため、部屋で、ゆっくり、休んだほうがいいのではないか」

 そう言い残して、サイクスはロビーを去っていった。

 あとに残されたのは俺と、デミックス、二人だけだった。

 「さてと、部屋に戻るか」

 部屋に向かおうと、デミックスを俺は慌てて、引き止めた。

 「なんだよ」

 「昨日のことだけど、デミックスはやっぱり、俺のこと、恋愛好き的な意味で好きなのか」

 「‥‥」
 
 沈黙のデミックスに不安を抱きつつも、彼の本当の気持ちを聞きたかったので、後悔はしてない。

 しばらくして、ようやく、デミックスは喋り出した。
 
 「そうだよ」

 「え」

 「なんてな」

 「え、どういう「昨日も言ったけど、嘘に決まってるでしょうよ、かわいいな、ロクサスは」

 腹を抱えて、笑っているデミックスを見て、気づいたら、頬を打っていた。

 「なにすんだよ」

 「最低だ」

 「‥ロクサス」

 こっちは真剣に考えたというのに‥‥

 気づいたら、俺の目からは波がとめどなく、溢れていた。

 「おい、ロクサス」

 「デミックスなんか、大嫌いだ」

 デミックスの手を振り払い、俺はロビーを走り去ったのであった。
  
 「お子ちゃまだな、ロクサスは」

 嘘に決まってるだろうがというデミックスの呟きは走り去っていったロクサスに届くはずがなかった。

           エンド