シュタウフェンベルク兄弟&ヘフテンさん(まだ出てないけどシュヴァイツァーさんクヴィルンハイムさんも)の話です。
ほのぼのなお話ですね。
ペルは泳ぎが苦手なので←
*attention*
シュタウフェンベルク四兄弟メインのお話です
ヘフテンさん、名前だけだけどシュヴァイツァーさんクヴィルンハイムさんも
本家Laurentia!(学パロ)設定のお話です
ほのぼのなお話です
泳ぐ練習するペルにゃ
ベルトルトお兄さんにくっつくペル
もう少し続きを書きたい←
相変わらずの妄想クオリティ
ナハトさん、本当にすみませんでした…!
以上がOKという方は追記からどうぞ!
それは、とある夜のこと……――
「泳げない?」
驚きの声を上げる、一番上の兄……ベルトルト。
彼が見ているのは可愛らしい長い黒髪の少年……ペル。
ペルはこっくりと頷いた。
「うん……僕、水泳、苦手……」
そういう彼。
しょぼんとした表情で彼が椅子に腰かけているのには、理由があった。
それは、今日の放課後のこと。
配られたプリント。
そこに書いてあるのは、寒中水泳のお知らせ。
寒中水泳とはいっても、学校のプールではなく、近場の室内プールでの水泳なのだけれど……
ペルがそれを握りしめたまま固まっていたのだった。
そこで、なんでそんな顔をしているのかベルトルトが訊ねたところ……
結果、ペルが泳げないことを白状したのだった。
「小さいとき、溺れた……怖くて水、嫌い」
そういうペル。
彼とベルトルトの会話を聞いて、アレクサンダーが言った。
「そうなのか……水泳の授業は?」
今までどうしていたんだ?
アレクサンダーは彼にそう問いかける。
ペルは少し考えた顔をした後、言った。
「……見学したり、頑張ったり」
そうしてたよ、とペルはいう。
ベルトルトはそれを聞いて、幾度か瞬きをすると、言った。
「そっか。ちゃんと泳げるようになりたい?」
そう訊ねるベルトルトにペルは幾度か瞬きをする。
それからこっくりと頷いて、いった。
「……うん」
どうせなら泳げるようになりたい。
夏になったら海に行ってみようか、なんて話もしていたし……
そういうペルを見てベルトルトは小さく微笑んで、言った。
「じゃ、今度の週末特訓だね。
彼処の温水プールなら、クラウスも一緒に行けるし……」
そう呟くベルトルト。
プールには実はあまり行ったことがない。
その理由は、一つ。
クラウスの、体のことだ。
事故で片腕、片目を失ったクラウス。
そんな彼が堂々と肌、体を晒すような場所には行けない。
だから、そういった場所で遊ぶとしたら、その施設を貸し切るしかないのだった。
「兄さんたちと、一緒……」
ペルは表情を明るくする。
ベルトルトはそんな彼を見てにっこりとほほ笑みながら、言った。
「シュヴァイツァーもいくし、……そうだ、ヘフテン君も誘おうか。
クラウス、連絡できる?」
「あぁ、聞いておく」
クラウスもうなずいて携帯を手に取る。
彼のクラスメイト、友人であるヘフテンも連れていくらしい。
どうせならメルツも誘う、といっている彼の姿を見て、ペルは嬉しそうに口に手を当てて、呟く。
「ヘフテンもメルツも……楽しみ……」
兄たちの友人であるクヴィルンハイムとも親しいペル。
大好きな人達と遊べるというのが彼には楽しみなようだった。
***
そんなこんなで週末。
ペルたちは近くの施設を貸し切って、プールに来ていた。
水着をきて、中に入ってきたペルはベルトルトと一緒にプールサイドにいた。
「じゃ、先ずはちょっと水に顔をつけてみようか」
そういって小さな洗面器に入れた水を差しだす。
ペルはそこに顔を付けようとしたが……
「……怖い」
ペルがぷいとそっぽを向いてしまう。
明らかに怯えた顔をしているペル。
「うーん……どうしようかな」
ベルトルトは少し困った顔をする。
それと同時。
ペルの顔にびゅっと水が飛んできた。
「わっ?!」
ペルは驚きの表情を浮かべる。
そんな彼は慌てて視線をその水が飛んできた方を向く。
ベルトルトもそっちを見て大きく目を見開いた。
「ちょっと、アレクサンダー?!」
そこにいたのは、アレクサンダー。
ペルに向けて、水鉄砲を構えている。
「水が怖くて顔つけられないならこうすればいいだろ?」
「わっ、ぷ……」
更に水が飛んでくる。
それを浴びてペルは慌てて顔を拭った。
びしょびしょになる顔。
ペルは、小さく呟く。
「びしょびしょ……でも水、平気……」
……どうやら、慣れたらしい。
そんな彼を見て、ベルトルトは小さく笑う。
「結果オーライかな?
じゃあ、プール入ってみようか……
ちゃんと僕が支えてるから大丈夫だよ、ぺル」
そういいながら、ベルトルトはプールに入る。
ペルも緊張した表情でそちらへ足を進めて、水の中に足を付ける。
「う、うん……」
頑張って水に入ろうとするペル。
ばしゃん、と身体が沈んだタイミングでペルは小さく悲鳴を上げて、ベルトルトにすがった。
「ひ……っ」
「頑張れペル!」
プールサイドでアレクサンダーも応援する。
しかしペルは完全に硬直。
ベルトルトは苦笑しつつ彼を支えていた。
「ぺルさん、見てみて」
聞こえた声。
それを聞いて、ペルは視線をそちらへ向ける。
そこにはヘフテンがいた。
明るい笑顔を浮かべて、自分が抱えているおもちゃを見せる。
「ほら、イルカですよー、こういうおもちゃもあるんです」
彼が抱えているのはイルカの形のフロート。
それを見てペルはぱっと顔を輝かせる。
「可愛い……」
そう呟く彼を見て、ベルトルトは微笑む。
そして自分にしがみついている彼を少し離しながら、言った。
「ぺルも泳げるようになったら貸してもらえばいいよ。
欲しかったら、また買ってあげる」
そういうベルトルトにペルはぱっと顔を輝かせる。
そしてやや興奮したように訊ねた。
「!ほんと?」
「うん。さ、頑張って?」
ね?と笑うベルトルト。
ペルはその言葉に頷くと、少しベルトルトから離れようとした。
「うん……!」
精一杯頑張ろうとするペル。
その体を支えてやりながら、ベルトルトは一緒に泳ぐ練習を続けていたのだった。
―― Practice to… ――
(苦手なことも、大好きなお兄ちゃんと一緒なら大丈夫。
精一杯頑張るから、手伝ってね)
(一生懸命頑張る弟。
それを一番近くで応援してあげたいと思うのは当然でしょう?)