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じゅうでんちゅう
2024-5-3 09:16
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2014-11-24 23:06
刹那ーもしも…ー
ふわふわしてて、
一瞬何が起きたのか、わからなくて。
あ、そうだ、忘れ物。って思い出した瞬間、
目の前の彼女が
今さっきまで自分の机で、笑ってたことも
同時に思い出して。
がらにもなく恥ずかしいような、
くすぐったいような、感覚で。
咄嗟に出た言葉が、
「忘れ物取りに来ただけだよ」
扉の前にいる彼女の脇を通り、
ドキドキしながら、手に変な汗を感じながら、
自分の机から教科書を取り出して、
しっかりバックにしまって。
何か、なにか言いたい。
でも何を言うんだよ、何て声かけるんだよ。
扉の前でこちらを向いてる彼女を見て、
頭は最高速で回転しているのに、言葉がでない。
どうしよう、どうしよう。
一秒一秒が、すごくスローだった。
一歩一歩が、すこぐ重たかった。
彼女の脇を通り過ぎるとき、
必死に絞り出したことばが、
「それじゃあ、気をつけて帰れよ」
笑えてたかな、少しは恰好良かったかな。
もやもやと、ドキドキと、
恥ずかしいのと、よくわからないので、
胸の辺りが締め付けられてる感覚。
自分がにやにやしてる感じがして、
ほっぺをパンパンと叩く。
早く帰って課題やらなきゃ。
2014-11-24 23:05
刹那ーもしも…ー
どきどきして、時間が止まった感じがして、
会えたことが嬉しくて、
声をかけることができて嬉しくて、
たまらないくらい、顔が熱かった。
何してるのってそりゃあ、
こんな時間に忘れ物かなにかだって、
考えたらすぐにわかるのに、聞いてしまった。
そのあとは、至極普通だった。
金井くんは、教科書忘れてきたって、
あたしがさっきまで座ってた場所に向かう。
そして慣れた手付きで教科書を取り出し、
それじゃ、気をつけて帰れよって、
少しぎこちない笑みで声をかけてくれた。
たった5分くらいのはずなのに、
それがすごくすごく長く感じて。
たった、それだけなのに、
すごくすごく、嬉しくて。
今更、ドキドキに気付かない振りして。
ドキドキなんか知らないふりして。
さて、おうちに帰ろうかな。
2014-11-19 11:13
鼓動(もしも……)
演劇部、セリフなんてもらえない。
でも。一生懸命やるだけなんだよ。
だって、それしか知らないから。
だけど、
あの子より上手く歌いたい。
この曲は、上手く歌いたい。
いつからだろう、この恋歌に、
すごいこだわり出したのは。
演劇部の練習終わり、
毎日のように、教室で練習してる。
今だけは、彼と近付ける。
こんな時くらいは、許してください。
いつも通り、いつもみたいに、
彼を思って、この歌を歌う。
何故かいつも、彼を想うと、
笑みが溢れてしまう。
届いてほしい。
この想い。あなただけに。
気付かなくてもいい。
でもあたしは、想ってる。
あなたのこと、想ってるよ。
よし。もう、こんな時間だから、
帰らなきゃ。
前扉は鍵が掛かってるから
後ろの扉から出ないといけない。
ガラッと、扉を開けたら、
頭を、抱えた彼がいた。
「え。え?か、鎌井くん、何してるの?」
2014-11-19 11:02
鼓動(もしも……)
「あ゛ー疲れたーっ!!」
剣道の練習終わり、汗だくになりながら、
仲間たちと、帰宅の途に着いた時、
教室に忘れ物したのを思い出してしまった。
最悪すぎる。
でもあれがないと課題が出来ない。
「ごめん、俺、1回教室戻るわ」
仲間たちにバカだーと笑われながら、
急いで向かう。だって夜の教室だ。怖すぎる。
ふと、歌声が、聞こえた、気がした。
あれ?そらみみ?
「取り敢えず怖すぎるから早く教室行こう」
でも次第に大きくなる歌声。
ここまではっきり聞こえるなら幽霊じゃないな。
妙な確信を持ったとき、
歌声の元が自分の教室だとわかった。
(……誰だろ)
後ろの扉のガラスから、覗いた瞬間、
心臓が飛び出すんじゃないかってくらい、
ドクンッと高鳴った。
ドクンッドクンッ
聞こえてしまうんじゃないか、彼女に。
いつも謝ってる、彼女に。
なんで、こんな時間までここにいるんだよ。
なんで、歌ってるんだよ。
なんで、俺の、イスに、座ってるんだよ。
なんで、笑ってるの?
途端に自分の顔が赤くなるのが、わかる。
あ。やばいやばいよ。これはやばい。
どうしよう。教科書ないと課題出来ない。
でも邪魔なんかしたくない。
歌の意味なんかわかんないけど聞いていたい。
うおーっと頭を、抱えたとき、
ガラッと扉が開いて、彼女が、出てきた。
「え。え?か、鎌井くん、何してるの?」
2014-11-15 00:22
もしも、こうだったら。
明るくて、
お友達が、たくさんいて。
あたしなんかとは、正反対の人。
いつもにこにこ笑ってる。
憧れるなあ。なんて思っても、
あたしには、到底出来っこない。
本の合間に横目で窺い、
少しだけでも、笑顔をみてる。
いつかお話、出来る日がきたら、
なんでいつも明るいのかとか、
笑顔でいられる秘訣とか、聞いてみよう。
みんなと同じように、
お話、してくれたらだけど。
彼のこと、もっと、知りたい、なんて。
ドキドキする胸は物語のせいと言い聞かせて、
視線を彼から本へと戻した。
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