突発文。ついったSSが長くなったのでこちらに。
いつもながらにシリアス。
初心に帰って、トライエッジ=カイト(無印)と思ってるハセヲさんです。多分G.U.時代?
害のなさそうな顔をしてPKできそうなカモに近づく。弱者を狙ってるそんな奴らはこの"世界"にもごまんといる。そういうのは見ていて分かる。目が笑ってないんだ。ちょうどあいつの目の前にいる奴みたいに。
適当に選んだエリアに赤い双剣士を見つけた。
道を聞かれたのだろうか。獣神像の方向について教えているお節介は一見相手を全く疑っていないように伺えた。PKに背中を向けるカイトへと銀色の光が煌めく。
「俺の獲物に話しかけてんじゃねぇよ。」
身体は勝手に動いていた。両腕が相手の背中に大鎌を叩きこむ。カイトを狙ってたPKは地に伏せ、手に持っていた剣が音をたてて落ちた。
その音でようやくこちらの存在に気がついたカイトは目を丸くして立ち尽くしている。
「いきなりPKなんて…何で。」
相手が笑顔であんたのこと狙ってたのに気がついてなかったのだろうか?
カイトの瞳に映るのは困惑、悲しみ、そしてわずかばかりの怒り。
あぁそうか…自分の獲物を横取りされたのか気にくわなかったんだな。きっと今地に伏せているやつを未帰還者にするつもりだったのかもしれない。"彼女"と同じように。
(なんでこいつ助けてんだよ…俺)
そうだ、憎めよ。誰にでも心を許すな。偽善じみたあんたの笑顔に俺はイライラする…はずたろう?
「…っわ?!なに…っ!」
奴の視界を反転させる。地面へと押し倒したカイトの首に光るのは自身の双剣。
「その右手…早く使えばよかったのに。」
縫いとめたカイトの右手に力をこめる。これでアンタは俺から彼女を奪ったんだろう?俺の安らげる世界をめちゃくちゃに壊してくれたんだ。
「あんたこれで壊すのが得意だもんな?」
奴の顔が強張る。
今にも泣きそうだ。睨みつけてこないのは意外だったが、俺の知らない奴に向けられる笑顔よりよっぽどいい。
「てめぇにあんな笑顔なんか似合わねぇ。」
アンタが誰にでも優しいから。アンタが誰にでも笑顔で話すから。"トライエッジ"じゃないんじゃないか…なんて変な錯覚に陥るんだ。
早く本性を現わせよ。
(その涙の意味が理解できない。)