気になる人に近づくためには、執事(やメイド)が持たないようなバッグやカバンを選べば良いんだな。
問題は、もともとのスペックがビミョーだから望みが薄い。
がしかし、素敵な人だと勘違いしてくれる人もいるかもしれないから苦し紛れに頑張るしかない。
今まで自分が執事のような黒とか地味な色ばっかのコーデしてたから気恥ずかしいんだよな。
主役になるのは恥ずかしい。
「本店で幸福の木が咲いたんだよ。」
「そういえばSちゃんも前に言ってましたね。」
「…毎年咲くんでしたっけ?」
「いや、毎年ではない。」
「…去年も咲いてましたね。」
「寿命なのかなぁ。子孫を残そうとしてる?」
「ははは…」
「夜に行くと匂うんだよ。」
「え、臭うんですか?」
「いや、不快な臭いではないけど笑」
「良い香りってこと?」
「良い香りってわけでもないけど夜は匂うけど不快ではない」
「昼間は匂わないんですかね。」
「昼間は人の出入りがあるしドアも開いてるから匂わないけど夜はこもってるから匂うんだと思う」
「本当は良い香りなんじゃない?」
「濃度が濃すぎると花って匂うけど、本当は良い香りなんじゃないかな」
「………。」
(無言ヤメレ)
「まあ花にとっては人間が嗅ごうがかがまいがどっちでもいいと思うけど。大事なのは虫だし。」
「ははは。」
ワシも花の香り嗅いでみたい。嗅ぐことはできないのでささやかな抵抗した。あと良い香りと言い換えさせたい感情が働いた。
以前は、ご褒美感覚で手を握らせていた。
それがいつしか当たり前になって、こちらから要求するようになったんだ。
以前は、ご褒美だったんだよ。
触っても触らなくてもどちらでもいいけど、最初のころは正直セクハラじゃね?って思ってた。
あの感覚。
全然好きではなかった頃の。
正直一緒にいても全然面白くない。全然話さないし。なのにボーッとしながらいつまでも会話を待つ。これ、苦痛だよな。しかも、こちらが何かを言っても返事を返さないときが多々ある。ムカつきますよ。なおいっそう沈黙してしまう
バスで自分だけ挨拶してくれない、
そんなように感じ出勤するのでそりゃ職場での挨拶もやる気のない声になってしまうわけで。
感謝の気持ちはあるんだけどさ、こちらから挨拶するのが恥ずかしいのよね。
それが態度悪い客に印象が変わってるのか…そもそも運転席って降りる通路より一段高くなってるし、運転手さんの顔なんてなおさら見れないのよね、なんか偉い人なような気がしてさ。