紅玉さんの書き下ろしが発売されているの知りませんでした(^^;

電撃じゃないですし、店頭で見かけた時は驚きました。


人喰い三部作から打って変わり、携帯があまり普及していない少し昔の現代小説です。

女子高生4人の交錯する心と、それぞれが抱える心の病気。

一見すると、狂いかねないような危険さを伴った人達でした。

どこか可哀想でいて、羨ましくて、愛しい。


優しすぎるエカとバカなマルと、空虚なオヅと孤独なシバと。

本当のハッピーエンド、とは言い難いけれど、思春期の描写が良かったと思います。

少なくともこれを読み、理解できない人にも共感できる点はあると、改めて学びました。


いきすぎた優しさのエカに、ものすごく共感できたのが印象に残りました。

気持ちや自分が分からないオヅと、醜い想いのシバも。

4人の性格と重なる所が、誰の心のどこかにもあると思うんです。

だからこそ、苦しい。

そう、読んでいて苦しかった、辛かった。

確かに、依存するのは良くないかも知れない。

真実を突き付ける事が悪い事なのかも知れない。

でもそれでも、そこにはちゃんと心がこもっているなら。

それで良いんだと。


ガーデン・ロスト
失楽園

誰にでも楽しかった場所は在ったはずだから。