「約束」
ゆびきりげんまん、うそついたらはりせんぼんのます、ゆびきった。
せんせえと指切りをしたことを覚えておくために書いておこう。乾燥したぼくより長い小指が「小さい指だね」と笑いながら絡んだ。
お互いに、絶対に嘘はつかない。
相手にだけは嘘はつかない。
嘘は傷つけるだけだから、嘘はしあわせを呼んではくれないから、笑い合えることを話そう。泣きながらそう決めた。
それと「あなたのその手で首を絞めてころしてください」と懇願したら、願いは聞くけれどそれをいつやるかはせんせえが決めるそうだ。
「それを楽しみに生きなさい」
どうして、どうして生かそうとするのだろう。どうして、ぼくに触れようとするのだろう。どうして、どうして、どうして。分からないことばかりで、でも聞いてみても突き放されてしまうから困ったもの。むうう。
好きだと、初めて言われたよ。