西さんとメイアンのお話です。
ほほえましい二人のはなしか来たくて。
あと、乗馬してるのもいいかなぁと←
*attention*
西さんとメイアンのお話です
ほのぼのなお話です
メイアンがいなくなると不安そうにしてる西さんならかわいい
そしてメイアンはたまにちょっとずれてる
二人で乗馬とかもかわいいなと
相変わらずの妄想クオリティ
ナハトさん、本当にすみませんでした!
以上がOKというかたは追記からどうぞ!
朝日が、顔に当たる。
カーテンをちゃんと閉めていなかったのか。
そう思いながら小さく呻いて、西は目を開けた。
やはり、薄くカーテンが開いている。
昨日の夜、ちゃんと閉めたつもりだったのだけれど……
そう思いながらごろりと寝返りをうって……一瞬で、目が覚めた。
ばっと、飛び起きる。
そして周囲を見渡した。
いない。
メイアンが、いなかった。
「メイアン……?」
掠れた声で彼の名前を紡ぐ。
しかしその言葉に返事は返ってこない。
その状況に、胸が締め付けられる感覚を覚えた。
いなくなった。
また、いなくなったのか。
そう思うのと同時。
がちゃりとドアが開いた。
「あら、竹一。目が覚めたの?」
聞き慣れた声。
そちらに視線を向ければ、見慣れた金髪の彼の姿があった。
部屋に入ってきた彼……メイアンは西の顔を見てきょとんとした。
それから、そっと彼の方へ歩み寄って、そっと彼を抱き締める。
「どうしたの、竹一」
怖い夢でも見た?
そんな、少しずれた問いかけをするメイアン。
西はそんな彼の言葉に"ちげぇよ"と呟く。
「あら、じゃあどうしたの?」
少し困ったような声をあげるメイアン。
西はそれを聞いて小さく息を吐き出すと、顔をあげて……がぶ、とメイアンの首筋を噛んだ。
「痛ぁっ、何するのよ?!」
唐突な恋人の行動に、メイアンは悲鳴をあげる。
すぐ近くで聞こえた高い声での抗議に西は安堵する。
よかった、彼はここにいる。
「っちょっと、竹一、なんのつもりなのよ……」
「いきなりいなくなるお前が悪い」
西はそうとだけ言うと、軽くメイアンの胸元に頭突きした。
離せ、と言うように。
それを聞いてメイアンは瞬きをする。
それから、ふぅと息を吐き出して、いった。
「……不可抗力だといっているのに」
どうやら、この前のことを言われたと思っているらしい。
西は恨みがましげな視線を向けた。
今彼が言いたかったのは、今目が覚めたときに彼がいなかったことだ。
あんなことがあったのだから自分が目を覚ますまで傍にいるのが道理だろう。
西のそんな思考は、メイアンにも伝わったのだろう。
彼はふわりと微笑んで、"ごめんなさいね"といいながら、西の頭を撫でた。
「ちょっと早く目が覚めてしまったから、シャワーを浴びてきたのよ。
部屋で浴びたら竹一を起こしちゃうかな、と思って集団浴場にいってきたの」
今の時間なら誰もいないし。
メイアンはそういった。
なるほど、彼がいなかった理由はわかった。
そう思いながら西は溜め息をひとつ。
「……それならそうとメモのひとつでも残しとけよな」
恨みがましげにそういうと、西はメイアンから離れた。
そしてぐっと伸びをする。
朝からなんだか酷くつかれた。
そう思いながら息を吐き出せば、メイアンもふふっと笑う。
「ごめんなさい、今度からそうするわ?」
メイアンもそう言ってベッドから降りる。
カーテンをしゃっと開けながら、気持ち良さそうに目を細めた。
「いい天気ねぇ……」
気持ち良さそうにそう呟くメイアン。
射し込んでくる朝日に照らされて、彼の長い金髪がきらきらと煌めく。
西はそれを見ながら目を細めて、"そうだな"といった。
「竹一、今日の予定は?」
メイアンはそういって、西の方を見る。
西は少し考えてから、答えた。
「ん、特には……ない、かな。
俺が手伝いにいった方が良さそうな任務があればいくし、そうじゃなかったらウラヌスと散歩にでもいくかな」
「あら、いいわね。ご一緒してもいいかしら?」
「おー……って、え?」
西は普通に返事をしかけて、思わず声をあげる。
今、彼はなんといった?
「一緒に、って……馬に乗って、か?」
そう問いかける西。
メイアンは彼の反応に唇を尖らせる。
「何よぉ、私だって馬くらい乗れるわよ?」
失礼ねぇ、といいながら笑うメイアン。
西はそれを聞いてふっと笑った。
「どうだか……俺とウラヌスについてこれるか?」
からかうように西は言う。
メイアンはむぅっと唇を尖らせながら、いった。
「追い付けるはずがないでしょう?待っていてちょうだいよ」
そう言って溜め息を吐き出すメイアン。
彼は、あまり運動神経がよろしくない。
走るのは馬でも、その指示を出すのは人間……基、メイアンである。
そんな彼が指示を出せばどうなるか、なんて簡単に予想がついた。
とはいえ、だ。
西だって、メイアンをおいていくつもりはない。
久しぶりに二人で出掛けられるのだ。
一緒にいたいに決まっている。
しかし、如何せんそれを正直に伝えられない西。
彼はぷいとそっぽを向くと、呟くような声でいった。
「はぁ……あんまり遅かったらおいてくぞ」
ウラヌスにもストレスだから、と西は言う。
メイアンはそれを聞いて嬉しそうに笑ってうなずいたのだった。
***
それから二人は準備をして外に出た。
西は愛馬であるウラヌスに、メイアンも騎士団に管理されている馬に跨がる。
「ちゃんとついてこいよ?」
西はメイアンに言う。
メイアンはそれを聞いて、苦笑混じりに頷いた。
「お手柔らかに、ね?」
あまり飛ばしたら嫌よ、とメイアン。
西はわかってる、というようにうなずくと、ウラヌスに軽く鞭を当てた。
ひとつ嘶き、走り出すウラヌス。
メイアンもそれを見て、慌てて馬に鞭を当てた。
走り始める、二頭の馬。
黒と白の対比。
それは美しく、見事なものだ。
メイアンも、鈍いとはいっていたがそれなりについてきている。
無論西とウラヌスはかなり手加減をして走ってはいるが、それにちゃんとついてきていた。
西は時折メイアンの方を振り向いた。
また彼がいなくなってはいないかと。
先日の出来事は、軽くトラウマになっていた。
どうしてメイアンがいなくなってしまったのかも、どうして帰ってこられたのかも、不明なのだ。
メイアン自身も詳細は話してくれない。
もしかしたら、また。
そんな思いから、西はしばしばメイアンの活動の様子を観察するようになっていたのだった。
馬を駆けさせて、たどり着いたのは小高い丘。
そこで二人は馬を降りて、自由にしてやる。
馬たちは乾いた下草に混じる草を食み始めていた。
「かわいいわねぇ……」
メイアンはそう呟いて、目を細める。
西も大切な愛馬にブラシをかけてやりながら、微笑んだ。
「最近こうして連れ出してやることも出来なかったからな」
そう呟いて微笑む西を見て、メイアンはふっと息を吐いた。
そして彼の頭を撫でながら、言う。
「私だって久しぶりのお出掛けなんだけど?」
ウラヌスの方が上なの?
そう問いかけるメイアン。
西はそれを聞いて、唇を尖らせた。
「お前は馬と同列でいいのかよ」
「あら、竹一にとっては同一でしょう?
これでもウラヌスに嫉妬してるのよ?」
そういって、メイアンはクスクスと笑った。
西はそれを聞いて"アホか"といいつつも、ちらとメイアンを見る。
ほんのすこしだけ寂しそうにしているメイアン。
その姿を見て小さく息を吐き出した西は、メイアンの手をとった。
「……ほら、早くいくぞ」
俺たちも飯にしよう。
西はそう言い出す。
それを聞いて一瞬驚いたように目を見開いたメイアンだったが、やがて直ぐに嬉しそうな顔を浮かべた。
「ふふ、そうね。私たちもお弁当にしましょうか」
私が用意したのよ、とメイアンは言う。
それを聞いて西は目を細めながら、"そりゃあいいや"と笑ったのだった。
―― 手を伸ばせば届くような ――
(そんな位置に、いつだっていてほしい。
一度姿が消えてしまったから、そう思う気持ちは強くなって)
(そっけなく振る舞うくせに私の姿が見えないと不安そうな顔をして。
そんな彼が愛しくて仕方ないの)