「今日は美化委員の仕事で少し遅くなってしまったな。最近、屋上庭園に謎の植物が植えられていたり、一日に何度も水をあげた形跡があったりと不思議なことが多いし。こういうことはきちんとしておかないとね。充実した会議だったけど、早く部活に行かないと。委員会に入っていないレギュラーは仁王にブン太、それに赤也だけだから、さぼったりお菓子を食べたりしていないか少々心配だ。しっかりやっているだろうか?」
「うん、まじめにやっているようだね。さすがは我が立海テニス部、どんな時も死角はない!!…ていうか、部員たち何だか気合いが入ってるって言うか、纏まってるって言うか…」
「そこ、動きが悪いぜよ!!」
「ん、俺がいる!?…いやいや、まさかまさか、そんなことあるわけないじゃないか!!冷静になれ精市。でも…っ悪霊退散!!」
「〜〜♪おや、幸村君ではありませんか。あなたも委員会の帰りですか?私も風紀委員会が終わって部室に向かうところです。今日は身だしなみについての会議だったんですよ。おや、顔色が優れませんね?どうかなさいましたか?」
「柳生。ちょっと苦労かけるんだけど、君は芥川竜之介の二つの手紙、あるいは歯車を読んだことがあるかい?」
「ええ、確か小学校に上がる前に両方読みましたが、どちらもドッペルゲンガーに関する作品ですね。」
「そう!!君はドッペルゲンガーについてどう思う?非化学的だと思うかい?苦労をかけると思うかい!?」
「それはまた唐突な質問ですねぇ…ああ、わかりました。安心して下さい幸村君。あれは仁王君のイリュージョンですよ。先日『幸村のカツラを購入したんじゃが、手強いぜよ』と言っていましたが、なかなか見事ですねぇ。流石は仁王君です、まるで本物のようではありませんか。」
「へぇ〜」
「ペテン師のイリュージョン〜、雅治は俺だぜ〜♪」
「仁王君仁王君、はいストップストップ。」
「プリッ。ん?何じゃ柳生、おぉ幸村もおったんか。委員会の方はもうええんかの?」
「よぅ、ではありませんよ。全くあなたという人は。」
「ピヨ。」
「それにしても驚いたよ、まさか俺にまでなるなんて。全く、恐ろしい男だね。でも練習中はあんまり俺になると苦労かかるよ。」
「すまんすまん。さっきまでは柳生になりすましてレーザービームを打っとったんじゃが、ちょっと神の子にチャレンジしてみようかと思っての。」
「全く、あなたにはハラハラさせられっぱなしですよ。最近は私の紳士的なナンバー、レーザービームもカバーしていますし。」
「とか何とか言いながら、案外嬉しかったじゃろ?」
「ふふ、あれはすごく柳生らしい歌だよね。それに、聴いていると楽しい気分になるよ。」
「あ、あ、ありがとうございます。幸村君にそう言って頂けるなんて、光栄です。」
「ははん、紳士とか言いながらこいつの方がよっぽどペテン師ぜよ。今度は俺の曲でもカバーしてペテンぶりを知らしめたらどうじゃ?」
「ちょっとちょっと人聞きの悪い。だいたいあの曲の最後はアデューだからこそ締まるのですよ。プリにすり替えてしまうなんて、私のジェントリズムに反します!!」
「何じゃそりゃ。」
「でも他のみんなが歌っても楽しそうな曲だよね。最後の台詞はそれぞれの個性が出て面白そうだな。真田なら…」
「たるんどる。」
「たるんどる!!」
「って言うだろうし、丸井なら…」
「シクヨロ☆」
「シクヨロ〜」
「かなぁ。柳やジャッカルや赤也はいったい何て言うだろう?」
「……」
「……」
「まぁでもうちでレーザーを打つのは柳生と仁王だけだし、他のメンバーが歌うことはないかな。」
「そういう幸村は何て言うんじゃ?」
「そうですよ。」
「そうだなぁ。うーん、いざ自分のこととなるとなかなか難しいね。苦労をかける。」
「じゃあ俺たちが考えてやるぜよ。」
「そうですね。」
「二人ともありがとう。苦労をかける。」
「ああ、こんなのは如何でしょうか?病を克服したあなただからこその座右の銘、きっと皆感動するのではないでしょうか。♪ざーざざざざざーざざん、冬の寒きを経ざれば春の暖かきをしらず」
「長っ!!」
「長い?」
「ボツ。」
「ボツ…」
「うん、感謝の気持ちは伝わりそうだね。君たちには本当に苦労をかけた。でもちょっとノリが悪い気がするな。」
「じゃあノリ重視でソフトな日常バージョンってのはどうじゃ?♪レーザービーム、yoyoガーデニングはどうだい?水は一日4回。花が咲いたら万歳Heyじょじょじょ常勝立海Yeahじょじょじょ…」
「ちょっとちょっとあなたの方がよっぽど長いですし、なんだか不出来なラップのようではありませんか。」
「そうだね。それにしても一日4回の水やりは多すぎるよ。ん?ちょっと待って仁王。」
「待ちたまえ仁王君。」
「もしかして屋上庭園に謎の植物を植えたり、無駄に水や苦労をかけているのは君なのかい!?そのせいで育てている花の調子が悪くて、さっき委員会でも苦労をかけてきたんだ。」
「仁王君まさか!!」
「(うーんまずいナリ、墓穴を掘ったか)あ〜いやいやいや気のせいじゃろう。」
「仁王、俺のこと二度もだまそうなんて甘いよ。」
「まずは日常からと思ったんじゃが、ガーデニングは俺の趣味じゃないらしい。」
「花は生きているんだからね!?微妙な加減が大切で、毎日様子を見ながら、苦労をかけながら愛情を持って世話しないとダメなんだ!!あ〜ぁ、テニス部の中に犯人がいたなんてとても委員会に報告できないよ。」
「すまん、苦労をかける。」
「全く、君は全く自分革命出来ていないな。よし決めた、俺もレーザービームを歌う。」
『えぇ〜!!!』
「どうしてそう言う話になるのでしょうか。」
「流石は神の子、思考回路が読めん…」
「だってその様子だと柳生も、仁王が俺の日常生活をコピーしてたの知ってたんだろう?」
「ドキッ!!」
「同罪だよ。コートに自分の姿を見つけた時は本当に驚いたんだからね。俺も精市のイリュージョンで驚かせたい。もちろん、二人とも瞬きさえも許さないから覚悟しといて。いや…覚悟したまえ!!」
『あ〜れ〜』
「なーんて、本当はただ面白そうだからなんだけどね。ありふれた日常、あり得ない展開。うん、今日も平和で幸せだ。それにしても最後の決め台詞いったい何にしよう?苦労をかけるなぁ。」
何となく載せてみたvv
ゆっきーアルバムの寸劇(^^)
今更だけどねぇ〜★