話題:一品おかず

「ゴハンですよ〜」と可愛らしい声が聞こえて起きた神田です

今夜のメニューはハンバーグ、大根の煮物、味噌汁だった

最近はM美様が朝晩と作ってくれて楽チンチン

それが予想外に美味だったりするのよ

中学生の頃には家族の食事と弁当を作っていたそうな

だからかな、出された料理は安心して口に運べるんだよ

で今夜は、ハンバーグ達の他に箸休めの一品が出た

M美家では『芋がらの酢漬け』と呼んでいるもの

里芋の葉っぱの下の茎を乾燥させたものが芋がらというのだと思うが、これは里芋の中でも最高級の『八頭(ヤツガシラ)』の芋がらを使った料理なのよ

普通の里芋は親芋のまわりに子芋がくっついている状態で収穫され、その親芋からパキパキと取った子芋の部分を里芋として流通させるんだけど、八頭はパキパキと子芋を取ることができない状態、つまり子芋が親芋にめり込んでてさ、それで1つのかたまりになっちゃってんの

かなり大きくて表面がボコボコしてるんだよ

そのボコボコしてる部分が頭みたいでいくつもあるから、八頭というらしいのさ

その珍しい八頭の芋がらは生の状態では赤いんだよね

真っ赤じゃなくて、赤茶色くらいな感じかな

その茎の皮を剥いで、その後はどうするんだっ毛な、乾燥させてから戻すのかも知れない

茹でるんだったかな…??

ま、とにかくM美家では酢漬けにするんだってよ

お父様が毎晩日本酒をチンして飲むらしく、その時のつまみに用意したものだと言っていた

それを神田に分けてくれたのですよ

「こういうの食べたことないでしょ、ウフフ」なんて言いながら出してくれたのだ


日本って食べ物に関しては本当に凄いよね

そのままでは食べられないものを工夫して食べられるようにする文化はよその国ではあまり無いような…

中国や東南アジアでも同じように工夫してるのかも知れないが、元々があまり美味ではないものを無理矢理食べてるようなイメージでね、でも日本はどうしてこんなに美味しいの?と思うようなものが多いような




そんでもって、この『芋がらの酢漬け』も美味だった

初めて食べた

繊維が固いかと思っていたが、とっても柔らかくなってた

ただ、これだけで白米を食べられるかと言えば少し物足りないかな

だから箸休めなのだろうね



芋がらの酢漬けはM美のお母様が作ったものだったので、食後、感謝の気持ちを手紙にしたためて、それを娘に持たせた

俺が手紙を書いてる10分くらいの間にM美様はビールを1本飲み干した(長い缶のやつ)

もう、酒豪決定!(>_<)