部屋の片隅で現在(イマ)を叫ぶ。

本編でスランプなのでコネタ投下。
克克学園双子ネタです。
(※パラレルがお嫌いな方はスルーの方向で)













「起きろ。寝汚いヤツだな」

けたたましく鳴り響く目覚ましのアラームよりも抜群の覚醒効果を持つ低い声。
次いでカーテンがレールを走るシャツという小気味の良い音が部屋に響き、閉じた目蓋に朝の光が突き刺さった。

「う…、かつ、や？」

それが眩しくて、手で目蓋を覆いながら寝起きの掠れた声で自分を起こしにきた相手の名を呼んだ。

「……起きろ。今日も遅刻するつもりか、グズ」

相手は自分のその間の抜けた声にほんの少しの間を置いてから、冷ややかに返事をしてくる。
仕方なく目を開けると視界に入るのは、確かに自分と同じ遺伝子で構成されているはずなのに、自分とは全く似ても似つかない片割れの姿。
一分の隙も無く、自分達の通う高校の制服を着こなし、自分には無い高圧的な視線で此方を見下している。
自分のことを軽んじているようなその薄青い瞳。
片割れの秀麗な眉の付け根の辺りにくっきりと縦皺が寄っていることを認識して、克哉ははっきりと目覚め、そして心中深く溜め息を吐いた。
どうしてこうなってしまったのだろう、と。



双子は家を分けるからという何とも因習めいた家庭の事情から同じ名前で、その身体を構成する何もかもが同じ二人。
幼い頃は良かった。
ふたりでひとり。その言葉がまさにぴったり当てはまるように、何処に行くにも何をするにも二人は一緒だった。
片割れが悲しいときは克哉も涙を流したし、片割れが嬉しいときは克哉のふっくらと丸く薄桃の頬も綻ぶ。
ふたつの身体をしっかりと寄り添わせて、二人は何もかもを共有していた。
幼い頃は。
しかし成長するにつれ、二人にははっきりとした性質の違いが現れる。
兄である克哉は他人を押し退けてまで前に出ようとする質ではなく、目立たないようにする為に自分の能力を押し隠すようになる。
しかし弟の克哉はそれとは全く逆の質で、自分の目的の為ならば手段を選ばないようになった。
自分の持てる力は全て有効活用する。それは頭脳体力に限らずその容姿までも。
そうやって、弟である克哉は他人の上に立つことだけを考えて実際そうしてきた。
それは兄である克哉に対しても変わらず。
いつしか克哉には片割れの心の中が解らなくなり始め、それと同時期に片割れは克哉の傍から離れていった。
自分より劣る兄に我慢がならなかったのだろう。
握られていた温かい手は振り払われ、労りの言葉は蔑みの言葉に。
慈愛の眼差しはあからさまな軽蔑を滲ませて。
世界中の何よりも自分の理解者であった片割れのそんな振る舞いに、当然の事ながら克哉は深く傷付いた。
何故ならば、彼の気持ちは昔のままであったから。
幼い頃と変わらず、彼は自分の片割れをかけがえのないものだと思っていたからだ。

「起きたか。ならさっさと着替えろ。俺まで遅刻するだろうが」

そんなことを考えながらぼんやりしていれば、片割れが馬鹿にしたように鼻を鳴らして克哉の布団を剥ぐ。
それに合わせて克哉はゆっくりと身体を起こした。
そしてひっそりと笑う。

「ごめん、お前に迷惑掛けて。お前まで遅刻するのは良くないから先行ってていいよ」

片割れの不興を買わないように。
片割れの顔を見ないようにうつむいて小さな声でそう言う。
きっと彼の顔には呆れが浮かんでいるだろうから。
それを目にするのは耐えられないから。
そう思っての克哉の行動は益々片割れの苛々を煽ったようだった。
小さく、しかし鋭く舌打ちの音が響いて荒々しい足音がそれに続く。
乱暴な音を立てて克哉の部屋の扉が閉ざされる。(そう、昔は部屋も一緒だったのに！)
その間際に片割れは吐き捨てるように言う。

「…勝手にしろ！」

のそりとベッドから出ながら、克哉は胸の痛みに耐える。
どうしてこうなってしまったのだろう。
オレの出来が悪いから？
お前はオレを必要としていないのだろうか。
オレはお前をこんなにも必要としているのに。
ねぇ、どうして。
それでもその疑問を片割れにぶつける事はできやしない。
今以上の不興を買うことは目に見えているから。
克哉は重く湿った溜め息を溢して、着替える為にクローゼットの扉を開けた。










あ、あれ？
なんか薄暗い話になっちった…(´Д｀)
もっと明るい話の予定だったのに…！
次辺りは拍手メッセージの期待に応えて、みどかつ家庭教ネタを投下したいです。

いい言葉ですね。かつかつ(克克)。



いや、あたしは今身心共にかつかつなんですけどもね。
勿論萌えない方のかつかつです。



仕事行って帰ってきて寝るだけですね(´Д｀)
すんません、そんなこんなで更新が遅れに遅れてます…
書きたいネタはあるのに文章に出来ないもどかしさ…嗚呼嗚呼。



・克克で学園パロ(双子ネタ)

・みどかつで家庭教師ネタ

・オリジサイトのお話も進めたい



やりたいのはこの辺りです。
むーん。いつになるやら…(´・ω・｀)




はっ！ブログで拍手とメッセージを下さる方々、ありがとうございます(*´∇｀*)

遂に東/方/神/起のファンクラブに入会しました。


と言いますか。



あれだけ東/方/神/起を全否定していた妹が、いつの間にやらあたし以上にハマっています。



彼女に一体どんな心境の変化があったのか………
我が妹ながら掴み切れない女です。




さ、頑張って小説書きます！

帰って来ました。





………や、すいません。実は２８日に帰ってきてはいたのです。
ご挨拶が遅れてすみませんm(__)m





今SSが書けなくて困っています…
やたら長文を書いてしまう傾向にあります。
申し訳ありませんが、更新は今暫くお待ち下さいませ。
あうあう(´Д｀)