赤髪金髪コラボのお話しです。
ライニさんが少し猫背気味だったら可愛いな、という話を…(笑)
シリアスな二人も好きですがこう言うほのぼのも素敵だと思います(^q^)
*attention*
赤髪金髪コラボのお話しです
本家Laurentia!(学パロ)設定でのお話しです
ほのぼのなお話です
実は少し身長差がある二人
ライニさんが少し猫背気味だったら可愛いな、と…
アネットはこう言う思考回路の持ち主です(笑)
何だかんだで二人で仲良く話せたら良いなと…←
相変わらずの妄想クオリティ
ナハトさん、本当にすみませんでした…!
以上がOKというかたは追記からどうぞ!
強い夏の日差しが降り注ぐ、午後。
楽しそうに笑いながら小学生たちがプールバッグを振り回して走っていく。
日陰を選んで歩いていく、金髪の少年……ハイドリヒ。
その隣を楽しそうに笑いながら歩くのは、アネットだ。
今日は久しぶりに二人で出掛ける約束をして、こうして出てきたのだった。
「放課後に一緒に帰るのでも十分楽しいけどさ、
やっぱりこうやって一緒に出掛けられるんのが一番だよな!」
アネットははしゃいだようにそういう。
いつも学校がある時には待ち合わせをして一緒に帰っている二人。
それだってとても楽しい時間ではあるのだけれど、
やはりこうして二人だけで出掛ける時間というのは嬉しいものだ。
そんなアネットの言葉にハイドリヒはこくりと頷いた。
そうですね、と呟くようにいった声は小さかったが、
彼の思いもアネットと同じだった。
アネットはハイドリヒにとって、唯一といって良いくらいの安心できる場所。
普通の恋人同士がするように自分から手を繋ぎにいったり、
まして抱きついたりキスしたり何てことは出来ないけれど……
ハイドリヒもちゃんとアネットのことが好きで、大切に思っている。
と、そんなとき。
ふと何か思い付いたようにアネットが足を止めた。
ハイドリヒも首を傾げつつ足を止める。
「?どうかしましたか」
何か忘れ物でも?と彼は問いかける。
忘れ物といっても、今日は普通に遊びに出掛けるだけなのだから、
たいしたものは必要ない。
いったいどうしたというのだろう?
ハイドリヒがそう思いながら訊ねると、アネットはじっとハイドリヒを見つめた。
そんな彼のガーネットの瞳をハイドリヒも見つめ返す。
すると、アネットはいった。
「ラインハルトさ、ちょっとちゃんと気を付けってしてみ?」
こうして、といってアネットはピシッと気を付けの姿勢をとった。
それを見てハイドリヒは蒼の瞳を瞬かせる。
「え?なんですか、いきなり……」
どうしてそんなことを?と怪訝そうな顔をしているハイドリヒ。
アネットはそれを見て頬を膨らませつつ、いった。
「良いからやってって、ほら!」
アネットに促されるまま、ハイドリヒはきちっと立ってみる。
なんだか、身体測定みたいだ、と思った。
……もっとも、体質が体質だからあまりありがたいものではないのだけれど。
そうしてハイドリヒが立つと、アネットが背中合わせにたった。
いよいよ背比べみたいだとハイドリヒは思う。
暫しそうしていた後、アネットはハイドリヒから離れた。
そして小さく唸りつつ、いう。
「うー、やっぱりラインハルトの方がでかいよなぁ……」
あぁ、なるほど。
ハイドリヒはそう思った。
どうやらアネットは自分とどちらが背が高いのか比べたかったらしい。
「私の方が高いといってもそんなに大きな差ではないでしょう」
ハイドリヒがそういうと、アネットは不服そうに唇を尖らせる。
そして小さく溜め息を吐き出しつつ、いった。
「だって普段隣歩いてると俺の方がちょっと高いかなって思うんだもん。
ラインハルト、お前ちょっと姿勢悪いだろ?」
悪いっつーか猫背?とアネットはいう。
ハイドリヒはその指摘に幾度かまばたきした。
その指摘は、もっともで。
確かにハイドリヒはほんの少し、猫背気味だった。
そうはいっても元々背が高いハイドリヒだし、
周囲はあまり気にかけなかったけれど。
いつも隣を歩いているアネットには、それが気になったらしい。
「ダメだぞあんまり猫背だと、腰に負担かけるんだからな」
体に悪いんだぞ、とアネットはいう。
そうは言われても、とハイドリヒは少しだけ困ったような顔をした。
「癖ですから、ね」
「その癖直すの!ほら!」
まっすぐまっすぐ、とアネットはいう。
別にそう出来ない訳ではないけれど、と思いつつハイドリヒは歩いていく。
そうしていると、再びアネットが足を止めた。
「今度はどうしたんですか、アネットさん……」
ハイドリヒは彼の方へ首をかしげて見せる。
アネットは何やら難しい顔をして唸っていた。
なんだろう。
猫背にならないように気を付けて歩いていたつもりなのだが、
まだなにか気にくわないところでもあったのだろうか……
そう思っていると。
アネットががばっと抱きついてきた。
ハイドリヒは青い目を大きく見開く。
「な……っ」
家で、百歩譲って誰もいない学校でやられるならまだいい。
しかしここは路上だ。
いきなり何をするんですか、とハイドリヒは顔を真っ赤にして暴れる。
しかしアネットの腕の力は強い。
簡単に外れないことはハイドリヒが誰よりよく知っていた。
「これだと抱き締めてるっていうより抱きついてる、だよなぁ……」
アネットはそんなことを呟く。
それを聞いてハイドリヒは何度もまばたきをした。
―― あぁ、なるほど。
漸く、本当の意味が見えた。
彼が、アネットが足を止めた理由。
普段、ハイドリヒが少し猫背気味で歩いているときは、二人の身長差はほぼない。
けれど、こうしてハイドリヒがまっすぐに歩いていくと、
やはりアネットよりもハイドリヒの方が若干背が高くなる。
その時にこうしてぎゅっと抱きついてみれば……
それはアネットがハイドリヒを"抱き締めている"というよりは、
アネットがハイドリヒに"抱きついている"といった形になる。
「……別に、良いでしょう……」
どちらでも、とハイドリヒはアネットにいう。
しかしアネットは頑固に首を振った。
「やだ!俺がラインハルトを抱き締めてたいんだ!」
「何が違うんですか……」
そのハイドリヒの言葉にアネットはうっと言葉につまった。
……正直、違いは説明できないらしい。
「ニュアンスの問題だよ!
抱き締めて、守ってる体でいたい」
そんな彼の言葉にハイドリヒは大きく目を見開いた。
"守りたい"なんて……彼に出会うまであまり言われたことがない言葉だったから。
彼は、優しい。
彼は、力強い。
だから、もうすでに十分守られていると、そう思う。
そんなことを考えている間に、アネットは再びハイドリヒを抱き締めた。
アネットはハイドリヒの肩に顔を埋めつつ、いった。
「俺がもっとデカくなればいいのか……」
そうすりゃ早いよな。
アネットはハイドリヒを抱き締めながらそう呟く。
そんな彼の言葉にハイドリヒはふっと苦笑を漏らした。
全く、この人は相変わらずに訳のわからない思考をしている。
「ほらアネットさん、いきましょう……
別に急ぎの用事ではありませんけれど」
ハイドリヒはアネットにそう促す。
映画をみたりする約束をしている訳ではないから時間に焦りはないけれど、
こんなところで突っ立っているのではなく出掛けよう、と。
アネットはそれを聞くとハイドリヒの体を離した。
そして、にっと笑いながらいう。
「それもそうだな……いつか、ラインハルトの背を抜いてやるからな!」
みてろよ!と笑うアネット。
ハイドリヒははいはい、と軽く受け流す。
別に彼の背が自分より高かろうと低かろうと関係ない。
彼は、自分にとって安らげる場所で。
きっと彼にとって自分は守りたい存在で。
それは、身長がどうであれ変わらないのだろうから。
そんなことを考えた自分が照れ臭くて、ハイドリヒの頬が赤く染まる。
アネットはそんな彼に気がついて不思議そうに首をかしげた。
「どうかしたか、ラインハルト?」
「どうもしませんよ!」
ほらいきますよ、とハイドリヒはアネットの手首をつかんで歩き出す。
無意識の行動だった。
アネットは彼の行動に驚いたように目を見開いた後、
嬉しそうに笑ってその手を握って歩き出したのだった。
―― 身長の差なんて ――
(きっと、関係はないのだろうけれど…
私より少し背が低い貴方と話すときには少し屈むくらいがちょうど良い)
(お前がそんなことをしなくてもいいように
俺がもう少し大きくなれたら良いんだけどなぁ)