2010-11-1 17:06
涙の傷口
昔の事、大人が、誰かが俺に言った
「人の前で泣く事は恥じるべき事なんだよ」
小さく無知な自分はそれを信じて過ごし
いつも泣く時は誰にも“泣いた事”は悟られないように
ひっそり声も嗚咽も漏らさず静かに泣いた
誰かにに言われたその一言を
呪文のように繰り返し言うとおりにした
今でもその癖が今でもとれなくて、
大声を上げて泣きたいのに声は出ず
静かに泣く事しか出来なくなっていた
声を上げて泣けば、誰か、気づいてくれるのに
救いの手をさし伸ばしてくれるかもしれないのに
そんな事も出来ないなんてな
泣いてる時の、声の出し方さえも忘れてしまった
とでも言うのか
声なんて叫んで枯れてしまえ