この本はわたしの心の本棚の中に仲間入りしました
静かでいて非常に激しい恋のはなし
ありえない...って思いながらもあまりに美しい
夢の中で生きてるような母親と
現実を生きようとする娘
互いに理解しあえなくても
大切に思いあう愛し合う母娘
きっと草子は幸せだったろうと思います
わずらわしくても、理解できなくても
自分の子供時代は幸福だったというでしょう
母娘の物語として読むと家族愛や
子供の自立の物語になり、
離れ離れになった恋人を待ち続ける物語として読むと
美しいが狂気的な危ういラブ・ストーリーになる
文体も非常に読みやすく、それでいて言葉選びがうまい
綺麗で優しい、透明な文章です
なんの抵抗もなくスッと心に入ってきます
読んだ後、ほっと息を吐いても
現実に戻ってこれない
戻りたくない、もう少し余韻に浸っていたい
そんな気持ちにさせてくれました