前回の記事での予告通り、今年の4月からのことを書いていきます。


4月の最初の方で、新入生の学外オリエンテーションという名の友達作りお泊り合宿に学生アドバイザーとして参加しまして、そのときに新入生にいい感じの子はいないかと探す懲りない面食い・佐野。最初にしおり的なものを配っているときに、やたら笑顔が素敵な子やなかなかタイプな子は発見しましたが、まあ新入生と上回生(ましてやこっちはアドバイザー)という関係上、イケメンどころか新入生ともそんなに絡むことはなく、私が担当だった部屋の新入生とちょっと仲良くなって終わりました。

そしてそれから少し経ち、所属している部活の新歓お花見の日。
遅刻魔なのは塾の先生に対してだけではないわけで、この日も例のごとく遅れていきました。こういう場に遅れていって注目を集めるのはものすごく苦手な根性なしのくせして遅れていくという矛盾。

他大と合同でのお花見だったのですが、すでに新入生と他大の上回生が数人ごとに小さな輪を作っている状態でした。自分の大学の上回生はこれからそのグループに1人ずつつっこむ的なあれでした。「うわーなんかこわそうな子いるしあの班絶対入りたくないなー」などと思いながら、そそくさと自分の大学の2、3回生が固まっているところへ混ざります。この時点でめっちゃ帰りたかった。そんな時、いじめられっこのごとくそわそわきょろきょろしている私に、自分の大学の幹事の子がニコニコしながら近づいてきました。


「あおいは2ね!」



………えっ?2?何が?


1人でキョドっているうちに幹事の友達がどんどん番号を振り分けていきます。そして「はい、それぞれの番号の班に入ってってくださーい!」という無茶振り。2ってどこだ…と見回してみると、


絶対入りたくない班だったーわーい


ふざけましたごめんなさい。でも素でこんな心境でした。最初に来た瞬間に目に飛び込んできた、こわい子のいる班だったんです。しかも座席(っていってもみんなブルーシートの上に座ってるだけですが)の配置的に私はその子の隣に座らざるをいけない状態。ええいままよ!といつの時代の人かもわからないような謎のセリフを心の中で叫びつつ突っ込んでいきます。


「すみませーんお邪魔しまーす!」

「あっ…どうぞどうぞー」

「ど、どうもー」


わーい微妙な空気だ\(^O^)/


一瞬で帰りたくなりました。盛り上げキャラがいない班だったようで、始まったばかりということもあってかなんか盛り上がりも微妙な感じで、かといって私も盛り上げるようなキャラでもないので(基本的に他力本願)、秘技・とりあえず笑っとくを炸裂させていました。

自己紹介から始まり、だんだんと話も弾み始めます。その間も隣の子をチラ見しては「こわ…」とひそかにおびえる私。だって茶髪でパーマで、しかもあの金属でできたヘアバンド?カチューシャ?みたいなのしてたんですよ。あのやんちゃなバスケ少年とかがしてそうなやつ。話している感じは明るい感じでいい子そうだったのですが、私みたいなのとは関わることがないタイプだろうなと思っていました。なんせ私は高校生って言っても通用しそうな芋っぽい黒髪っこですからね。ギャルとか好きそうだなとか勝手に思ってました。

そして、みんなで話しているうちにわかったことは、恐い子が同じ大学の新入生であること、将来は教師を目指していること、そしてバスケが趣味なこと。

バスケが趣味なこと ←ここ重要


そう、私バスケ少年大好きなんですよ。某スラムなんちゃらとかいう漫画の影響では断じてないです。

教師を目指しているという意外に真面目そうなところなんかもあったり、話している感じも意外としっかりしていたり、バスケ少年だったり、バスケ少年だったり、ということもあって、私の中でちょっと好感度が上がりました。
しかし、「同じ大学ならこれから関わることになるだろうし…」と思って何度か話しかけてみましたが、なんだかそっけない態度だったので「やっぱこの子とは関わらないようにしよう」と思いました。単細胞・佐野。


そんな感じでまったり班で話したり、ゲームをしたりして、全体の進行が終わり、フリートークの時間に。この頃には私の班はけっこう和やかな雰囲気で話していたので、フリートークになってからも班の中で話していたのですが、隣の班にいた友達が助けを求めるかのように私に話しかけてきたのでそっちに移動しました。

友達の班には同じ大学の新入生の子が2人いて、私も友達も学生アドバイザーをしていたことから学外オリエンテーションの話題に。学外オリは何回かにわけられていて、私と友達は別の日程で行っていたのですが、なんかやたら私が行っていた日程の子が多かったので盛り上がりました。

そしてなぜか履修登録の話になり、なぜか新歓に時間割表と単位修得要領を持ってきていた私と友達で履修相談会に。
だんだん集まってくる新入生。他大の先輩に「なんであいつら履修相談しとんねん」と笑われつつ、真剣に履修相談を始める集団。
まあーどんどん人が集まるわーと思っていたところへ、あのバスケ少年がやってきました。


「なんか履修相談しとるー!俺も聞きたい!」


バスケ少年でした。なんかめっちゃニコニコしてる。

か、

かわいい…(キュン…)


さっきまでの無愛想な感じはなんだったのかと問いたくなるような無邪気さに、うっかりときめく私。そこからはもうデレデレです。


「僕バーベキューしたいです!」

「おーいいねー!バーベキューしよしよ!」

「この部って何したりするんです?」

「キャンプとかー旅行とかー」

「バーベキューは?バーベキューは?」

「去年は1回やったよ」

「今年もしましょうよ!バーベキューしましょうよ!」

「そうだねーしよっか!」

「僕バーベキュー大好きなんですよ!」

「さっきからずっとバーベキューって言ってるもんねw」

「バーベキューよくないすか?もう僕バーベキューできたらなんでもいいですもん!」

「そんなに?w」

「僕学外オリもバーベキューだと思ってたらなんかまずいカレーじゃけ、もー帰ろうかと思いましたもん!」


こんな感じで、バスケ少年もとい恭弥くんは、めちゃくちゃ元気よくバーベキューを連呼していました(キュン…)。あの数時間で何度バーベキューと言えば気が済むのか。そしてたまに出る広島弁が半端ないかわいさでした(キュン…)。もうめちゃくちゃノリがよくて、あれしよーこれしよーって言ったらなんでも「しましょう!」って笑顔でノッてくれました。そしてそのかわいさに調子に乗った私も、デレデレしながら誘いまくってました。


そんな感じでフリートークで異常に楽しみ、その日はお開きに。「履修のことでなんかあったら相談乗るよ」というなんともとってつけたような理由で新入生何人かと連絡先を交換し、恭弥くんとの出会いにほくほくしながら帰路につきました。


で、小1時間電車に乗って帰ったわけですが、その間もずっと「メールしようかなーどうしようかなー」とそわそわ浮足立つ私。自分の切り替えの早さに驚きつつも、「これでやっと辻井先生のことも忘れられるかもしれないなー」と前向きな気持ちでした。

で、電車が最寄駅に着いたとき、「よし、メール送ろう!別にただ先輩後輩として仲良くなるためだし!」と決心し、メールを作ろうとちょうど携帯を開いたその瞬間、メールを受信しました。メルマガかな?と思って開いてみると、


恭弥くんからああああああああ(ドキドキドキドキ)


これって運命?これって運命?などとにやにやしながら家に帰り、メールを楽しんだのが日曜日。そしてそのメールで、次の火曜日の放課後に、履修相談という名目で学食で会う約束をとりつけたのでした。