赤髪金髪コラボのお話です。
喧嘩ネタ仲直り後のお話をやってみたくて…
普段クールな方がちょっと甘えん坊だったら可愛いなという妄想でした←おい
*attention*
赤髪金髪コラボのお話です
本家Laurentia!設定でのお話です
ほのぼのなお話です
喧嘩ネタの後のお話です
学校をサボったあと一緒に過ごす二人…的な
寝起きで少しぼんやりしてるライニさんを書いてみたくて…←
アネットはほっとくとライニさんを襲いそうな気がします(笑)
相変わらずの妄想クオリティ
ナハトさん、本当にすみませんでした!
以上がOKという方は追記からどうぞ!
静かな、自分の寝室。
そのベッドの上。
そこには、赤髪の少年と金髪の少年が寝転んでいた。
まだ日は高い。
本来ならば学校にいっている時間だ。
しかし彼ら……アネットとハイドリヒは、学校をサボって此処にいるのだった。
此処はアネットの自室。
両親ともに朝早くに仕事に出ていく彼の家が一番落ち着く、サボり場所だったのだ。
喧嘩をして、暫し会話をできなかった彼ら。
どうにか仲直り出来たのだけれど、ハイドリヒが体調を崩していたのだ。
というのも、アネットとの喧嘩が原因で寝不足だからという。
アネットはそれを聞いて、彼をつれ回すのではなくて、
こうして自分の部屋につれてきて、休ませようと思ったのだった。
いたって普通のシングルベッドは男二人で寝るには狭い。
この部屋の主であるアネットは彼がゆっくり休めるようにと、
自分はベッドから降りているからといったのだけれど、
ハイドリヒが遠回しに傍にいるようにいったのだ。
―― いる場所、ないでしょう……?
彼の言う通り、アネットの部屋は広いとは言えないし、
座れる場所はといえば彼の勉強机の椅子くらいなものだ。
しかし、別に居場所がないということもない。
けれど、ハイドリヒは離れようとしたアネットの服を掴み、
いかなくていい、などといってのけたのである。
その甘えるような様子に一瞬くらりとしたアネットだったが、
下手に手を出して彼をこれ以上疲れさせるのは感心できない。
そのままキスでもしそうなのをこらえた。
そして"狭くてごめんな"と言いつつ、横になったハイドリヒの隣に、
アネットも一緒に寝転んでいるのである。
寝不足だったという彼はすぐに眠りに落ちた。
落ち着いて眠る彼の表情は穏やかで、それを見つめたアネットはふっと笑った。
「かわいいなぁ、ラインハルト……」
静かに眠る彼。
穏やかな寝顔。
それは可愛らしいと思うけれど……
こうしてすぐに眠りに落ちてしまうほど彼が疲れていたこと、
その原因が自分であることを思うと、少し申し訳ない気分にもなる。
喧嘩の原因は互いの嫉妬。
好きであるが故喧嘩になった。
だから、離れて、すれ違っていた時間は寂しくて、
それを埋めるかのように一緒にいることを望んだのだ。
でも、少し喉が乾いた。
暑いし、ハイドリヒも目が覚めたら何かのみたいだろう。
アネットはそう思いつつ、ベッドから降りようとしたのだが……
「ん……?」
ベッドから降りようとしたアネットの服を、白い手が掴んでいる。
無論それはハイドリヒの手だ。
「あ、悪い、起こした?」
アネットは彼に問いかける。
幾ら疲れて眠っているとはいえ、隣にいた人間が動けば目も覚めるだろう。
そう思ったのだけれど……
ぼんやりとした様子のハイドリヒ。
まだ、寝ぼけているようだった。
「ラインハルト?」
アネットが小さく名を呼ぶと、ハイドリヒはアネットの服をつかむ手に力を込め、
小さく首をかしげ、ややぼんやりとした声で訊ねた。
「何処に、行くんですか……?」
そう問いかける声は若干不安げ。
まるで子供のようなその声に、アネットは少し体を強張らせた。
―― ヤベェ、可愛い。
アネットはぼんやりとした様子の恋人を見て、そう思った。
寝ぼけたような表情。
自分の服を掴む華奢な手。
不安そうな声色。
それはあまりに頼りなさげで、可愛らしかったのだ。
アネットはそんな彼を見つめると、ぎゅうっと彼を抱き締めた。
その衝撃で、ハイドリヒも目が覚めたらしい。
驚いたように大きく目を見開く。
「わ……っ、アネット、さ……」
「あー、もう無理、可愛い」
アネットはそういうと同時、一度彼を抱き締めた腕を緩めて、
薄く開いた彼の唇を塞いだ。
「んっ……」
「んぅ……っ、はぁ……」
長いキス。
それから解放された寝起きのハイドリヒは戸惑いの表情だ。
「あ……は、ぁ……アネット、さん?何……」
「ラインハルト、お前意外と寂しがりな……」
アネットは再びハイドリヒを抱き締めながらそんなことをいった。
そんな彼の言葉にハイドリヒはまばたきをする。
「な、に……」
「だって、ラインハルト……今の寝ぼけてたんだろうけどさぁ……」
それにしたってかわいすぎる。
アネットはそういいつつ、ぎゅっとハイドリヒを抱き締める。
自分が寝ぼけながらどんな発言をしたのか、ハイドリヒは覚えにない。
しかし、自分を抱き締めるアネットの腕をほどこうとはしなかった。
喧嘩した所為で暫し離れたままになっていた二人。
一時は冷たく突き放されもした。
そんな彼がこうして抱き締めてくれるのは、嬉しいし安心する。
「……ラインハルト、もうちょい寝た方がいいんじゃね?」
具合悪いのなおった?
アネットはハイドリヒにそう問いかける。
ハイドリヒは幾度かまばたきをすると、こっくりと頷いた。
「えぇ……本当に、ちょっと寝不足だっただけなので」
「ごめんな。ラインハルトにきつい思いさせてさ」
アネットはそういいながら、優しくハイドリヒの頭を撫でる。
ハイドリヒは彼の言葉にゆっくりと首を振る。
大丈夫ですよ、という彼。
それを見て微笑むと、アネットはベッドから降りて伸びをした。
「ラインハルトも喉乾いただろ?
水とってくるから、此処で座って待ってて」
すぐ戻るから、といってアネットは軽くハイドリヒの頭を撫でて、部屋を出ていった。
ハイドリヒはそんな彼の背を見送ると小さく息を吐き出して、
再びころんとベッドの上に寝転がった。
「……散らかった部屋ですね」
目に映る光景に、ハイドリヒはそう呟く。
床に転がったサッカーボール。
積み重なっている雑誌。
無駄に綺麗な机の上は、全く勉強していない証拠だ。
彼らしい部屋。
それを見て、ハイドリヒはふっと表情を緩めた。
転がったベッド。
自分を抱き締める彼の腕と同じ匂いだ。
そんなことを考えている自分が恥ずかしいな、と思いつつ彼は目を閉じる。
疲れも気だるさもとれたけれど、この空間には安心する。
少し意識が微睡む。
と、ちょうどドアが開いた。
アネットは水入りグラスの乗ったトレーを持ってきている。
「あれ、ラインハルト。やっぱまだ眠い?」
「え……あ、いえ、大丈夫です……」
そういいつつハイドリヒは体を起こす。
アネットはそんな彼を見て小さく笑うと、トレーを机の上においた。
そしてそのままベッドの上に座って、ハイドリヒに再びキスをする。
「眠いんなら寝てていいんだぞ?」
「いえ、別に眠い訳では……」
ハイドリヒは呟くような声でそういう。
アネットは彼を見て笑うと、"そっか"といった。
そしてそのまま彼の頭を撫でて、言う。
「無理はすんなよ?
あと……さっきみたいに中途半端に寝てたりするのは勘弁して」
彼の言葉にハイドリヒはきょとんとした。
そして首をかしげつつ、訊ねる。
「何で、ですか?」
彼の問いかけにアネットはガーネットの瞳を細める。
そしてそっとハイドリヒの耳元に口を寄せ、いった。
「襲いたくなるから」
「っ、冗談……」
擽ったそうに首を竦める彼を見て、アネットは声をたてて笑う。
そしてぽんぽんと彼の頭を撫でつつ、いった。
「ラインハルトに無理はさせねぇよ。
でも、あんまり無防備にしてると本当になるかも……」
―― 俺今ラインハルト不足だから。
そんなことを言うアネットを見て、ハイドリヒは少し頬を赤くする。
彼はぷいとそっぽを向きながら、"馬鹿"と呟いたのだった。
―― 不足しているものは… ――
(眠りより何より、貴方の存在が不足しているから
一緒にいられなかった分、今一緒にいさせて……?)
(思いの外寂しがりで可愛い俺の恋人。
あまり無防備な姿は晒さないでほしいな…)