ナハトさん宅のお子様たちのSSを書いてきてしまいました…!
本家の設定でほのぼの目なお話を、と…
コラボでやらせていただこうかなぁと思ったのですが、
どうにもゴタゴタしそうだったので、ナハトさん宅のお子様だけで…!
…またコラボCPで学パロ(ナハトさん宅の本家設定)もやらせていただきたい←こら
*attention*
・ヒトラーさん、クビツェクさん、ムッソリーニさん、スターリンさんのSS
・Laurentia!の設定でおはなし
・ほのぼのとしたある朝のひとコマ、という感じです
・なんだか皆さんキャラふわふわで済みません;;
・こんな一コマを近くで見ていたいです(おい)
・相変わらず妄想クオリティ
・ナハトさん、本当にすみませんでした…!
以上がOKと言う方は追記からどうぞ!
空は晴天。
風は穏やかで、心地良いもの。
夏の日差しは朝から強く、なかなか気温は高い。
そんな朝方のこと……
「くぁ……」
欠伸を咬み殺す黒髪の少年……ヒトラー。
まだやや眠いらしく、ごしごしと目をこする様はまるで子供のようだ。
それを見て、彼の親友……クビツェクは小さくわらった。
そのまま彼に言う。
「まだ眠そうだね、アドルフ」
彼の言葉にヒトラーはこくりと頷いた。
門をくぐりつつ、未だ眠そうに目をこすっている。
「ん……眩し」
ヒトラーはふぅっと息を吐いて、空を見上げた。
夏の日差しは朝でも眩い。
それを見て、ヒトラーは赤い瞳を細めた。
今日はいつもより少しだけ登校時間が早い。
分校を含め、他校との交流学習の日なのだ。
そうして少し早く起きたからか、朝に弱いヒトラーはかなり眠そうだ。
大丈夫?とクビツェクがヒトラーに訊ねようとしたときだった。
「ヒトラー!」
不意に背に飛びついてきた、衝撃。
ヒトラーは赤い瞳を大きく見開いた。
「……っ!?」
がばっと飛び掛って来た衝撃に、ヒトラーは一瞬バランスを崩した。
悲鳴をあげかけた彼はどうにかバランスを立て直して、
自分に飛びついてきた犯人の方を見た。
飛びついてきたのは金髪の少年。
太陽の光を反射してきらきら光る、美しい金髪。
人懐っこく笑っている彼の蒼い瞳が細められる。
ヒトラーの先輩に当たるムッソリーニだ。
やっと少し落ち着いたヒトラーは小さく溜息を吐いて、彼に言った。
「相変わらずだな……ムッソリーニ」
「なんだよー、元気ないな!」
「……私が元気がないんじゃなくて、お前が元気すぎるだけだろう」
ヒトラーは恨みがましげにムッソリーニを見る。
"そんなことねぇよー?"と苦笑しつつムッソリーニは言うが、
おそらくヒトラーの言うとおりだ。
ムッソリーニはいつも明るくて元気いっぱい。
ヒトラーもその明るさが嫌いではない、寧ろその明るさに救われる点もあるが、
今の……朝方の彼は如何せんテンションが低い。
そのため、現在の二人の反応の温度差が大きい。
とはいえ、この事態はほぼ日常茶飯事なのだろう。
その証にヒトラーも本気で怒っているというふうではないし、
何より彼らを見ているクビツェクは止めることもなく苦笑しているだけ。
「……グストルからも何か言ってくれ」
ヒトラーは見ているだけの親友にそう言う。
しかしクビツェクは小さく肩を竦めて"いつものことだろう?"と返した。
その通りだけど……と思いつつ、ヒトラーはもう一つ溜息を吐いた。
そんな様子のヒトラーたちを見て、ムッソリーニは苦笑する。
「もうすぐ分校や他校の奴らも来るだろー?
それなのにそんなテンションで良いのかー?」
「そんなもこんなも……お前程元気ではいられないだろう」
くぁ、ともう一つ欠伸を漏らすヒトラー。
おいおい、と溜息を吐くムッソリーニ。
その温度差に苦笑を浮かべるクビツェク。
どうにも不思議な空間が出来上がったところで……
「全く……相変わらず朝から騒がしい奴らなのだよ……」
溜息混じりのそんな声が聞こえてきた。
三人がそちらへ顔を向ければ、呆れた顔をした浅緑色の髪の少年の姿。
少しずれていた伊達眼鏡を軽く押し上げて、小さく息を吐いた。
「スターリン……」
そう、三人の前に立っているのはスターリン。
呆れの表情を向けている彼は、"一発でわかったのだよ"と苦笑した。
「奴ら、っていうよりは……」
クビツェクとヒトラーはムッソリーニの方を見る。
"騒がしい"のはお前(君)一人だろう、と言いたげな顔。
スターリンがひらひらと手を振りつつ、"あぁ、わかってるのだよ"と返すと、
ムッソリーニは一層顔を顰めた。
クビツェクはその空気を諌めようとするようにスターリンにいった。
小さく首をかしげながら。
「でも、早いね?」
「あぁ、生徒会(うんえい)は忙しいのだよ……
少し早くに来て準備するように言われててな」
スターリンがそう答えると、ヒトラーは納得した顔をして頷いた。
彼……スターリンは生徒会の書記を任されている。
生徒会はこの交流授業の実行に携わっている。
その準備の為に早く呼び出されたのだろう。
現に今彼は腕の中に書類の束を抱えている。
おそらく、今回の交流学習のための書類なのだろう。
ヒトラーはスターリンの方を見ながら、いった。
「大変だな……」
「もう慣れたのだよ」
スターリンはフッと笑って肩を竦めた。
そしてヒトラーたちを見ると、言った。
「とにかく、ムッソリーニも騒いでないで教室に帰るのだよ。
ヒトラーたちもいかないと、そろそろ分校のやつらも来るし、
放送も入ると思うから」
「おまえは帰らないのか?」
ヒトラーが問うと、スターリンは時計に目をやった。
少し考え込んでから息を吐いて"俺も帰るかな"と言った。
どうやら少し時間が余るらしい。
「じゃあまた放課後にな、グストル」
「うん、じゃあね」
教室が異なるクビツェク、ムッソリーニと分かれて、
ヒトラーとスターリンも教室へ向かう。
「ふあ……」
「くぁ……」
ヒトラーとスターリンは二人同時に小さく欠伸を漏らした。
それに気づくと二人は顔を見合わせて、笑う。
穏やかな一日が始まる予感を心に灯しながら。
―― One morning ――
(穏やかで温かい時間が流れる朝
仲間と交わすさりげなくてくだらない会話さえ楽しい)
2013-7-31 15:08