赤髪金髪コラボで喧嘩ネタなお話です。カナリスさんもちらっと…
ほのぼのや甘いのも好きですがシリアスも楽しいです←おい
*attention*
赤髪金髪コラボでのお話です♪
本家Laurentia!設定でのお話です
シリアスなお話です
喧嘩ネタなお話です。
ラストでカナリスさんも…
カナリスさんのとこにいくライニさんを書きたかった←
アネットはカッとなるとおさえ利かない子です…
もしかしたら仲直りな話とかやりたい、かも…←おい
相変わらずの妄想クオリティ
ナハトさん、本当にすみませんでした…!
以上がOKというかたは追記からどうぞ!
散らかった、自分の部屋。
床に散らばるサッカー雑誌や漫画。
やたら綺麗な机の上にはほぼ新品の教科書だけが並んでいる。
そんな部屋のベッドの上……
赤髪の少年、アネットは一人寝転がって、考え事をしていた。
頭に浮かぶのは、金髪の少年の姿。
いつもならばまだ一緒にいる時間帯だ。
しかし今日は、もう家に帰ってきてしまっている。
というのも……
彼らは珍しく、喧嘩をしてしまったのだった。
原因は些細なこと。
主には、嫉妬だ。
アネットが部活の仲間と仲良さそうに何かしてたとか、
そういうラインハルトも他の奴と仲良く喋ってただろ、何て言う具合。
普段滅多に喧嘩などしない二人だが、一度喧嘩すると、拗れやすい。
ハイドリヒはともかく、アネットがかっとなりやすいタチのため、
収まりがつかなくなってしまうのだ。
―― もう知らん!勝手にしろ!
そんな捨て台詞を吐いて彼と別れた放課後。
彼はそのまま、こうして家に戻ってきたのだけれど……
落ち着いてから考えれば、自分の行動には後悔するしかない。
何であんなことをいってしまったのだろう。
もっと落ち着いて、返せば良かっただけなのに。
ハイドリヒが咎めたのは、自分の後輩とじゃれていただけ。
彼女と遊びにいきたいのだが何処がいいだろうと言う相談をされて、
あそこは楽しいんじゃないか、あっちでああしたらどうかと、
そういう話をしていただけなのだが……
どうやらそれが、遊びに行く約束をしているように見えたらしい。
部活の後輩であることはわかっている。
彼らが遊びに行くことがあるであろうことも想像出来ていたはずだ。
でも、やはり恋人がそうして楽しそうに他の友人と遊びに行く約束をしていたら、
ほんの少し気が悪いのも納得と言えば納得だ。
でもそれは誤解だ。
そういったのだが、アネットもハイドリヒが交流授業できたとき、
他の生徒と親しく話していたのを見て拗ねていたために、言葉がきつくなり、
結果喧嘩と言う形になってしまったのだった。
「……ラインハルトも、もう帰ったかな……」
アネットは時計を見ながらそう呟く。
普通に家に帰ったとしたら、もう家についている頃だ。
ハイドリヒの最寄り駅はアネットの最寄り駅の幾つか向こう。
いこうと思えば今からでも行ける場所だ。
アネットは暫し悩むように固まった後、体を起こした。
そして財布と定期入れだけをズボンのポケットに突っ込み、家を出る。
"お兄ちゃん何処行くの?"と言う妹の声には出掛けてくるとだけいって。
喧嘩したままは、嫌だった。
それに、今までの経験上……恐らく、ハイドリヒも同じように思っている。
それならば、明日の朝まで引きずるよりも、
今日のうちに謝って仲直りしておきたい。
そうおもいながらアネットは電車に揺られる。
幾つかの駅を越えた後、電車を飛び降りて駆け出した。
ハイドリヒの家の場所はよく知っている。
何度も何度も訪ねたから。
帰っているならそのままあってごめんと言えばいい。
帰っていないなら待っていればいい。
そうおもいながら走ってたどり着いた、彼の家……
暫し呼吸を整えてから、アネットはチャイムを鳴らした。
「……あれ?」
なかから人は出てこない。
まだ、帰っていないのだろうか?
それとも出てきたくない?
もう一度チャイムを鳴らそうとしたとき、ドアが開いた。
ぱっと顔を輝かせかけたアネットだったが、すぐに気づく。
ドアを開けて出てきたのは、彼……ハイドリヒの双子の弟である、ジークフリート。
「あれ、アネットさん……」
少し驚いたような顔をする彼。
アネットは幾度か瞬きをすると、いった。
「え、っと……ラインハルトは?」
いない?とアネットが問いかけると、ジークフリートも驚いたように瞬きをする。
そして視線を隣の家に移しながら、いった。
「兄さんは、お隣にいったけど……」
「え?」
「今日は早いね、っていったらそのままお隣に行くから、て。
たぶん泊まるっていってたんだけど……」
もしかして喧嘩でもした?
そんなジークフリートの言葉は聞こえていなかった。
「……そ、っか」
アネットは小さく呟くような声を漏らすとジークフリートに言う。
「さんきゅ、俺帰るわ」
そういったアネットは笑っていた。
しかしその笑みは何処か強張ったようなもので……
ジークフリートが呼び止めるより先、アネットは家から離れていった。
その時ちらと振り向いたのは、ハイドリヒがいるであろう彼の家の隣家……
彼の旧友であるカナリスの家。
まだカーテンが閉まっていなかったために、遠目にだが、室内が見えた。
ハイドリヒとカナリスとが二人で一緒いる姿。
それを見て、アネットは拳を握りしめる。
「……れじゃなくても、いいんじゃん……」
―― 俺じゃなくてもいいんじゃん。
アネットは思わず、そう呟いていた。
彼を傷つけ、勝手にしろといったのは確かに自分だ。
しかし、こうして自分以外の誰かと一緒にいるのは……見たくなかった。
アネットは無理矢理そこから視線をそらすと、駆け出す。
もう振り向くことなく走っていくアネット。
彼の財布についていたサッカーボールのマスコットが外れて、落ちた。
***
―― 一方。
ハイドリヒはジークフリートもいった通り、カナリスの家にいた。
アネットと喧嘩別れした後、帰ってきた彼は、そのままカナリスの家にいった。
昔から、ハイドリヒがカナリスの家に遊びにいくことは多々あったし、
そのまま彼の家に泊まっていくこともあった。
しかし今日は、少し様子が違っている。
ただ遊びに来て泊まった、という風ではなかった。
此処に来たときから様子がおかしかったハイドリヒ。
カナリスはそんな彼にどうしたのかと、事情をきいた。
そして、理解した。
彼がアネットと喧嘩したこと。
ちょっとしたヤキモチが原因だということ。
謝るような余裕もないまま喧嘩別れしてしまったこと。
……謝りたいとは思ったが、その方方がわからなくなったこと。
「なるほど……それで、僕のところに……」
来たというわけですね、とカナリスは言う。
ハイドリヒはこっくりと頷いた。
彼は、何か困ったことや落ち込んだことがあると、カナリスのところに来る。
アネットと親しくなってからはその回数も減ったが、
落ち込んでいる原因が彼自身とあっては、どうにもなるまい。
「喧嘩なんて、ほとんどしたこと無いですし……」
どうしたらいいのか、と呟くようにいうハイドリヒ。
彼にしては珍しく、本気で困っているらしい。
容姿端麗。
頭脳明晰。
運動も勉強も完璧、容姿も整っている。
天は人に二物を与えない何て言うが、彼は一体幾つのものを与えられているのやら。
ただ、おしむらくは……
彼は、対人関係にはとことん不器用なのだ。
それゆえ、友人も少なかった。
必然喧嘩なんてする機会はなかったし、仲直りしたいと思う相手なんていなかった。
だから今、途方にくれているのだろう。
「とりあえず、電話でもしてみたらどうですか?
普段の貴方と彼の様子を見ている限り、
アネットさんも謝ろうとすると思うのですけれど」
普段見ている限り、アネットはハイドリヒと喧嘩したままではいられないはずだ。
無論、ハイドリヒもアネットに惚れているのだけれど、
どちらかと言えば寂しがり屋なのはアネットの方のはず。
だから、きっかけさえやればどうにかなるだろうと、そう思った。
しかし。
「……出ません、ね」
電話を掛けてみたハイドリヒはそう呟く。
繋がらない、出ない、という彼。
カナリスは予想外の事態に瞬きをする。
「え、本当ですか?」
「コールは聞こえるのですが……」
聞こえていないのか、はたまた……わざと無視しているか。
後者の可能性を、ハイドリヒも想定できているのだろう。
表情が、強張っている。
もう一度かけよう。
そう思った、その時。
「あ……メール?」
届いたのは、一通のメール。
差出人は、アネットだった。
やはり彼も、謝ろうと思っていたのだろうか。
それにほっとしつつ開いたハイドリヒは、思わず固まった。
『電話しなくていい。かけてきてもでないから。
俺じゃなくても良いならそういってくれりゃいいのに。
カナリスさんのとこのがいいんなら、ずっとそこにいればいい。
俺は邪魔しないからごゆっくり』
そんな、そっけない文面。
怒っていることは、まず明らかだった。
そして、こうしてカナリスのところへいったことが余計に状況を悪化させたことも。
「どうしたんですか、ライニ?」
メール画面を見ていないカナリスは彼に問いかける。
ハイドリヒは、"どうしましょう"と呟いた。
「アネットさんを……本気で、怒らせてしまったかも、しれません」
震える声でそういうハイドリヒ。
彼にしては珍しく動揺した声色だ。
カナリスは彼の言葉に驚いて、アネットからのメールを読んだ。
そして事態を把握する。
嗚呼。
なんと、タイミングの悪いことか。
おそらく彼は、謝りに来たのだろう。
でも恋人は、"他人"の家にいて……
カナリスがハイドリヒの旧友であることはアネットもよく知っている。
しかし彼にとって事実は変わらない。
"大切な恋人が他の男の家にいる"という事態は。
拗れた状況。
これを打開するにはどうしたらいいだろう?
カナリスはそれに悩みつつ、
恋人に嫌われてしまったかもしれないと固まっているハイドリヒを、慰める。
空はすっかり闇色に染まっていた。
―― すれ違う心 ――
(彼のことを嫌いになれるはずがなかった
だからこんなに傷ついたんだよ……)
(そっけない文面。冷たい言葉。
貴方が本気で怒り、傷ついたんだと知っている…)