スポンサーサイト



この広告は30日以上更新がないブログに表示されます。

拗らせすぎた少女

話題:突発的文章・物語・詩


市場価値に商品価値
欲望の眼差しは少女を人形へと変えた
「こいつは高く売れる」
人形は頬を赤らめた

店主は値段を釣り上げて
決して人形を売らなかった
「この時代に新品の綺麗な人形なんて、そうそう買えねえぜ?」
人形は手垢が付いていない自分を誇りに思った

ある日、ひとりの青年が人形に魅入った
店主の隙を付いて人形を盗んだ
人形は泣いて震えた
自分の価値がなくなってしまうから

青年は人形を大切に扱った
世界でひとつだけの宝物
人形を愛でたけれど
愛を知らない人形は泣きじゃくるばかり
(わたしに触れないで…)

「世界にただひとつ」

それだけで価値はあるのに

愛されるために生まれてきたことを忘れてしまった人形
そして、少女を拗らせすぎてしまった哀れな人形


(私から価値を奪わないで…)




少女を拗らせすぎた哀れな女の子
前の記事へ 次の記事へ
カレンダー
<< 2014年11月 >>
1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30
アーカイブ