話題:デザート
それは私が小学高学年の頃。
私に引っ越してきて初めての友達が出来た。
キッカケは、彼女がイジメられていたのを私が庇ったことだった。
まあ、そんなことをすれば、また私もイジメられる羽目になるのは分かっていたが、私はソレがどうしても許せなくて。それにイジメられ慣れしてるから、今更ねぇ。
というわけで、彼女の家で勉強するというのを理由に、両親から外出許可をもらい、私は彼女の家へと赴いた。

彼女の家は、とても綺麗で現代風の立派な家だった。
彼女にとっても私は初めての友達らしく、とても緊張していたのを覚えてる。
そして予定通り勉強会。
お互いに分からないところを補完しつつ進めていく。
ある程度進んだところで、彼女のお母さんが『一息して、コレでも食べて』と、なにやら持ってきた。
見たことない白い食べ物。
『ありがとうございます。いただきます』と言い、添えつけのスプーンで掬って一口。
なにコレ?食べたことない味。冷たい。でも美味しい!
私は彼女に、『コレ食べたことない。なんていう食べ物?』と問いかけた。
彼女は『ヨーグルトだよ』と教えてくれた。
私は、その味の虜になった。
友達の家に行くというのも、ほぼ初めての経験で、綺麗な家に優しげなお母さん、更にデザートまで出してくれるなんて、なんて裕福なご家庭なんだろうと憧れたりもした。
そして改めて決心したのだ。
私が彼女をイジメから守っていく!ってね。
別にヨーグルトに魅入られたからじゃないよ。こんなご家庭の娘さんがイジメに遭うなんて間違ってる!って思ったんだ。
私はいい。私は。
両親からもイジメられてたからね(苦笑)

あっ別にイジメられてもいいと思っている人がいるわけではないからね。
基本的には因果応報でもない限り、イジメられていい人間などいないと思ってます。