荻原規子さん!好きです...
今、RDGが売れてますね
しかし、こちらも名作です
高校生の時、学校の図書館で一気読みした思い出があります
そのときRDGはハードカバーで出始めた頃でした
懐かしい...
ううん、おもしろい
マズイ!どうすんだ!とか
ああ〜ツライ...とか一緒になって楽しめる
子供向けな部分も大いにあるだろうけど
いくつになっても心躍る冒険やロマンスのかけらが
たくさん詰まっています
おもしろいのが私たちが幼いころ寝物語に聞いた
童話が「異端」として抹消されていること
それは、なぜ?完全な創作世界でありながら
自分のよく知るものがキーとなっていることで
入りやすく、またその謎に俄然興味もわきますよ
この本はわたしの心の本棚の中に仲間入りしました
静かでいて非常に激しい恋のはなし
ありえない...って思いながらもあまりに美しい
夢の中で生きてるような母親と
現実を生きようとする娘
互いに理解しあえなくても
大切に思いあう愛し合う母娘
きっと草子は幸せだったろうと思います
わずらわしくても、理解できなくても
自分の子供時代は幸福だったというでしょう
母娘の物語として読むと家族愛や
子供の自立の物語になり、
離れ離れになった恋人を待ち続ける物語として読むと
美しいが狂気的な危ういラブ・ストーリーになる
文体も非常に読みやすく、それでいて言葉選びがうまい
綺麗で優しい、透明な文章です
なんの抵抗もなくスッと心に入ってきます
読んだ後、ほっと息を吐いても
現実に戻ってこれない
戻りたくない、もう少し余韻に浸っていたい
そんな気持ちにさせてくれました