続きです。裏ですので閲覧にはご注意下さい。





はあはあと苦しげに呼吸をするユーリの腹に手を這わすと、今しがた吐き出されたばかりのユーリの精を指で絡め取り、フレンはそれを軽く口に含んだ。

「ちょ、おま、何して…っんむ!?」

すぐさま引き抜くと、驚いて声を上げたユーリの口に押し込む。

「むぐ、ぅんっ、む!!」

ユーリは眉を寄せてあからさまに嫌悪の表情になる。

「自分のだろう?そんなに嫌がることないじゃないか」

「ンンッ!?」

「ほら、ちゃんと舐めて」

「………」

不満そうな表情で睨みつけながらも、ユーリは口内の指に舌を絡めだした。

ちゅ、ちゅぷ、と、小さな子供が指を吸うかのような音だったのが、次第にぴちゃぴちゃと大きな音になる。
瞳を閉じて指を舐めるユーリから、鼻にかかった甘ったるい声が漏れる度に、フレンは下半身に熱が集まっていくのを感じていた。
いやらしすぎて、くらくらする。

「っ、なんだか、気持ち良さそうだね、ユーリ」

「ふ、ぅ…?」

指を動かして内側や舌の裏を擦ると、少し苦しげに首を振る姿がまたそそる。

「こうやって指を入れられるのって、男性にされている女性の気持ちに近いらしいよ?」

「んっ、…ぷぁ、な、にを」

フレンは指をユーリの口から抜くと、唾液まみれのそれをユーリの後孔に擦り付けてぐりぐりと刺激する。

「あぁっ!や、あ!」

「こっちに入れられるのはどうなのかな」

「あ、ああぁあッ!!」

少しずつ人差し指を中に押し込む。なんとか根本まで入ったが、血が止まるんじゃないかと思う程の入り口の締め付けと、内側の熱さに息が詰まるような感覚に陥った。同時に少々不安になる。

(入るのかな、僕、の)

「ユーリ、痛くない?」

「っ、痛くは、ない」

「…指、増やすよ?」

「ん…、いい、ぜ」




「っあ、あ、あっ、んぁ!!」

既に三本の指を受け入れて、ユーリはしきりに喘いでいた。かなり時間をかけたおかげか、痛みを感じている様子はない。むしろ快感に支配されているようだ。
その証拠にユーリの性器は再び勃ち上がり、溢れる先走りが流れて茂みを濡らしていく。
フレンの指が出入りする度、潤滑剤代わりに落とされた唾液と絡み合い、ぐしゅぐしゅと淫らに音を立てるさまを目の前で見せ付けられて、フレンは最早限界だった。


一息に指を引き抜くと、ふあぁ、と切なげな吐息が頭上から落とされた。
まだ拡がったままひくひくとうごめくその入り口に素早く自身を押し当てると、息を呑んで自分を見詰めているユーリと目が合う。
その瞳にはうっすらと涙が滲んでいた。

「も、限界、入れるよ…っ!」

「ぅあ、っ、ああぁぁッ!!」

ユーリの肩に顔を押し付けながら、ぐ、ぐ、と段階的に腰を押し進めると、その度にユーリは喉を反らせてびくびくと身体を震わせた。
そうして全て埋め込むと、ユーリが大きく息を吐いた。
やはり辛いのだろうか、と思った次の瞬間、ユーリの腕が背中に回され、きつく抱きしめられた。

「っ、ユーリっ!?」

「…あ…、すげ…っ、フレンの、全部、入っ…て」

「……………!!」


もっと、うごいて―――


耳元で囁く甘い声に、フレンの理性は全て吹き飛んだ。



激しく揺さぶり、唇を貪りながら名前を呼び、互いを求め合う。
声が外に漏れるかも、など気にならなかった。


「んああっ!あっ、ああっ、も、ムリ…っ、イっく、あ、ああぁぁあッッ!!!」

「っく、ユー、リ…っあう……っ!!」

ユーリが達した瞬間にきつく締め上げられ、フレンも自身の熱い欲望をユーリの身体の奥に叩きつけていた。




「あー…、だりぃ」

足を引きずるようにして歩くユーリに肩を貸して、フレンは申し訳なさそうに口を開いた。

「ユーリ、大丈夫かい?」

「大丈夫なわけねえだろ、ったく…。がっつきやがって、このドーテーが」

「ひ、酷っ…!君があんな、誘うからだろ!?」

「誘ったのはそっちだろうが!」

行為の後、動けないユーリの身体をとりあえず拭いて制服を整え、散らかった室内を片付けて外に出てみれば、辺りはすっかり暗くなっていた。

今日、ユーリはもともと、一人暮らしのフレンの家に遊びに行くつもりだったのだが。

「あーもー、とりあえず風呂貸せよな」

「う、うん」

「…それとおまえ、あの『本』の内容、知ってたろ」

「…あー…うん」

やっぱりな、と溜め息を吐くユーリに、フレンはなんとも言えない気持ちになった。

「…ユーリ、なんで抵抗しなかったんだ?」

んあ?と言いながらユーリがフレンに顔を向ける。

「僕は本をダシにして、君に好き放題やったのに、どうして」

「抵抗したらやめたのかよ」

「…いや、多分…無理だったと思う」

「…さっき、キスした時の話したよな」

「は?あ、ああ」

「そん時オレ、なんか…その、これがフレンだったらなーとか思っちまってさ」

「…え?」

「言っとくが、オレは別に野郎が好きな訳じゃねぇからな。おまえだったら、って話だ」

ふて腐れたように淡々と語る様子に、フレンは嬉しすぎて笑いをこらえるので必死だった。

「でもおまえはそうじゃないだろうから、言うつもりもなかった」

「…ユーリ」

「そしたらあんな真似してきやがって…!どういうつもりかわかんなかったけど、もしかしたらチャンスかもしれねー、って思ってさ」

「ユーリ…!!」

「うわ、っちょ、こんな往来で抱きつくんじゃねえ!!」

じたばたともがくユーリをしっかり抱き締めて幸せを噛み締めていたフレンだったが、ユーリに思いきり足を踏まれて悲鳴を上げた。

「いたっ!!何するんだ!」

「確かに状況は利用させてもらったがな、おまえはもうちょっと普通に告るとかできねーのか!?いきなり本番って、どう考えてもおかしいだろ!!」

「ちょ、ちょっとユーリ、声が大きい!」

慌ててユーリの口を手で押さえ、路地裏に入って息を吐く。

自分はいきなり抱きついてきたくせに、とぶつぶつ言っているユーリにキスをして、抱き寄せる。

「そうだね、ごめん。…好きだよ、ユーリ」

「…っ、う」

真っ赤になって俯いてしまったユーリを腕に閉じ込めて、ユーリからの告白は帰ってからゆっくり聞かせてもらおうかな、などと考えるフレンだった。






ーーーーー
終わり
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