僕は何を
しているんだ


掬えもしないものに
一生懸命手を伸ばして


ひとつ、

また一つと

ヒラヒラと

手をすり抜けて行く




誰も振り向かない


こんなに
叫んでいるのに


誰も
立ち止まって


助けてはくれない



あぁ…
そうか、
言葉が通じないんだ


僕は、異端者

ミンナと違う


掬おうとした
それに
顔を写して初めて


自分の姿を見る



あぁ、
こんなに醜い


どうして気づかなかったんだろう


誰も近付くわけがない


化け物って

こういうものをいうんだね



僕は諦めて

目を閉じる


そして、
瞳から落ちる何かを
手で拭って


朽ちていく


僕の中は
真っ黒な闇に蝕まれ

飲み込まれていく


サヨウナラ
怪物



意識が途切れる前に
僕が見たのは鋭い
銀色の光



やっと、
来てくれたのに


僕は何も返せない



サヨウナラ、
僕のトモダチ



僕が
バケモノじゃ
なくなったら


また一緒に
遊んでね



そしたら
僕はきっと


キミみたいに綺麗に
笑うよ



そしたら
君の一番にさせてよね。




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