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君だけで(ボカロ/がくカイ)




「これはなんでござるか、カイト殿?」

そう言ってがくぽは笑ってはいるが、口元をひくひくさせていた。
「何って、マスターが俺にって」
「そういうことではござらぬよ、我が聞いているのはどうしてこんな格好でカメラに撮られているのかでござる」
がくぽが手に持っているその写真は、以前、マスターが俺に似合うから、と着せられて、某曲を歌わされ、踊らされた揚句、マスターの知り合いのカメラマンに撮られたものだった。

俺はビキニパンツに上半身裸、頭にサングラス。そして俺のトレードマーク首にマフラーというマスターの完全なる趣味だ。そして誘っているかのようなポーズまで決めて。アイスを盾に乗せられた一枚だった。

曲自体はミク達が歌っていたもので本来なら女性ボーカロイドが歌ってこそなのに、何故か俺もやらされた。

(まあ、普段、ああいうのないから楽しかったけど)

「だって限定のアイス食べたかったんだもん」
「カイト殿!」
強く名前を呼ばれ、びくっとした。がくぽのくせに、そんな真剣な顔するなんて反則だ。
(くそう、しかも無駄にかっこいいからキュンとした)


「カイト殿」
「な、なに?」

名前を呼び、俺の肩をがっ、と掴み、頼りなさげに肩に寄り掛かると、がくぽは俺を見上げ、不安そうな顔で見た。

「こんなものを世の中に出してしまったら、カイト殿にますます人気が出てしまうでござろう?」
「………へ?」

「我だけのカイト殿なのにこれ以上人気が出てしまったら嫉妬で狂いそうでござる」
そう言ってうなだれるがくぽ。

どうやらやきもちを妬いていたようで、過度の露出に敏感になっていた。
「そ、そんなこと言ったらがくぽだってエアリーの時、上半身裸になってたじゃん!」
「それとこれとは別でござるよ」
「理不尽!」
いーっ、と悪態をついてその場を離れる。





(…………馬鹿)



と思いつつ、なんだか嬉しいのはなんでだ。




「あれ、兄さんどうしたの、顔真っ赤だよ?」
「な、なんでもない!」

END
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渇望(APH/アル→菊)



「やりましたね!アルフレッドさん!」
「………うん、そうだね」





どうなるかは目に見えている。
ああ、でも愛しき人よ、



「………菊、」



END





(君を手に入れる為なら、どんなことでもする)

残像(APH/アル←菊)



「…」
何も残らない。






降りしきる黒雨。


ああ、愛しき彼の人よ、


END






(これが答えなのですか)





どうか、どうか忘れないでいて、

無性に貴方に(ボカロ/がく←カイ)




(あ、がくぽの父上様だ)
マスターが外に出掛けるということで留守番を頼まれた。のんびりソファで昨日買って貰ったアイスを食べながらテレビを見ていると、CMに知り合いのお父様が出ていた。

(最近よくCMで見るなぁ…)

がくぽが出るほんの前までミステリアスなかんじがしてかっこよかったのに。
「課長…?」
ぷはっ、と笑いが零れてしまう。昔はこんなことあんまりしない人だったような気がする。

(…それにしても、)

この人ががくぽのお父上なんだよな。そう思うと少し複雑だ。だってがくぽ本人を見てみればよくわかる。
どれだけ歌声や系統が似てるからって、当の本人は父親のかっこよさには程遠く、ただのナス好きでヘタレな変態だ。どうしてこうなったのか。
(まあそれがどうというわけでもないけど)
「…」

……ああ、なんか、





「ただいまー。KAITOー、今度貸してたがくぽ帰ってくるから、またオリジナル歌わせるし、練習しておいてね」
「えっ」





END





(がくぽに会いたくなってた)
(なんて思ってたら)
(………どうしよう)

状況報告(携帯、充電器擬人化)

最近、家出してた奴が帰ってきました。というより、主に置いてかれたといった方が早いな。うっかりしてたと謝ってくれたが、こうやって戻ってきてくれると、やっぱりお前が側にいるのといないのとじゃ全然違う。
それまで代わりになってくれる奴がいたが、そいつとも相性が合ったり合わなかったりで、なかなか慣れなかった。主も、俺も。
ちっこいあいつもお前なしじゃ生きてもいけないもんな。冷たくなってじっと待ってた。戻ったら存分に構ってやろう。
本当に困った主だ。
だが仕方ない。もうしばし、付き合ってやる。だから早く電池を変えてくれ!


「なあ、誰、こいつ」
「ちわっす!」
「…………」


ああ、忘れてた。
こいつが1番厄介なのを。
END


「お前の代わりになってくれてた奴だよ」
「ふーん」
じとー
「……」
(嫉妬深いのさえなけりゃな)
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