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日本のCSR:今後のあり方

CSRは日本語で「企業の社会的責任」と呼ばれている。日本においてCSRということばは1970年代から使われており、その本質は、企業が持続可能な社会の実現と発展のために、さまざまなステークホルダーの要求に応じた活動をすることである。しかし諸外国と比較して日本のCSRは、地域社会に貢献するというよりも、企業イメージを向上させ企業自体の発展へつながる活動に偏っていると言われている。さらにヨーロッパにおいても、近年欧州委員会が方針を変更したことによってもともとCSRの推進を先導していた各国政府も方針を変更し、「社会」のためのCSRと「企業」のためのCSRが混同されているという。このような現状を問題視する声は多いが、イメージアップを目的としているとは言え企業の資金面や技術面の援助は享受する側にとっては大変ありがたいものであると思う。私は一度、アフラックペアレンツハウスという施設を見学したことがある。都市の病院で小児がんを治療するために、地方からやってきた子供の家族のための格安の宿泊施設で、アフラックの寄付によって運営されている。メセナやフィランソロピーとCSRは別のものであるから、線引きをする必要があるのかもしれないが、このようなCSRも社会にとって必要なものではないだろうか。

臓器移植法改正

臓器移植法の第六条において、生前に臓器移植の意思を書面で示していて遺族が拒まない場合には「脳死した者」を「死体」に含むとし、その臓器を提供できると定められている。この「臓器の提供意思」を表明するに際して、2010年7月までは、15歳以上の者の意思表明のみが有効であると規定されていたが、法改正によって本人の意思が不明な場合にも家族の同意のみによって臓器提供が可能になったため、15歳未満の子供の臓器提供も可能になった。この法改正が進められた裏側には「移植後進国」と呼ばれるような日本の臓器移植件数の伸び悩みの現状、また小さな子供が重病のために海外で移植を行うというケースが目立ってきたためである。
提供される側にとっては、今回の法改正は大変ありがたいものとなったことは間違いない。しかし、提供する側の家族にとって「脳死は人の死」と定義された今回の改正が良いものになるとは考えにくい。もし家族が脳死になった場合、これまでは本人の意思表明がない限り臓器提供者になる可能性が0だったのに対して、今後は家族に大きな負担がかかると考えられるからである。数名の命を救うことが出来るかもしれないと迫られれば、意図せぬ臓器提供が起きかねない。さらに親族に優先的に臓器を提供できるという改正点については、養子縁組の問題や臓器を提供するために自殺する者が出てくるかもしれないという懸念がある。
しかし私はここが改正の限界点になると考える。これ以上移植の障壁が取り払われるには世論の風当たりも強くなり難しいだろう。今後医療に期待するべきことは、移植に頼らずEPS細胞などの研究の発展であり、これ以上臓器移植に依存するべきではない。 
 

貿易自由化(TPP/FTA)

私は、貿易自由化は今の日本にとって負担が大きすぎるのではないかと考える。
消費者にとっては、商品の価格が下がり簡単に輸入品を手に入れられることになるが、国内の生産者にとっては、売上高も製品の価格の相場も下がることが予想され、大きな痛手になる。そうなれば、政府が生産者を経済的に補助する必要が出てくる。たとえば米の問題であるが、米の関税が完全に撤廃されたとしたら、現在行われている戸別所得補償が急激に拡大してしまう。その額は一兆円とも言われている。現在の日本にそのような財源があるとは考えにくい。欧州などでは貿易の自由化と国内農業の保護を両立するシステムがすでに出来ているが、日本が財源の問題をあとまわしにして貿易の自由化を推し進めるばかりだと、国内の産業を殺してしまうことになり、それはつまり、食料自給率のさらなる低下につながるのである。戸別所得補償のような補助金制度の対象には兼業農家にも多く含まれているなど問題とされる点もまだまだ多い。農協の猛反対をくらうことは必須であるが、まずはこのような制度の無駄を見直し、本来の目的である農業の保護につながる補償だけを徹底してから、自由化を検討すべきではないだろうか。

尖閣諸島問題

日本で起こった反中デモに対して、同じ日に中国ではその規模を遥かに上回る反日デモが行われた。日本料理店や大型デパートはデモ参加者による被害を受け、日本製品のボイコットが起きるなど、中国国民の反日感情の大きさを感じさせられた。そもそも中国では「中華人民共和国集会遊行示威法」という法律があり、許可なしにデモを行うことは違法である。このことからも中国政府は国民の反日活動を扇動しているかのように思われる。しかし、急成長を遂げ今や大きな力を持つ中国といえども、隣国であり大口の貿易相手国でもある日本と不仲になることが、利益になるはずがない。中国政府の本当の狙いは、反日教育によって国民の愛国心を育て、不満の矛先を日本に向けて内政に対する国民の注意をそらすことにあるのだ。それならば、実際に反日活動を扇動しているのは誰であるかということになるが、これは反体制・民主派の中国人組織のはたらきが大きいと言われている。中国政府はこの組織の狙い通り、国民感情の高まりに押されて、自国にとってマイナスになる可能性があると認識しながらも、日本に強気な態度を貫くしかなくなっているのではないかと思う。そして、先の尖閣諸島沖で起こった漁船衝突事故についての一連の問題で日本はこの思惑に踊らされている感がある。

日本にとっての尖閣諸島は、大切な石油資源の眠る領土である。が、現在の日本の技術力を持ってしても石油を掘り出すには莫大な費用がかかるため、開発にふみきれないでいる。日本と中国がwin-winの関係を築くためには、(日本の理想としては、日本が尖閣諸島を実質的に支配下におきつつ)中国が資金面で、日本が技術面で協力し合って共同開発をすすめるべきである。しかし、これは完全なる理想論であり、実際的には無理な話であろうと私は思う。
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