prof:bkm:
30代/二次元/メンタル/お洒落
先生から恋愛についてお説教を受けた事&レス
10:47 2015/8/18
話題:恋愛

不登校児だった高校生の頃、野球部員から始まったいじめはたちまち学年全体へと広がって行きました。それでも放課後になれば演劇部へ顔を出さなければなりません。部活のルールは厳しく「私情の持ち込みは禁止」。何としてでもいじめの事は隠し通さなければならないと思いました。しかし日を追うごとにエスカレートしていくいじめの内容から、わたしのこころは野球部員が嫌い→男子生徒が嫌い→男の人は全部嫌いという方に変わっていったんですね。近付いてくる男性は全部敵だとすら錯覚し始め、演劇部を手伝いに来て下さっていた男子の先輩がスキンシップを計ろうとしてくると「触らないで下さい!」と本気で嫌がってしまって。瞬間シーンと変な空気になった事に気付き「……あはは、なーんちゃって」と誤魔化してはみるものの、上手く笑えなかったように思います。この人達は自分の事を攻撃しない良い人達なのだと何度となく言い聞かせましたが、その都度言いようのない苦しさに襲われて、冬を迎える頃にはこころと体がバラバラになったような感覚を覚えていました。

幸か不幸か高校演劇の大会を勝ち進め、県大会か……ブロック大会への出場が決まった頃だったでしょうか。その頃はいよいよ稽古指導も熱が入るようになり、学校から車で40分ほどの距離にある立派な公民館の舞台で夜間稽古をするようになっていました。規模は体育館くらいで調光室や音響機材も揃っている場所でした。わたしは芝居をしている時は役に入り込めるから良いのですが、休憩を挟むとふっと学校生活を思い出してしまい、ほとんど無意識の内に膝を抱えるようになっていました。もうその時期には学年の先生達もいじめを公認しているようなもので、「お前がチームに入ると他の女子が試合をしないって言うから」と体育を見学にさせられていたりしていましたから、ストレスは結構かかっていた気がします。機会があればまた別の記事にしますがわたしを庇ってくれた同学年の男の子にも野球部員のいじめのターゲットが向いてしまい、自分の存在が周囲を不幸にしているとしか思えませんでした。

後に付き合う事になる吃音症持ちのOBの先輩とは距離を縮め、ほとんど毎日二人で居るようになっていました。日を追うごとに好意は増しその人と話していると辛い気持ちが和らぐのです。けれどもふとした瞬間に相手の男性らしさを感じ取ると、嫌悪感や恐怖心が働くんですね。この複雑な気持ちはどう表現したら伝わるでしょう。目が合うと露骨に視線を逸らし、手を伸ばされれば体を離し、話しかけられてもすぐに女子の先輩のところへ行く。「どうしたの?君なんか今日おかしいよ」と言われても「別に」と答えてさっさとその場を去ってしまう。

そしてわたしはあろう事か「ハウ、後でメイクの練習するよ。今日俺が実際にやるから何分になったらロビーに来て」との誘いを意図的に無視して、舞台袖にずっと隠れていたんです。ステージの上に舞台へくっつける木製の階段が片付けられていて、その物陰にうずくまって膝を抱えていました。舞台の真ん中では上級生が長台詞の練習をしているところでした。「あ、居た。もー、探したじゃん。ほらロビー行くよ」と先輩がやってきましたが目を合わせる事ができません。「ほんとどうしたの?今日おかしいよ」と言われても黙っていました。少しの沈黙の後「……俺の事嫌いになった?」と聞かれ、慌てて「あっ、違……」とようやく顔を上げたら、先輩は「まあ嫌われててもいいですけどねー」と笑いながら立ち去ってしまいました。自業自得が招いた誤解なのにもうどうしたらいいのか分からず、涙がとまりませんでした。

結局翌日から二日か三日は口を聞いてももらえませんでした。事務的な用事で声を掛けても「それは誰々先輩に聞いて下さい」って素っ気なく対応されて、目も合わせてくれない。わたしがやった事と同じですね。本当に大馬鹿でしょう。そしたら演劇部は「OBOGを含む部内恋愛禁止」でもあったんですけど、顧問の女の先生から「このところのハウの態度は見ていて腹立たしい」と本気のお叱りを受けたんです。
「OBは大学が終わってからわざわざ高校の演劇部にまで足を運んでるのよ。どうしてあなたの指導をマンツーマンで引き受けてくれてるのか、どうしてあなたを毎日家まで送ってくれてるのか、その意味を考えなさい。どれだけ自分が失礼な態度をとっているのか反省しなさいよ。いい?こんな事二度も言わないわよ。もう16なんだから、しっかりして。人の好意にばっかり甘えてないできちんと恋愛しろって言ってるの。あなた達が好き合ってる事くらい、見てたら分かるわよ」
多分先生にあたる立場の人から恋愛に関してお説教を受けたのって、この時だけだと思います。当時はとにかく芝居のだめ出しをされるのが怖かったけれど、今思うといまどき珍しいくらいの熱い先生だったのかもしれません。
拍手してくれた方々どうもありがとね。

>ハウさんは優しい人ですね。の方へ
多分この記事を読んだらそうでもない事が伝わると思うのですが……、温かい言葉をありがとうございます。生きづらいという感覚は確かにあります。わたしのふとした一言や行動が誰かを傷つけているかもしれないと考えると、申し訳なくて。自分にできる事といえば、同じ失敗は繰り返さないようにする事くらいです。

>まーちゃんへ
まーちゃんにも音信不通のお友達がいるんだね。環境が変わったり年を重ねていくにつれて、付き合う友達も変わっていくのはごく自然な事なのかもしれないね。わー、5件も記事を一気読みしてくれてありがとう。特に中身のないブログだからあんまり気にしなくて大丈夫だよ。

>さのさんへ
わー、バミリ伝わった!うれしい。ハケるって通じないんですか?結構日常生活で使ってるかも……。さのさんは衣装とメイク担当なんですね。わたしがメイクやってた頃は三善の化粧品を愛用してました。ブログを笑ってくださってありがとうです。さのさんを笑顔にできてうれしいな。

>にまこさんへ
はい、多分彼女も自分のこころに余裕がないんだろうなあって思いました。わたしもそういう時期があったから……、あんまりショックを受けなかったのかもしれません。しあわせは自分のこころが決めるって良い言葉だね、書いてくれてどうもありがとう。

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