大佐殿とアネットからの赤髪金髪コラボのお話です。
大佐殿と実戦訓練するアネットを書きたくて…←
そのあとのライニさんとのやり取りも好きです←
*attention*
大佐殿とアネットのお話です
そののち赤髪金髪コラボのお話
ほのぼのなお話です
戦闘ネタなお話
大佐殿はかっこいい←おい
アネットは隙だらけなのです
ライニさんをびっくりさせるアネットを書きたくて…←
相変わらずの妄想クオリティ
ナハトさん、本当にすみませんでした…!
以上がOKという方は追記からどうぞ!
暖かな陽射しと冷たい風。
冬のけはいが次第に薄れ始めた、そんな時期……――
「久しぶりっすよねぇ、シュタウフェンベルクさんと戦闘すんの!」
そういってはしゃいだ笑みを浮かべる、赤髪の少年……アネット。
彼の前に立っている隻眼の少年、シュタウフェンベルクは彼の言葉にふわりと微笑んだ。
「確かに、そうだな……」
以前はよく戦闘訓練をしていた二人。
最近は互いに仕事が忙しかったりしてこうして戦闘訓練をすることは、あまりなくなっていた。
今日はアネットもシュタウフェンベルクも任務も訓練もなく暇。
アネットが"久しぶりに戦闘訓練しましょうよ!"と声をかけてきたことにより、こうして二人で中庭に出てきたのだった。
「久しぶりだからって手加減無用っすからね!」
アネットはそう笑いながら、剣を抜く。
彼の剣も魔術で保護してある。
一応相手も騎士なわけだし、アネットも怪我させない程度に戦うつもりではあるけれど、万が一ということがある。
そのため、そうして一応保護の魔術をかけるのだった。
やる気満々のアネット。
彼の姿を見てシュタウフェンベルクは小さく笑みを浮かべる。
そして空間移動術で彼の武器であるマスケットを出した。
「わかった。
アネットも、本気でかかってきて構わない」
そういいながらマスケットを構える彼。
そのまま彼は笑みを浮かべて、アネットに向かって一発銃弾を撃ちだす。
アネットはそれを躱しながら、剣をシュタウフェンベルクの方に向かってふるった。
銃弾を撃ちだし終えたマスケットでシュタウフェンベルクはそれに応戦する。
金属がぶつかるその音に鋭い金属音が響いた。
「っ、いってぇ……」
顔を顰めるアネット。
シュタウフェンベルクはそんな彼を見て笑みを浮かべる。
そして、さらに複数のマスケットを呼び出す。
空中に大量に浮かぶマスケットを見て、彼は驚いた顔をした。
「げ、マジかよ……」
そう呟きながらアネットは一度シュタウフェンベルクから距離をとる。
近距離攻撃しかできない彼と、遠距離攻撃がメインのシュタウフェンベルク。
分があるのはおそらく彼の方だ。
一旦離れて、隙を窺った方が良いだろう。
素早く身を躱しながらシュタウフェンベルクの方を見る。
彼は再びアネットにマスケットを向けていた。
それを見て顔を歪めつつ、アネットはすばやく間合いを詰める。
シュタウフェンベルクはすばやく身を躱す。
そして、アネットに向けたマスケットを思い切り撃ちだす。
アネットはひらりと身を躱しながら、剣でシュタウフェンベルクに斬りかかった。
繰り返し、追撃と退散を繰り返す。
吹き抜ける風がアネットの赤髪を、シュタウフェンベルクの黒髪を揺らした。
靡く、シュタウフェンベルクの片袖。
それを邪魔とすることもなく、シュタウフェンベルクは戦い続ける。
―― 一旦離れるか……
そう思いながら、アネットは一度身を躱す。
シュタウフェンベルクから距離をとりながら、一息吐いた。
アネットは剣を構え直しながらシュタウフェンベルクの方を見る。
そして驚いた顔をした。
先程まで彼がいたはずの場所に彼の姿がなかったのだ。
「え……っ?!」
アネットが困惑した声を上げるのと、同時。
「敵から目を離すのは危険だぞ」
すぐ近くで聞こえた声。
それに驚いて振り向くのと同時、胸に何かが突き付けられる感覚。
「な……!?」
アネットがぎょっとして声を上げるのと、同時……――
鋭く、銃声が響いた。
アネットは思わず目を閉じる。
痛みを覚悟した。
ある程度の手加減はしていると思うけれど、魔力程度なら……
痛みはあるかもしれない、と。
しかし……
痛みや熱さは、感じない。
「これが実戦なら死んでいたぞ」
聞こえたシュタウフェンベルクの声に、目を開ける。
彼はふっと苦笑を浮かべると、自分のマスケットでアネットの胸を小突いた。
「ほら」
そういわれて、アネットは視線を下に移していく。
そして彼は驚きの声を上げた。
「なんだこれ?!」
「ペイント弾だ。
流石に実弾を使ったり、魔力を使うわけにはいかないからな」
そういって彼は苦笑する。
彼の言葉を聞いて幾度か瞬きをした後、彼は言った。
「うわぁ……悔しい」
悔しそうに顔を歪めるアネット。
そんな彼を見て、シュタウフェンベルクは小さく笑った。
「まだまだだな……
こんな調子じゃまた怪我をするぞ」
シュタウフェンベルクはそういう。
アネットが任務に行くたびに怪我をして帰ってくるのは、シュタウフェンベルクもよくわかっている。
だからこそ、そんなことを言ったのだった。
アネットは彼の言葉にむすっとした顔をする。
そして再び剣を構え直した。
「っもういっちょ!」
「望むところだ」
シュタウフェンベルクはアネットの言葉に小さく笑みを浮かべると彼から距離をとる。
そして再びアネットとの戦闘訓練を始めたのだった。
***
そんな、夕方……
金髪の少年……ハイドリヒはひとり、自室で本を読んでいた。
今日は任務もないし、穏やかな時間を過ごしている。
と、その時。
「たでーまぁ……」
聞こえた声。
ドアが開く音。
それを聞いて彼は溜息を吐き出す。
「アネットさんノックしてからと……」
そういいながらハイドリヒはふり向く。
そして、驚いた顔をした。
そこに立っていたのは、何やらドロドロの人物。
驚いて動揺した顔をしたが……すぐに気づく。
「あ、アネットさんでしたか……野犬かと思いました」
ふぅ、と息を吐き出すハイドリヒ。
そこにいる人物……アネットはむくれた顔をした。
「野犬って……酷いぞ」
むくれるアネット。
彼の白い制服はドロドロに汚れている。
それは、土埃とシュタウフェンベルクに浴びせられたペイント弾の所為だった。
結局あの後も負け続けた。
隙をつかれてはペイント弾を浴びせられ、の繰り返しである。
その事情を説明すると、ハイドリヒは苦笑を漏らした。
"馬鹿ですねぇ"と呟くと、彼はバスルームを示しながら、言った。
「早くシャワーを浴びて着替えてきなさい。
そんな恰好でうろうろしてたら不審人物として狙撃されますよ」
そんな彼の言葉。
それを聞いて、アネットはむぅ、と唇を尖らせる。
「酷い言いぐさ……まぁ、事実だけどな。
とりあえず、シャワー浴びて着替えるよぅ」
アネットはそう呟く。
髪もどろどろだから早く浴びないと、と彼は言う。
ハイドリヒはそのままバスルームに向かうアネットを見送った後、"あの人、服持ってきてないですよね"と呟く。
―― まったく世話の焼ける。
ハイドリヒはそう思いながら彼の上着をとろうと、アネットの部屋に向かったのだった。
―― Fighting! ――
(そう、これはある種の実戦訓練。
自分の弱みが示されてしまって悔しいやらありがたいやら)
(まだまだ弱さが目立つ彼。
もっと強くならないと、もっと隙を失くさないと!)