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100回泣くこと/中村航

競い合うように「愛する人の死」を取り扱った
小説なり漫画なりが乱立し、
それのほとんどが設定が違うだけで
同じような話の流れだと思う。

だからあまりそういうものは
好きじゃないのだけれど。

これはそれと知らずに購入してしまって、けれども
無駄に長く書かれているものより簡潔で、深い。


人間は簡単に悲しみから立ち上がれるものではないし、
乗り越えたからといってすぐに立派な、
そうでなくても前向きな人間に成れるわけがない。

死に向かう人に対して
的確な言葉を選べるわけがないし、
後悔しないわけがない。

それと関わりのない出来ごとでも
理不尽に怒りを覚えたり、
楽しかった過去ばかり懐かしんだり、



何気ないことが幸せで、
それがいつまでも続くと思っている。

心が飛んで行ってしまっている時に
現実に起こっていることなど、全て
障碍となってしまう。



「愛する人の死」を描くことは
簡単じゃないのだ。
と、教えられた小説だった。
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