Twitterのアンケートで決めていただいたお題でリハビリ小説です。
久しぶりで長い話が書けませんでした!!
フォルの独白小説でどシリアスです。
最近わりとギャグ落ちしやすい本編のラスボスではあるのですが…
こう言う狂気じみた独白させるの楽しいです←
では追加からどうぞ!!
君と僕とは生まれた時から正反対の存在だ。
僕が闇で、君は光。
僕は黒で君は白。
そう、何もかもが正反対だった。
あぁ、よく似ているのは容貌だけだと以前、君の仲間たちに言われたな。
確かに容貌だけはよく似ている。
亜麻色の髪も、サファイア色の瞳も。
いっそ、僕が悪魔の魔術に手を出したときに全て変わってしまったら面白かったかもしれないけれど……
この体を流れる血は間違いなく生まれ持ったそれ……天使のそれだからなのか、見た目が変わることは一度だってなかった。
まぁ、変身術は苦手じゃないし、やろうと思えばできる。
だから少しだけ考えはしたさ。
いっそ、可愛い僕の部下たちみたいに黒髪になったら……なんて。
似合わない、って腹心が非常に複雑そうな顔をしていたから自分からすることはしないけど。
まぁそんな、見た目だけよく似た"妹"は、出来損ないの僕とは正反対でよくできた天使だ。
品行方正で優しく、仲間思いで。
明るく……はないけれど、決して根暗なわけでもない。
ほんの少し不器用で、素直じゃないところがあるだけで、でもそれさえも長所になってしまうような可愛い可愛い子だ。
なんで敵である存在なのに褒めちぎってるからって?
それは僕があの子のことを" "だからだよ。
そう、だからこそ。
僕はあの子を泣かせたい。
幼い頃、僕の策略であの子の義両親(おや)を、村の仲間を殺した時のように。
あの顔は、声は、なんとも心地の良いものだったから。
陰ったものを壊すのは簡単だ。
なんなら、こちら側へ引き摺り込むことだってできる。
でもそうしないのは……
そうとも。
適当に丸めた泥団子を叩き壊すより、精巧に作られたガラス細工を叩き壊す方が楽しいし、美しいだろう?
ただ、それだけのこと。
あの子は美しい。
敵であることを理解してなお褒めたくなるほど、美しく、尊い存在だ。
僕が触れれば文字通り命取りになるような存在。
だからこそ、僕はそれを壊したい。
泣き叫ぶ君の姿を、すぐ側で見たいと思うんだ。
もう二度と何も失いたくないと強さを求め、その強さを手に入れた君。
あの日のように簡単に泣かせることはできないかもしれないけれど、だからこそ燃える、ってもんだろう?
……ああ、でも。
きっと、それは簡単なことではないだろうなぁ、とも思う。
だってさ。
君は神様に愛されている。
簡単に壊させてくれやしないだろう。
神様に愛されている君。
だから何もかもが反対の僕は神様に嫌われているんだろう。
それならきっと、僕の計画は簡単ではないはずだ。
……何?
可哀想だ、って?
おかしなことを言うね?
それを嘆いたことはないさ。
そもそも、"カミサマ"なんて信じていないのだから。
もっと言うなら、その"カミサマ"とやらに愛されるのは、本当に幸せなことなのかな?
……まあいいや。
あの子が神様に愛されていると言うなら、神様に嫌われている僕があの子を壊す甲斐があるだろう。
そんな日を楽しみにして僕は笑う。
ああ、本当に。
楽しみだなあ。
ーー 何もかもが反対の… ー
(そうとも。
全てが反対だからこそ抱く、これは確かに愛情だ)
(だって僕以外が君を壊す想像をしたら、それだけで気がおかしくなってしまいそうだもの!!)