話題:どうでもいい話

いつぶりの日記だろう。随分書いていなかった。

7月に就職活動を終えた。4ヶ月間、出口のない就活に随分苦しんだ。地方の中小企業。業種は商社から内定がでた。英語は実際に話したこともないし、パスポートすら持っていない私が、なぜ商社に。謎である。だけど、まあなんとかなるでしょう。



この夏、精神科に行った。
過去の過ちばかりが、何度も何度も頭の中を駆け巡り、何も出来なくなった。人に会えば、つまらない自分、可愛くない自分、恥ずかしい自分が露呈してしまう。人に会うのがひどく怖くて、玄関の扉は自分を守る砦のように思えた。
自分で常に自分にナイフを突きつけているような感覚だった。身動きの取れない心が、弾力を失っていった。
それから、今までどんな風に生きていたのか分からなくなった。眠り方も分からなくなって、目を閉じると、自分を攻める声が聞こえた。謝る自分。許さない自分。何もかもリズムが狂っていて、服を着たままお風呂に入っていた。気づけば泣いていた。
不器用な自分。空回りばかりの自分。頑張ることがバカらしかった。要領よくほどほどにこなす友人を見て、何度羨ましいと思ったか。授業を終えて友人と別れれば、きっと私のことをバカにしている気がして、いつも背中が熱かった。女性らしいしなやかさのない後ろ姿を、ますます恥じた。

思い返せば、私はいつも誰かに謝っていた。
アルバイトでは、ミスが目立った。グラスを割ったり、オーダーを間違えたり。誰でも起こすような間違いだけれど、たった1度でもそれはわたしを萎縮させた。周囲が許しても、私だけは絶対に私のミスを許さなかった。また、過去の過ちにリストが増えていく。成功や喜びにはなかなか気付きにくいものだ。
夜、眠れない。朝方、新聞配達が階段を登る足音、鳥のさえずりを聞いて、ようやく眠ることができた。昼間、太陽が出ている時間に、私は何もできない。生産性のあることは、何もできない。人目をひどく気にしながら、肩を内側に入れて、できるだけ小さくなってコンビニに行く。スナック菓子を大量に買い、1日中それを食べる。その繰り返しだった。化粧を滅多にしないその肌は、マスクの布が擦れて、いつも乾燥していた。
こんなはずじゃなかった。自分はこんなもんじゃない。鏡を見て、私が私だと思い知らされることは、とても怖くて悔しかった。いつからこうなったのか、自問を続けていた。

その頃、SNSを全てやめた。人の思いを覗くこと、私の弱みをこれ見よがしに他人に見せてしまうことは、とても低俗なことに思えた。
1人で生きていこうと思った。結局、女同士は馴れ合いの生き物だ。空気を読まない女は嫌われる。私は昔から、相手の痒いところに手が届く女だった。狭いコミュニティの中で、周りを排除しながら、地位を高めていった。弱い者にも手を差し伸べる素振りをしつつ、1番弱いのは私だった。
それでも、あの頃の私に比べたら、今の私の方がずっとずっと好きだ。楽しいかどうかは別にして、今の私の方が好きだ。好きでないものに無理に合わせない。意見の食い違いもまた、恐れることはなくなった。
ただ、低俗という言葉を覚えてしまった。とても差別的な感覚を知ってしまった。怖い。ガンのように、黒ずんでこびりついたその感覚は、これから益々大きくなるような心地がしている。もともと、白黒の決めつけが激しい私である。知識を得ることで、またそのカラーの区別が厳しくなる。他人の善悪を、自分の物差しで裁くようになって仕舞えば、そんな嫌な人間はいない。その兆しがあるにも関わらず、友人は変わらず友人でいてくれる。本来、私の友人はあまり陰口を好まない女が多い。サッパリしている。だからきっと、人の後ろ指を指すようなことはしない。それでも私の歪みが、友人に投影されてそうされているような、いわばただの被害妄想である。
この歪みきった私を、なぜそう好いてくれるのか、分からない。人に求められること、好かれることを望んでいるのに、実際にそれが起きると、逃げ出したくなった。こんな私です、ごめんなさい。と頭を下げたくなった。いっそ会わない方が良いと思い、今年の夏はすべての誘いを断った。最低だ。私は何もかも最低だ。


それでも、また連絡をくれる友人がいる。どうにかこうにか工夫をして、連絡をくれた。私はある種、友人を試していた側面もないわけではないと気付いた。傷ついたふりをして友人を引きつけ、手を差し伸べてくれるのは一体誰なのか。それを試していたのかもしれない。益々最低だ。



わたしはズルい人間だ。ズルい女だ。
それを人様に分かっていただき、そしてそう認めて、あらゆる失態を見逃していただきたい。その一心で自分を殺しにかかっていた。それに尽きます。

幸い、私は人に恵まれている。良いも悪いも別にして、頭の良く、かつ人間くさい人間が周囲にたくさんいる。今回もまた、その方々に助けられました。10日分の睡眠導入剤をもらい、2.3日に1度飲みつつ、2週間ほどでまた学校に顔を見せられるようになった。腫れ物のように扱う人は1人もいなかった。そこには感謝したい。
まだ完治ではないけれど、夜は眠れるようになった。そのことだけでも寿命が伸びた気がする。今日も寝ます。おやすみなさい。